自己嫌悪が止まらないあなたへ。自分を責めてしまう心の仕組みと抜け出し方|心理師が教える
「また同じ失敗をしてしまった」「どうして自分はこんなにダメなんだろう」。暮らしの中で、自分を責める気持ちが止まらなくなってしまうことは誰にでもあります。しかし、そんな気持ちがずっと続いて、自分らしく過ごせなくなってしまうのはつらいものですよね。 そこで本記事では、自己嫌悪が止まらなくなる心の仕組みを心理学の視点からひもとき、そこから抜け出すための実践的な方法を5つご紹介。自分に合ったやり方を見つけて、もっと楽な気持ちで過ごせるようになりましょう。
自己嫌悪ってどんな状態?
自己嫌悪とは、マイナスの出来事や感情を”自分のせい”だと捉え、自身の存在に対して否定的な感情を持ってしまう状態を指します。 たとえ周囲から見れば恵まれた環境にいたり、良い結果を出したりしていても、自分を否定してしまうこともあります。
心理学からみた、自己嫌悪に陥ってしまう4つの理由
自己嫌悪に陥ることには心理学的な説明があります。ここでは代表的な4つを見ていきましょう。
成長するために必要だから
私たちは、小学生くらいまでは自分視点でしか物事を考えられません。でもだんだん成長すると、自分を客観視して「他人から見た自分」を意識できるようになっていきます。 ただし、「自分」を客観視すると、足りない部分も見えてきます。そこで自己嫌悪が生じるのです。つまり、自己嫌悪を払拭したいと思うからこそ、より良い自分へと成長しようと努力できると言えます。
自分を認めるために必要だから
自己嫌悪の状態では、私たちの中に2人の自分が生まれます。1人は「嫌悪すべきダメな自分」、もう1人は「自分を責める自分」です。 ダメな自分に対して厳しい評価を下す自分は「正しい存在」。正しい自分を生み出すことによって、「自分を嫌悪している自分」を肯定しようとしているのです。
過酷な状況で生き抜くために必要だから
過去にいじめ被害の経験がある人は、「このような扱いを受けるのは自分に原因がある」という思考パターンに陥りがちです。 多くの場合、いじめなどの被害者には原因が存在しません。しかし、何の理由もなく苦しめられることに心が耐えきれないため、自分の中に原因を探し出し、それによって心のバランスを保とうとするのです。
心が不安定な状態だから
精神的な健康状態が優れないときは、自分を責める気持ちがより強まってしまうケースもあります。 たとえば、うつ状態に陥ると自分を過剰に責めてしまいがち。ときには「自分はいらない存在だ」とまで追い込んでしまうこともあります。
自己嫌悪から楽になるための5つの方法
ここからは、自己嫌悪のループから抜け出すための具体的な方法を5つ紹介します。どれも日常に取り入れやすいものばかりなので、気になったものから試してみてくださいね。
思考と自分を切り離すトレーニング
自分を責める考えが浮かんだとき、それを「事実」として受け取らず「頭の中に浮かんだ一つの考えにすぎない」と考えることが大切です。
このトレーニングは、ネガティブな思考を「観察」します。心理学では「脱フュージョン」と呼ばれる方法で、思考を自分から引き離し、行動を自分でコントロールできるようにしていきます。 思考と向き合うことで、自分を縛り付けていた自己嫌悪の正体が、実は単なる言葉に過ぎないと気づくことができます。
具体的には、次の3つのステップで実践してみましょう。
ステップ1:思考に注目する
自分が考えていることは何か気づきます。
例)自分なんて嫌い
ステップ2:思考が役に立っているかを検証する
ステップ1で見つけた思考が自分の役に立つものかを考えます。もし、「自分なんて嫌い」という思考によって前向きに努力できるなら有益といえるでしょう。しかし、その思考によって何もできなくなったり、精神的な負担が大きくなったりするなら、それは有益とはいえません。
ステップ3:役に立たない思考を切り離す
役に立たない思考は自分の「外」へと切り離します。
例)文字にして紙に書き出す
自分を苦しめない思考を目指すトレーニング
このトレーニングでは役に立たない思考に気づき、もっと自分に役に立つ思考を再構成していきます。心理学では「認知再構成法」と呼ばれる方法です。
自己嫌悪に陥ったとき、次のような問いを投げかけてみましょう。
- この思考の反証や根拠は?
- ほかの人なら、この状況でどのように考える?
このように、柔軟な思考パターンを少しずつ増やしていくことで、自分を苦しめない考え方ができるようになっていきます。
自分の幸せを願う瞑想
自己嫌悪が強いときは、自分への優しさが不足しがち。そんなときにおすすめなのが、「慈悲の瞑想」です。この瞑想では、自分や他の人の幸せを心から願いますが、まず優先されるのは「自分自身の幸せ」です。
やり方はシンプル。ゆったりと座って目を閉じ、心の中で以下のようなフレーズを繰り返してください。
- 「私が安全でありますように」
- 「私が幸せでありますように」
- 「私が健康でありますように」
- 「私の悩み苦しみがなくなりますように」
セルフコンパッション(自分への思いやり)が高まり、欠点も含めた「あるがままの自分」を受け入れられるようになっていきますよ。
自己否定の原因行動をやめるためのトレーニング
自己嫌悪の原因となった行動そのものへアプローチするのが、心理学の「問題解決法」。たとえば、「寝坊した」といった自己嫌悪の原因に対して、次のステップで対処していきます。
ステップ1:解決したい状況を具体的にする
例)時間どおりに起床できるようになる
ステップ2:解決に向けたアイデアを自由に出す
例)寝室にスマホを持ち込まない
ステップ3:有効性と実現可能性を検討する
例)朝のアラームとしてスマホを使用するので、寝室に持ち込まないのは難しいが、ベッドに入ったら触らないようにすることはできる。
ステップ4:解決に向けた計画を立てる
例)スマホの置き場所を決める。
ほめ日記
人間にはネガティブなものに注意を向けやすいという性質(ネガティビティ・バイアス)があります。自分の良い面には気づきにくいにもかかわらず、悪い面にはよく意識が向くので、自己嫌悪になってしまうのです。
そこでおすすめなのが「ほめ日記」。寝る前に、「自分を褒めたいこと」を書き出してみましょう。どんなに小さなことでもOK。当たり前に思えることでも、書き出してみると立派な「できたこと」です。
まとめ
本記事でご紹介した5つの方法は、どれも日常に取り入れやすい実践的なアプローチです。
これらの対処法は、メンタルケアアプリ「Awarefy(アウェアファイ)」でも実践できます。
自己嫌悪に振り回されず、自分らしくのびやかな毎日を送るために、できることから始めてみてくださいね。
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