食物繊維不足を防ぐ!朝、卵かけご飯と組み合わせると良い食材とは?管理栄養士が解説
忙しい朝は、手軽に食べられるメニューを選びがちです。中でも卵かけご飯は、調理の手間がほとんどなく、エネルギーとたんぱく質を同時に補える定番の朝食です。日常的に取り入れている方も多いのではないでしょうか。 一方で、現代人に多い悩みのひとつが食物繊維不足です。腸内環境の乱れや便秘、体のだるさなど、食物繊維不足が関係しているケースも少なくありません。 そこで今回は、朝の卵かけご飯をベースにしながら、無理なく食物繊維を補える食材をご紹介します。参考に最後までお読みください。
なぜ食物繊維は不足しやすい?
はじめに、なぜ現代人は食物繊維が不足しやすいのでしょうか。
現代の食生活は、パンやご飯、麺類などの主食が中心になりやすく、野菜や海藻、豆類の摂取量が少なくなりがちです。その結果、気づかないうちに食物繊維が不足してしまうケースが多く見られます。
厚生労働省が策定する「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、1日あたり18~64歳の男性は20~22g以上、女性は18g以上が目標量として定められていますが、実際は14g程度しか摂取できていないとされています。
食物繊維は、腸内環境を整え、便通の改善をサポートするだけでなく、血糖値の急上昇を抑えたり、食後の満腹感を持続させたりする働きもあります。しかし、朝食では意識しないと取りにくい栄養素でもあります。
そのため、いつものメニューにプラスして、食物繊維源を少し足す工夫が、食物繊維不足を防ぐポイントになります。

朝に卵かけごはんだけはNG?
卵かけご飯は、忙しい朝の強い味方です。卵に含まれる良質なたんぱく質やビタミン類は、1日のスタートにもぴったりです。
しかし、卵と白ご飯だけでは、食物繊維をほとんど含みません。腸内環境を整えたい場合や、便秘が気になる方にとっては、物足りない組み合わせになりやすいです。
卵かけご飯の手軽さを活かしながら、食物繊維の豊富な食材をプラスすることで、毎日の食物繊維摂取量を無理なく増やすことができます。
食物繊維不足を防ぐ!卵かけご飯と相性の良い食材7選
次に、卵かけご飯と組み合わせやすく、食物繊維を補える食材をご紹介します。どれも取り入れやすいものばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 刻みオクラ
オクラに含まれる水溶性食物繊維は、腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境のバランスを整える働きが期待できます。卵と混ぜると全体がなめらかになり、朝でも食べやすいのが特徴です。冷凍の刻みオクラを使えば、忙しい朝でも手軽に用意できます。
2. 納豆
納豆は、水溶性・不溶性の両方の食物繊維を含む発酵食品です。整腸作用が期待でき、卵と合わせることで風味もやわらぎます。
たんぱく質も同時に補えるため、栄養バランスを整えやすい組み合わせです。
3. 海苔(刻み海苔・焼き海苔)
海苔にはミネラルやビタミン類に加え、食物繊維も含まれています。少量ふりかけるだけで香りが立ち、味の変化も楽しめます。
4. きのこ(まいたけ・しめじ・えのきなど)
きのこ類は不溶性食物繊維が豊富で、腸のぜん動運動を促します。炒め物や煮物にして作り置きしておけば、朝はのせるだけで手軽に食べられます。
5. めかぶ
めかぶに含まれるフコイダンやアルギン酸などの水溶性食物繊維は、整腸作用が期待できます。
粘りがあり、卵と合わせることで食べやすく、味付きタイプなら時短にもなります。
6. 塩昆布
昆布に含まれる水溶性食物繊維は、腸内環境の改善や血糖値の安定に役立つとされています。
少量でも旨味があるため、使いすぎに注意しながら取り入れましょう。
7. キムチ
キムチは食物繊維に加え、発酵による乳酸菌も含まれています。卵のまろやかさと合わさり、食欲が出にくい朝でも食べやすくなります。
まとめ
今回は、食物繊維不足を防ぐために、卵かけご飯にプラスするだけで取り入れられる食材をご紹介しました。
卵かけご飯は手軽で続けやすい朝食ですが、食物繊維は不足しがちです。忙しい朝こそ、ちょい足し習慣で無理なく食物繊維を補っていきましょう。
参考文献
・「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」-文部科学省
・「日本人の食事摂取基準(2025年版)」-厚生労働省
・健康日本21アクション支援システム「食物繊維の必要性と健康」-厚生労働省
・上西一弘「栄養素の通になる 第5版」-女子栄養大学出版部
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