知らずにやってない?朝、「納豆」に生卵を混ぜて食べない方がいい人の特徴|管理栄養士が解説
納豆に生卵を混ぜると、まろやかでおいしく、忙しい朝でも手軽にたんぱく質をとれます。一方で、「納豆と生卵は食べ合わせが悪い」と聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。実際には過度に心配する必要はありませんが、食べ方に注意したい場合もあります。今回は、納豆に生卵を混ぜて食べることに注意したい人の特徴と、おすすめの食べ方を管理栄養士が解説します。
納豆と生卵は「食べ合わせが悪い」って本当?
生の卵白には、「アビジン」というたんぱく質が含まれています。アビジンは、納豆にも含まれるビタミンB群の一種「ビオチン」と結びつきやすく、体内への吸収を妨げてしまう性質があります。
ビオチンは、糖質や脂質などの代謝に関わるほか、皮膚や髪の健康を保つうえでも欠かせない栄養素です。不足すると、食欲が落ちたり、皮膚炎や脱毛などの症状が現れたりすることがあります。
このビオチンの吸収阻害が、納豆と生卵の「食べ合わせが悪い」といわれる理由です。では実際のところ、納豆と生卵を一緒に食べるのは避けた方がよいのでしょうか。
実は、ビオチンは納豆以外にもさまざまな食品に含まれており、通常の食生活で不足することはまれです。生の卵白を長期間、大量に摂り続けるとビオチン不足につながる可能性はありますが、一般的な食生活で納豆に生卵を1個混ぜる程度なら、過度に心配する必要はないでしょう。
納豆と生卵の組み合わせに注意したい人の特徴
毎朝、納豆に生卵を混ぜて食べている人のなかには、「自分は大丈夫かな?」と気になる人もいるのではないでしょうか。基本的には心配しすぎる必要はありませんが、食べ方に注意したい人もいます。次のような人は、一度普段の食べ方を見直してみましょう。
生の卵白を長期間、大量に食べる習慣がある人
朝食に限らず、生の卵白を長期間、大量に食べる習慣がある人は注意が必要です。アビジンによってビオチンの吸収が妨げられ、不足につながる可能性があるためです。
アビジンは加熱すると働きが弱まるため、生卵を大量に食べる習慣がある場合は、炒り卵やゆで卵など、加熱した卵料理を取り入れるのもおすすめです。
生卵による食中毒に注意が必要な人
日本では生食を前提とした卵の衛生管理が行われており、適切に保存された賞味期限内の生食用卵は、生で食べることができます。ただし、サルモネラ菌による食中毒のリスクがまったくないわけではありません。
食品安全委員会は、高齢者や2歳以下の乳幼児、妊娠中の人、免疫機能が低下している人には、できる限り十分に加熱した卵料理をすすめています。
これは納豆との食べ合わせに特有の問題ではありませんが、家族で納豆ご飯を食べるときは、年齢や健康状態に合わせて卵の調理方法を工夫すると安心です。
忙しい朝でも実践できる!納豆と卵のおすすめの食べ方
朝食に納豆と卵を取り入れたいけれど、ビオチンの吸収への影響が気になる人や、生卵による食中毒を予防したい人は、次のような工夫をしてみましょう。
黄身だけを混ぜる
アビジンは卵白に含まれるため、ビオチンの吸収への影響が気になる場合は、黄身だけを混ぜるのもひとつの方法です。残った白身は、朝の味噌汁やスープに入れて十分に加熱すればムダなく使えます。ただし、黄身だけでも食中毒のリスクはあるため、食中毒の観点で生卵を避けたい人は十分に加熱しましょう。
生で食べるなら、食べる直前に割る
生卵を使う場合は、食べる直前に割り、時間を置かずに食べましょう。また、適切に冷蔵保存した賞味期限内の卵を使い、ひび割れがないことも確認してください。
加熱した卵料理と組み合わせる
生卵の代わりに、卵焼きや目玉焼き、ゆで卵などを納豆ご飯に添えるのもおすすめです。卵白に含まれるアビジンは加熱すると働きが弱まるため、ビオチンの吸収への影響を抑えられます。
また、中心まで十分に火を通せば、食中毒のリスクも減らせます。卵を味噌汁に落としたり、納豆を卵焼きに混ぜ込んだりと、好みに合わせて工夫してみましょう。
【参考文献】
・国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報「ビオチン」
・National Institutes of Health「Biotin - Health Professional Fact Sheet」
・公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「ビオチンの働きと1日の摂取量」
・食品安全委員会「「食の安全ダイヤル」に寄せられた質問等Q&A 【生物系物質】」
・東京都保健医療局 食品衛生の窓「卵の衛生的な取扱い」
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