朝のご飯に“ひとふり”するだけ!鉄不足を補う食材|管理栄養士が解説
鉄は、血液中で酸素を運ぶヘモグロビンの材料となり、貧血予防に欠かせない栄養素です。さらに、肝臓の解毒を助ける酵素づくりや筋肉の材料にも関わるなど、体の基盤を支える重要な役割があります。しかし、鉄は体内で吸収されにくく、特に月経のある女性では不足しがちな栄養素です。だからこそ、日々の食事で効率よく補う工夫が大切になります。今回は、朝のごはんに「ひとふり」するだけで続けられる、簡単な鉄分補給食材をご紹介します。
鉄が不足するとどうなる?
鉄の必要量は
・月経ありの女性(18歳以上):約10mg
・月経なしの女性:約6mg
一方で、厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、鉄の平均摂取量は7mg台にとどまり、特に月経のある女性では不足している方が多いのが現状です。
鉄が不足すると「鉄欠乏性貧血」となり、
・体がだるい
・息切れしやすい
・顔色が悪い
・疲れやすい
といった症状が現れることがあります。
そこで、忙しい朝でも手軽に対策する方法としておすすめなのが、ごはんにふりかけて鉄分を補うことです。
鉄分補給におすすめの食材
鉄分食材と聞くと、レバーやあさりを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、今回ご紹介するのは、手軽に取り入れられる「黒ごま」です。
黒ごまには鉄分のほかにも、朝にうれしい栄養素が豊富に含まれています。
・たんぱく質(筋肉の材料となる)
・食物繊維(腸内環境を整える)
・ビタミンB1(糖質代謝を助ける)
・リノール酸(体内で合成されない必須脂肪酸)
さらに、ポリフェノールが豊富で、白ごまよりも抗酸化力が高いのも特徴です。
食べ方の工夫で吸収率アップ
黒ごまは栄養価の高い食材ですが、より効率よく吸収するためにはひと工夫必要です。
ポイントは「すりごま」にすること。ごまは殻が硬く、そのままでは消化されにくいため、すりつぶすことで栄養の吸収率が高まります。ただし、すりごまは酸化しやすいため、粒のまま保存し、食べる直前にすりつぶすのが理想的です。香りも良くなり、ごはんにのせたときの満足感もアップします。朝食のごはんにふりかける目安量は大さじ1杯程度で、約0.6mgの鉄がとれます。
また、黒ごまに含まれる鉄は「非ヘム鉄」で、動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と比べて吸収されにくい性質があります。しかし、以下の栄養素と組み合わせることで吸収率アップが期待できます。
・たんぱく質
・ビタミンC
おすすめの食品は以下の通りです。
・豆腐、卵、魚、油揚げ(たんぱく質)
・ブロッコリー、パプリカ、じゃがいも、キウイ、いちご(ビタミンC)
例えば、
・いちごのヨーグルト和え
・卵とブロッコリーのサラダ
・油揚げとじゃがいもの味噌汁
などのメニューは栄養バランスも整うのでおすすめです。
まとめ
朝から栄養をしっかりとりたいと思っても、忙しい中で何品も用意するのは大変ですよね。そんなとき、黒ごまのように「手軽に栄養をプラスできる食材」があると心強いものです。
鉄不足対策で重要なのは、鉄をしっかりとることに加えて、きちんと吸収され、体の中で使われる状態を整えることです。
そして何より大切なのは、毎日続けられる「ちょっとした工夫」です。朝のごはんに黒ごまをふりかけるだけでも、鉄分補給ができます。小さな習慣が、からだの調子を整える大きな一歩になります。
<参考文献>
・よくわかる栄養学(著者:小林実夏)
・その調理、9割の栄養捨ててます!(監修:濱裕宣、赤石定典)
・健康長寿ネット
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-tetsu.html
・食品成分データベース
https://fooddb.mext.go.jp/result/result_top.pl?USER_ID=17479
・日本人の食事摂取基準(2025年版)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316469.pdf
・令和6年国民健康・栄養調査結果の概要
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001603146.pdf
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