我慢しなくていい。その気づきが、自分と誰かを支える力になる|"わたしたちのヘルシー"キックオフイベントレポート【後編】

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我慢しなくていい。その気づきが、自分と誰かを支える力になる|"わたしたちのヘルシー"キックオフイベントレポート【後編】

2026年2月27日、東京にて「わたしたちのヘルシー ~心とからだの話をはじめよう with MUSIC」が開催。音楽ライブとヘルスケアトークを融合させた本イベントでは、医師やゲストが「自分の体を知ること」の大切さについて語り合いました。本記事では、その模様を前後編にわたってレポートします。

「自分の体を知る」大切さについて考えた第一部に続き、後編では「女性の体が語られてこなかった理由」をテーマにした第二部をレポートします。

◆こちらから、このイベントの様子を動画でご覧いただけます

 

女性の体の話が「語られにくかった」「語られてこなかった」社会的背景

第二部のテーマは「女性のからだと社会/ジェンダーと社会構造から読み解くヘルスリテラシー」。これまで女性の体に関する話題は、「恥ずかしい」「人前では言いづらい」「相談しにくい」などと言われがちでした。その背景には、実は社会構造やジェンダーの視点が大きく関わっています。そこで最初に、ゲストの2人に女性の体について話しづらかった経験について聞いてみました。

WHA

土屋さんは「うちは母が、生理の話などを家でしたことが一切なくて。だから学校で初潮を迎えた時にはびっくりして、友達と保健室の先生に色々教えてもらいました。それもあって、自分の娘はまだ小学校低学年ですが、少しずつそういう話もするようにしています」。一方、廣田さんは「以前銀行に勤めていたときは男性上司ばかりで、生理痛PMSを気にかける人もいないし、生理休暇を取る人もいなかったです。特にそれが冷たいというよりは、そういう空気感でしたね」とコメント。また、MCの望月さんも「私は初潮を迎えた日に、父がバラの花束を持って帰ってきたんです。当時は、そういうことを男性に知られるということがすごく恥ずかしくて嫌でした」と、自身の経験を振り返ってくれました。

このように誰しも語りづらいイメージのある女性の体について、隠されてきた理由のひとつには日本の文化的背景があります。「日本は我慢が美徳という教育が行われるようになり、その流れで生理や出産の痛みも我慢する、つまり隠すようになったわけです。さらに長い歴史を見ると女性が搾取されたり暴力に遭うことが多かった、ということがあります。女性が痛みや弱みを見せるとことにリスクがあった時代には、それを隠さなければ隙を見せてしまう、それもあって我慢していたという部分もあるのでしょう」と大須賀先生。

大菅

また、対馬先生が指摘するように、社会の構造としてのジェンダー格差が大きい、という背景もあります。「日本は男性が外で仕事、女性は家の中という時代が長く、そういう時代においては女性の体調は個人の問題として片付けられていました。体調が悪い嫁は役に立たないなどと言われることもあったように、弱っていても表に出せないから隠していたのです。でも今こそ、そんなジェンダー格差を見直すチャンスではないかと私は思っています。日本の人口も減っている中、女性が安心して出産や育児、仕事ができる社会にしようという流れになっていますから」

対馬ルリ子
対馬ルリ子 書影
会場には、女性の生きにくさを生み出す社会構造を、医師としての視点で見つめた対馬先生の著書「わたしたちを阻むもの 女性が抱える生きづらさの根源」が展示されていた。

更年期は「病気」ではなく「時期」

女性の体が語られてこなかったこと、そして知られてこなかったことによる影響は、更年期でも同様に起こっています。そこで、改めて更年期とはどんな時期なのか、先生方にお聞きしました。

大須賀先生によると更年期とは、閉経を挟んで前後5年ずつ、トータル約10年のこと。「毎月あった女性ホルモンの波が、閉経の時にストーンと下がるのですが、このホルモンが減る移行期に体が追い付かないことでさまざまな問題が起こります。その代表的なのがホットフラッシュに代表されるVMS(血管運動神経症状)ですね。不眠や肩こりなど、不定愁訴と呼ばれる症状も多く出てくる時期です。このようなホルモンの急激な低下に伴う症状を更年期症状といいます」

