知ることが、自分を守る第一歩になる|"わたしたちのヘルシー"キックオフイベントレポート【前編】
2026年2月27日、東京にて「わたしたちのヘルシー ~心とからだの話をはじめよう with MUSIC」が開催。音楽ライブとヘルスケアトークを融合させた本イベントでは、医師やゲストが「自分の体を知ること」の大切さについて語り合いました。本記事では、その模様を前後編にわたってレポートします。
本イベントは、女性の健康推進とその課題について考える取り組み「ウィメンズ・ヘルス・アクション」と、ヨガジャーナルオンライン、ローリングストーンジャパンがコラボレーションしたスペシャル企画。「ウィメンズ・ヘルス・アクション」は、女性が生涯を通じて心身ともに健やかに過ごすための啓発活動を続けてきた取り組みで、今年で10年目を迎えます。そして「わたしたちのヘルシー」は、誰もが抱える心やからだにまつわる不安やモヤモヤを、専門家や多彩なゲストとともに楽しく学び、語り合う場として企画されてきたイベントシリーズです。
今回の開催は、3月8日の国際女性デー、そして3月1日〜8日の「女性の健康週間」に合わせて行われる本番イベント「わたしたちのヘルシー ~心とからだの話をはじめよう in Mar. 2026」に向けたキックオフイベントという位置づけで開催。"音楽LIVE&ヘルスケアトーク"として進化した特別な形で、来場者に届けられました。
当日は、土屋アンナさんのライブパフォーマンスに続き、産婦人科の専門医である大須賀穣先生・対馬ルリ子先生、そしてゲストの土屋アンナさん・美筋ヨガインストラクターの廣田なおさんが登壇し、MC望月理恵さんの進行のもと2部構成のトークセッションが行われた。本記事では前編として、「自分の体を知る」をテーマにした第一部のライブとトークセッションの模様をレポートします。
◆こちらから、このイベントの様子を動画でご覧いただけます
土屋アンナさんの音楽ライブで幕開け
オープニングはミュージシャンであり、ファッションモデル・女優としてマルチな活動を続ける土屋アンナさんのライブ。普段はロックなイメージの土屋さんですが、1曲目はお母様がよく聞かせてくれたというダイアナ・ロスの『If we Hold on Together』、そして2曲目はオリジナル曲『stand by me』と、どちらもバラード。

今回の選曲について土屋さんは、「"支え合うこと""一人ではないという感覚"を感じてもらえたら」という想いを込めたといいます。ライブ中のMCでは「心のことも体のことも、ひとりで悩んでいるともっと辛くなってしまう。一緒に手を取り合って、学び合いながら生きていけたら」と語り、会場に強く、そして温かなエールを届けてくれました。世代を超えて受け継がれる想いや、弱さを抱えながらも誰かの存在に支えられて前を向く力――そんなメッセージが込められたパワフルで美しい歌声に、会場中が魅了されました。

女性の健康は「自分のからだを知ること」から始まる
トークセッションには医師の大須賀穣先生と対馬ルリ子先生のお二人、そしてオープニングで素敵なライブを披露してくれた土屋アンナさん、美筋ヨガインストラクターの廣田なおさんの4名が登壇し、アナウンサー望月理恵さんのMCのもと、最初のトークテーマ「自分のからだを知ることはなぜ重要なのか|見えにくいホルモン変化を“気づき”に変えるセルフチェック習慣」について語り合いました
女性として自分の体について知ろうとしたとき、有効なのが婦人科検診です。病気の早期発見だけではなく、自分の体の状態を知り、心身の変化と向き合うセルフチェックの手段でもあります。「様々な検診の中でも、子宮頸がん・体がんの検査と、超音波で子宮や卵巣の状態を確認することは、将来の妊娠にも関わるため、若い頃から必須」と大須賀先生は言います。
また対馬先生によれば「検診の理想は20代から年に1回、少なくとも2年に1回、3年以上空けないことが大事。20〜30代は頸がん検診に加えてHPVやエコーの検査も、40代以上は乳がん検診もセットで受けるのがおすすめ」とのこと。
さらに70、80代でも婦人科のがん患者はいるので、何歳になっても定期的に検査する習慣を身につけると安心というお話には、婦人科検診に行く習慣があるゲストの2人も「いつまで検診が必要かは考えたことがなかった」と新たな気づきがあったよう。
女性の体はホルモンの波と共にある
続いて、ステージ上のモニターに映し出されたのは、ヨガジャーナルオンラインで実施した「体にまつわるお悩み」に関するアンケート結果。中でも目を引いたのが月経や妊活など、女性特有の悩みです。ここに深く関わるキーワードとして重要なのが、女性ホルモンの変動によって上下する基礎体温。ゲストの2人は自身の体調の変化に敏感とのことですが、基礎体温をつける習慣はなかったと言います。

