朝に食べるだけ!「幸せホルモン」を育てる食べ物とは?管理栄養士が解説
「最近イライラしたり、落ち込んだりしやすい」「仕事に行くのがなんとなく憂うつだ」―そんな状態が続いていませんか。こうした気分のゆらぎに関わっているのが、“幸せホルモン”として知られるセロトニンです。セロトニンの生成は、朝の食事や過ごし方と深い関わりがあります。 実は、特別な食品やサプリに頼らなくても、朝食やルーティンを少し調整するだけで、セロトニンがつくられやすい環境を整えることができます。本記事では、忙しい朝にも取り入れやすい「幸せホルモンを育てる食材」を紹介します。
セロトニンと朝食の科学
セロトニンは、精神の安定やストレス調整、睡眠リズムに関わる神経伝達物質です。体内では、必須アミノ酸であるトリプトファンを材料として合成されますが、これは体内でつくることができないため、食事から摂る必要があります。
特に、朝食でトリプトファンを含む食材を摂り、日光を浴びて、リズムよく体を動かすことで、日中のセロトニン分泌が促されることが、多くの研究結果から知られています。また、日中につくられたセロトニンは、夜になると睡眠を促すメラトニンの材料にもなります。
つまり、朝食と朝の習慣が、1日のコンディションと夜の眠りを整える土台になるのです。それでは次に、幸せホルモンを育てるために、朝に取り入れたい食材を見ていきましょう。
朝に取り入れたい食材①:乳製品・卵
ヨーグルト、牛乳、卵は、すでに朝食で食べている人も多いのではないでしょうか。実はこれらは、セロトニンを育てる朝食として理にかなった食材です。
乳製品と卵には、セロトニンの材料となるトリプトファンが含まれています。また、朝に不足しやすいたんぱく質を無理なく補いやすく、起きたばかりの体を活動モードへ切り替える助けになります。
ヨーグルトは腸内環境を整える乳酸菌を含み、腸と脳の相互作用(腸脳相関)を通して、気分の安定にも関わります。卵はアミノ酸バランスがよく、効率よくたんぱく質を補うことができる優秀な食品です。

朝に取り入れたい食材②:大豆製品
納豆や豆乳などの大豆製品も、朝におすすめしたい食材です。大豆製品にはトリプトファンが含まれており、特に納豆は、セロトニン合成を助けるビタミンB₆も含んでいます。
和食の朝食で定番の納豆ご飯は、実は気分の安定という視点でも理にかなった組み合わせです。先ほど紹介した卵を追加し「納豆卵かけご飯」にすることで、トリプトファンをより強化できますね。
乳製品が苦手な方は、豆乳や豆乳ヨーグルトで取り入れてみると良いですよ。

朝に取り入れたい食材③:バナナ
フルーツの中でトリプトファンの含有量が多いのがバナナです。バナナは、トリプトファンに加え、ビタミンB₆や糖質を含む果物です。
ビタミンB₆は、トリプトファンからセロトニンを合成する過程で必要な補酵素としての役割を担います。こうしてみるとバナナは、朝のエネルギー補給と同時に、セロトニン生成を支える、とても優秀な食材です。
調理が不要で、手軽に食べられるため、時間がない朝や食欲がわかないときにも取り入れやすいのが魅力です。先に紹介した乳製品や大豆製品などと組み合わせることで、より効果的に活用できます。

噛むことが、脳にとっての「リズム運動」に
幸せホルモンを育てるうえで、トリプトファンをしっかり摂る食習慣とあわせて意識したいのが、朝にリズムよく体を動かすことです。
朝に散歩やジョギングができれば理想的ですが、忙しい日々の中では難しい人も多いはず。そんなときに取り入れやすいのが、朝食で「よく噛む」ことです。
噛む動きもリズム刺激の一つで、脳に活動のスイッチを入れる助けになります。食材を少し大きめに切ったり、ひと口の回数を意識したりして、よく噛む習慣をつくってみませんか。
朝食の時間がリズムづくりになり、満足感も高まりやすくなります。
まとめ
セロトニンは個人差が大きく、食事だけですべてが解決するわけではありません。過食や極端な制限は避け、自分の体調に合った形で整えることが大切です。
朝の食事を少し見直すことで、気分の波がやわらぐきっかけになるかもしれません。無理なく続けられる朝習慣で、1日のスタートを心地よく整えていきましょう。
参考資料
・厚生労働省 健康日本21アクション支援システム「セロトニン」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/heart/yk-074
・独立行政法人 農畜産業振興機構「脳の栄養~ブドウ糖(砂糖)とトリプトファンを中心として~」
https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_001097.html
・小西正良ら, セロトニン分泌に影響を及ぼす生活習慣と環境. Journal of Osaka Kawasaki Rehabilitation University, 2011, Vol.5, pp.11-20
須藤信行. 腸内細菌と脳腸相関. 福岡醫學雜誌. 2009,100 (9), pp.298-304
https://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/opac_download_md/16084/fam100-9_p298.pdf
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