*不定愁訴(ふていしゅうそ)…動悸、息切れ、イライラ、頭痛、ほてり、むくみ、倦怠感など、一つに定まらず、多岐にわたって現れる不快な症状のこと

大須賀

ちなみにゲストの2人はまだ更年期症状の実感はないものの、身近な女性の症状に接することはあるのだとか。「ラジオで一緒の歌手のhitomiちゃんが、更年期で辛いとよく言っているんです。今まで何をしてあげたらいいのかわからなかったけど、今日ここでお話を聞いたことで、私が得た知識をもとに、言葉をかけたり寄り添えますよね」と土屋さん。また、廣田さんも「生徒さんからはメンタルの揺らぎやホットフラッシュを打ち明けられることも多いです。私もなんて言っていいのか、しかも経験してないのに余計なお世話かなと思っていましたが、正しい知識があると何か言ってあげられますよね」

わたしたちのヘルシー

症状に悩む人に対して、周囲の人が更年期に気づいてあげられるポイントは他にもあります。

「周りが気づきやすいのは、VMS(血管運動神経症状)です。いわゆるホットフラッシュや滝汗などのことで、閉経前からで始める人が多いですね。人によって程度も様々なのですが、やはり仕事など人前で出ると焦るもの。でも海外では企業のトップが、ちょっと更年期の汗が出てるのでお待ちくださいって言えるくらいの環境があると聞きます。そんなふうに声をかけられるという環境が大事ですよね」と対馬先生。

我慢しないための治療とケア

VMSを経て、更年期症状が本格化するのですが、症状が重い場合の治療法には、大きく分けて薬を使う治療とセルフケアの2つがあります。「薬を使う治療の中で、ホットフラッシュ等に非常によく効くのがホルモン補充療法です。ホルモンを服薬することに抵抗がある人もいますが、ホルモンレベルを元の量まで戻すわけではなく、下から2,3割のところまで戻すだけで、体調が良くなるんです」と大須賀先生。

「ほかにも不定愁訴には、場合によっては漢方薬を、また不眠症には睡眠薬、気持ちが落ち込む方には抗うつ薬などの治療があります。また、セルフケアの基本はやはり睡眠と運動、食事。ここの生活習慣を見直したり、女性ホルモンはストレスの影響を受けやすいので、ヨガや呼吸法などで自律神経を整えるのもいいですね。自分の体に優しくしようという気持ちで、医療とセルフケアを組み合わせるといいと思います」

望月理恵
MCの望月理恵さんも、更年期症状による指のこわばりについて、自身の体験を交えて話してくれました。

「知ること」「語ること」が社会を変える

更年期には治療の選択肢があり、「我慢をしなくていい」「助けを求めていい」ということに気づくと、自分の支えになるだけでなく、家族や友人が辛い時にも声をかけやすくなります。一方で、こうした知識や選択肢が十分に届いてこなかったために、多くの女性が長い間我慢を重ねてきました。そういった今日の学びを踏まえ、イベントの最後には先生方とゲストのお二人に感想を頂きました。

「今日はお二人にも自分の経験をたくさん教えていただき、僕も気づきがたくさんありました。自分の体の声を聞くのは知識が必要です。そして我慢することは自分の体の声を聞いてあげていないことになります。ぜひ体の声を聞いて行動を起こしてください。そのことによって自分にも周りにも優しくなれると思います」(大須賀先生)

「女性の体の揺らぎには赤ちゃんを生み出すくらいのパワーがあります。それは私たちがもともと持っている強さとして大事にしてあげてほしいです。もちろん自分が弱ってしまう時もありますが、そんな時は我慢しないで弱音を吐ける自分でいてほしいと思います。人生の主人公は自分でいいんです。そして自分がどんどん自分らしくなっていくことが、本当のウェルビーイングだと思います。そのためにも、ぜひかかりつけ医を持って、相談しながら自分自身の人生を生きてほしいですね。自身の体や心の変化をすぐ相談できる、そんな場としてかかりつけ医を使ってくれたら、安心して生きていけるのではないかと思っています」(対馬先生)