大須賀先生によると「女性の体は外からだけでなく内側からの影響も受けやすく、その中心となるのが女性ホルモンです。主にエストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンが、月経周期に合わせて毎月同じように変化するのが、ホルモンバランスが保たれている状態」なのだとか。これが基礎体温に反映されるので、逆にいえば体温を測ることがホルモンバランスの変化を知ることに繋がるのです。

そもそもホルモンは常に一定ではないそう。「女性は排卵や月経に連動して、毎月低温期から高温期と基礎体温が変わります。ただ思春期には生理不順があったり、更年期には排卵がときどきしか起こらなかったり、ホルモンの揺れが不規則になるんです。加えて女性ホルモンは脳の視床下部というコントロールシステムに反応するので、人によっては例えば変に暑くなったり動悸がしたりなど、ホルモンの動きと体調が一緒に動くことも」という対馬先生の言葉を聞き、脳と女性ホルモンの意外な関係に、会場からは小さなどよめきが。
「ただ、一番辛いのは本人がなぜ不調なのかわからない、どうしたらよくなるかわからないこと。だからこそ覚えておきたいのは、ホルモンには波があり、それに体調の変化も連動していること、それをわかっておくと自分を客観的に見られると思います」と対馬先生。ホルモンの波を理解し、自分を知ることが体調を整える第一歩になるのです。

これに対し、廣田さんは「自分の不調がホルモンと関係するなんて考えたことがなかったです」。そして土屋さんも「以前、疲れが取れない日が続いていて。今思えばそれがホルモンの波が下がっている時だったのかもと気づきました。見えない不調って怖いけど、ホルモンの影響を知っていると、気持ちがラクになりますね」とコメント。


不調は体からのサイン/日常でできるセルフチェック
体の変化は、土屋さんの話にもあったように眠気や疲れのような日常のサインとして出てくることも多いもの。そんな不調に気づくためのセルフチェックについてお聞きしました。
先生方のお話によると、日常で見やすいサインとしては下腹部痛や月経の経血量、おりもの、さらには自律神経のサインとして出てくるものもあるそう。「おりものは特にホルモンの影響を受けるので、周期で変化します。ニオイや量などにいつもと違うサインが出ていないかをチェック。そのためには、調子のいい時の自分のおりものの状態を見ておくといいですね」と大須賀先生。
対馬先生は「先ほど言ったような、自律神経の揺らぎに脳が反応した状態も不調のサインですね。変に暑かったり、もしくはむくみがあったりメンタルが揺らいだり。お通じや肌の調子なども含め、自分の体の状態をチェックして、変だと思ったら検査に行く、そんな風にトータルで自分の体を管理していくという習慣が大事です」と教えてくれました。
そんな自分の波を知るセルフチェックツールとして、ここで紹介されたのが、会場にもブースが出ていたパナソニックの「RizMo」。これはウェアラブルデバイスを身につけて寝るだけで、衣服内で計測した低温期・高温期の温度変化や、睡眠の状態が可視化されるアプリ連動サービス。この計測データから、生理日や体調の予測、それに対してのアドバイスなども届けてくれるので、自分の変化に気づく第一歩として、このようなツールを取り入れるのもおすすめです。
女性はライフステージごとに抱えるリスクが変わる
前半の最後には「女性のライフステージは、女性ホルモンのステージ」という対馬先生のお話も。「女性はライフステージによってホルモンの動きが変わるので、抱えやすいリスクも違ってきます。思春期にはホルモンの働きによって月経が始まるので、月経痛やPMSなど月経のトラブル、そこから40代前半くらいまでは、それに加えて子宮筋腫や子宮内膜症なども多い時期。さらに年齢を重ねると乳がんも増えてきます。そのためにセルフケアはもちろん、私たちのような相談できる場所など、いわば自分のからだを知るための“武器”となるものを持っておくと安心です」。

