下まぶたの裏が白い人は「鉄分不足」に注意?医師が診察で確認する〈貧血のサイン〉とは
「最近、顔色が悪いと言われる」「下まぶたの裏が白っぽい」という変化があり、さらに疲れやすい、息切れがする、動悸がするなどの症状があれば、貧血を疑うサインかもしれません。特に中高年では、貧血そのものを治すだけでなく、なぜ貧血になったのかを調べることが重要です。医師が解説します。
「下まぶたの裏が白い」は本当に貧血のサイン?
鏡を見たとき、下まぶたの内側が「以前より白っぽい」と感じたことはありませんか。
医師が診察するときには、顔色や唇、爪などの色を確認することがあります。その一つが、下まぶたを軽く下げて見る「眼瞼結膜」です。
健康な人では、眼瞼結膜はある程度赤みを帯びています。
それに対して、貧血がある場合には、眼瞼結膜の色が薄く見えることがあります。
そのため、「下まぶたの裏が白い」という所見は、貧血を疑うきっかけの一つになります。
ただし、ここで大切なのは、下まぶたの色だけで貧血と判断することはできないということです。
照明や体調、もともとの粘膜の色などによっても見え方は変わります。貧血があるかどうかを確実に調べるには、血液検査が必要です。
貧血になると、なぜ下まぶたが白くなるのか
血液中で酸素を運んでいる重要な成分が、赤血球に含まれる「ヘモグロビン」です。
ヘモグロビンが減少すると、血液そのものの赤みが弱くなります。そのため、血管が透けて見える眼瞼結膜なども、通常より白っぽく見えることがあります。
特に鉄欠乏性貧血では、ヘモグロビンを作るために必要な鉄が不足しています。
「最近、顔色が悪いと言われる」「下まぶたの裏が白っぽい」という変化があり、さらに疲れやすい、息切れがする、動悸がするなどの症状があれば、一度血液検査を受けてもよいでしょう。
「疲れやすい」は年齢のせいとは限りません
貧血で比較的多い症状の一つが、疲れやすさです。
例えば、以前なら階段を上っても何ともなかったのに、最近は少し上っただけで息切れする。
仕事をしていて以前より疲れやすくなった。
夕方になると強い倦怠感がある。
このような変化を「年齢のせい」「仕事が忙しいから」と考えてしまう人は少なくありません。
しかし、貧血によって体に十分な酸素を運びにくくなると、心臓がより多く働いて酸素を補おうとするため、動悸や息切れなどが起こることがあります。
もちろん、こうした症状は心臓や肺の病気などでも起こります。
だからこそ、「年齢のせい」と決めつけず、一度原因を確認することが大切です。
こんな症状があれば「鉄不足」を疑ってみる
鉄が不足しているときには、貧血以外にもいくつか特徴的な変化が現れることがあります。
例えば、爪が割れやすくなったり、爪が薄くなったりすることがあります。
また、髪が抜けやすくなった、舌がヒリヒリする、口の中に違和感があるといった症状がみられることもあります。
さらに特徴的なのが、「氷を無性に食べたくなる」という症状です。
冷たい氷を食べることが習慣になり、「飲み物に入っている氷まで食べてしまう」という人がいます。
これは「氷食症」と呼ばれ、鉄欠乏との関連が知られています。
下まぶたの裏が白いことに加えて、こうした症状がある場合には、鉄欠乏がないか確認してみる価値があります。
「ヘモグロビンが正常なら大丈夫」とも限りません
鉄不足を考えるとき、血液検査で確認するのはヘモグロビンだけではありません。
鉄欠乏が進行すると、まず体内に蓄えられている鉄が減少し、その後にヘモグロビンが低下して貧血になることがあります。
そのため、血液検査ではヘモグロビンに加えて、「フェリチン」という貯蔵鉄の指標などを確認することがあります。
「健康診断では貧血と言われなかったけれど、疲れやすい」という場合でも、状況によっては鉄の状態を調べることが有用です。
鉄分を補えば、それで終わりではありません
鉄欠乏性貧血と分かった場合、鉄剤などによって鉄を補う治療を行うことがあります。
ただし、ここで忘れてはいけないのが、なぜ鉄が不足したのかという原因です。
例えば、月経のある女性では月経による出血が原因になることがあります。
一方、男性や閉経後の女性で鉄欠乏が見つかった場合には、胃や腸からの慢性的な出血が隠れていないかを調べることが重要になります。
胃潰瘍や大腸の病気など、消化管から少しずつ出血していても、本人には出血している自覚がないことがあります。
「鉄が足りないから鉄剤を飲めばいい」と単純に考えるのではなく、鉄不足の原因を探すことが大切です。
自分で下まぶたを確認するときの注意点
下まぶたの裏を見ること自体は簡単ですが、色だけで貧血の有無を判断しないようにしましょう。
例えば、明るさの違う場所で見ると、同じ人でも色の印象は変わります。
また、貧血があっても必ずしも明らかに白く見えるとは限りません。
反対に、下まぶたが白っぽく見えても、必ずしも貧血とは限りません。
あくまで「もしかすると貧血かもしれない」と気づくためのサインの一つと考えるのがよいでしょう。
「顔色が悪い」と言われたら、一度血液検査を
貧血は、比較的身近な病気ですが、その背景にはさまざまな原因があります。
・下まぶたの裏が白い
・顔色が悪い
・疲れやすい
・階段で息切れする
・動悸がする
・爪が弱くなった
・氷を食べたくなる。
こうした変化が重なっているなら、「最近疲れているだけ」と放置せず、一度血液検査を受けてみることをおすすめします。
特に中高年では、貧血そのものを治すだけでなく、なぜ貧血になったのかを調べることが重要です。
「下まぶたの裏が白い」という小さな変化が、体の中で起きている異常に気づくきっかけになることがあります。
健康診断の結果だけでなく、日頃のちょっとした体の変化にも目を向けてみてください。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
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