「今日はたくさんのことを知ることができて、この知ることで自分自身の向き合い方も変わって、普段の生活も変わると思うんですよ。知ったことをもっと広めて、みんなで一緒に大きくしていって、何かひとつでも社会が変わったらいいなと思うので、ぜひこういう機会をもっと増やしたいですね」(土屋さん)

「長い人生で体調に波があるのって、自然なことなんだなというのを知れたのが大きかったです。私はヨガで毎日同じ時間に自分と向き合っていると思っていましたが、それとは別に体調が悪ければかかりつけ医の先生にお世話になったりとするのも選択肢としてあるというのが、大事だなと勉強になりました」(廣田さん)

わたしたちのヘルシー

女性の体を語ること、不調を言葉にすること、治療という選択肢を知っておくこと、これらを意識して過ごすことで、女性の心身の揺らぎは社会全体で支え合うべきテーマになります。先生方とゲストの2人、そして集まってくれた参加者の皆さん全員が、気づくこと、知ること、それをシェアすること、これらの行動が社会を変える第一歩となることを実感し、この日のイベントは幕を閉じました。

Information

〈Women’s Health Action(ウィメンズ・ヘルス・アクション)〉とは

ウィメンズ・ヘルス・アクション

ウィメンズ・ヘルス・アクション実行委員会では、国や自治体、医療・教育の現場や職場・家庭・地域などが連携し、現代日本における女性の健康推進の必要性とその課題について考えるための取組みを行っています。

女性は、思春期、妊娠・出産期、更年期、老年期と生涯を通じて、ホルモンバランスが大きく変動し、また、結婚や育児などのライフステージによっても、心と体に男性とは異なる様々な変化が現れます。女性ホルモンの変動に伴い、月経不順や月経痛、月経前症候群(PMS)、不眠やうつなどQOL(生活の質)の低下を伴う心身の失調を起こしやすい特徴があります。女性の健康リスクを低減させることは、人生各期における女性の自己実現と社会参加を促進し、日本全体の経済発展と活力増進を促す力となります。今、様々な場所で思春期や妊娠・出産期、更年期などのライフステージに応じた女性の健康推進サポート強化の動きが生まれています。

公式HP:https://whasympo.com/

【心とからだの話をはじめるメディア】わたしたちのヘルシ―:https://watashitachino-healthy.com

「女性の健康週間」とは

毎年3月1日~3月8日は「女性の健康週間」です。女性が生涯を通じて健康で明るく、充実した日々を自立して過ごす社会を実現するためには、家庭・地域・職域・学校などを通じて女性の健康問題を総合的に支援することが重要です。毎年、全国各地で「女性の健康づくり」を国民運動として展開しています。

「国際女性デー」とは

毎年3月8日は国連が定めた「国際女性デー」です。女性への差別撤廃や地位向上などを目指し、世界各地で啓発イベントや記念行事が行われています。 日本国内でも様々な働きかけが行われており、その輪は国連機関から政府や自治体、NGO、メディア、一般企業等にも広がっています。

「わたしたちのヘルシー ~心とからだの話をはじめよう with MUSIC」パートナー企業

パナソニック株式会社

panasonic

体調ナビゲーションサービズ「RizMo(リズモ)」

つけて、眠るだけ。ウェアラブルデバイスで低温期・高温期*の温度と睡眠状態を自動計測。自身のデータにもとづき、体調の原因分析・予測・アドバイスまで、きめ細かくサポート。50名を超える専門家に、いつでもオンライン相談も可能。

*衣服内で計測した温度の低温期・高温期

URL:https://ec-plus.panasonic.jp/store/page/RizMo/

アステラス製薬株式会社

アステラス製薬

ウィメンズヘルス
私たちは、数百万人の女性の更年期ケアを改善する医療イノベーションを提供することにコミットしています。

URL:https://www.astellas.com/jp/science/medicines-and-disease-areas/womens-health

久光製薬株式会社

久光製薬

更年期は誰にでも訪れる、からだと心の転換期です。更年期について知ることは女性のライフステージにおいて、とても重要なことです。明るくあなたらしく過ごすために、できることをしてみませんか。

URL:https://www.hisamitsu.co.jp/

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