そんな先生の心強い言葉を聞き、土屋さんは「今まで母親であることを優先して自分を後回しにすることもあったけど、そんな母親にとっても先生のところのような頼れる場所があると思うと嬉しいです。そしてライフステージでリスクが変わるというのも、考えさせられました。このことを知っておくだけでも、自分の娘たちを支えてあげられることが増えますよね。やはり知ること、そして広めることは本当に大切」とコメント。廣田さんは「忙しいと自分に向き合う時間ってなかなか取れないんですよね。でもヨガをしている時間は呼吸やメンタル面にも向き合えるので、そういう時間は優先順位を上げた方がいいんだなと改めて思いました」と、それぞれ感じたことを語ってくれました。

*ヨガの世界でも大切な「気づき」。前編では自分の体と心に気づくこと、そして気づける自分でいるための心構えや知識を得るセルフチェックの大切さについて考えてきました。後編では、「女性のからだと社会/ジェンダーと社会構造から読み解くヘルスリテラシー」と題して行われた、トークセッションの第二部レポートをお送りします。
*「わたしたちのヘルシー ~心とからだの話をはじめようin Mar.2026」プレイリストはこちらから
Information
〈Women’s Health Action(ウィメンズ・ヘルス・アクション)〉とは

ウィメンズ・ヘルス・アクション実行委員会では、国や自治体、医療・教育の現場や職場・家庭・地域などが連携し、現代日本における女性の健康推進の必要性とその課題について考えるための取組みを行っています。
女性は、思春期、妊娠・出産期、更年期、老年期と生涯を通じて、ホルモンバランスが大きく変動し、また、結婚や育児などのライフステージによっても、心と体に男性とは異なる様々な変化が現れます。女性ホルモンの変動に伴い、月経不順や月経痛、月経前症候群(PMS)、不眠やうつなどQOL(生活の質)の低下を伴う心身の失調を起こしやすい特徴があります。女性の健康リスクを低減させることは、人生各期における女性の自己実現と社会参加を促進し、日本全体の経済発展と活力増進を促す力となります。今、様々な場所で思春期や妊娠・出産期、更年期などのライフステージに応じた女性の健康推進サポート強化の動きが生まれています。
【心とからだの話をはじめるメディア】わたしたちのヘルシ―:https://watashitachino-healthy.com
「女性の健康週間」とは
毎年3月1日~3月8日は「女性の健康週間」です。女性が生涯を通じて健康で明るく、充実した日々を自立して過ごす社会を実現するためには、家庭・地域・職域・学校などを通じて女性の健康問題を総合的に支援することが重要です。毎年、全国各地で「女性の健康づくり」を国民運動として展開しています。
「国際女性デー」とは
毎年3月8日は国連が定めた「国際女性デー」です。女性への差別撤廃や地位向上などを目指し、世界各地で啓発イベントや記念行事が行われています。 日本国内でも様々な働きかけが行われており、その輪は国連機関から政府や自治体、NGO、メディア、一般企業等にも広がっています。
「わたしたちのヘルシー ~心とからだの話をはじめよう with MUSIC」パートナー企業
パナソニック株式会社

体調ナビゲーションサービズ「RizMo(リズモ)」
つけて、眠るだけ。ウェアラブルデバイスで低温期・高温期*の温度と睡眠状態を自動計測。自身のデータにもとづき、体調の原因分析・予測・アドバイスまで、きめ細かくサポート。50名を超える専門家に、いつでもオンライン相談も可能。
*衣服内で計測した温度の低温期・高温期
URL:https://ec-plus.panasonic.jp/store/page/RizMo/
アステラス製薬株式会社

ウィメンズヘルス
私たちは、数百万人の女性の更年期ケアを改善する医療イノベーションを提供することにコミットしています。
URL:https://www.astellas.com/jp/science/medicines-and-disease-areas/womens-health
久光製薬株式会社

更年期は誰にでも訪れる、からだと心の転換期です。更年期について知ることは女性のライフステージにおいて、とても重要なことです。明るくあなたらしく過ごすために、できることをしてみませんか。
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