年末年始の胃腸疲れに!知られざる梅干しの健康効果とは【管理栄養士が解説】

年末年始の胃腸疲れに!知られざる梅干しの健康効果とは【管理栄養士が解説】
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疲れた時や夏バテの時に大活躍するクエン酸豊富な梅干しですが、冬にもぜひ活用してほしい食材です。何かとイベントや食事会が多い年末で、胃腸が疲れてしまったときこそ梅干しの出番。今回は、梅干しの健康効果と、その選び方や食べ方の注意点について、管理栄養士が解説します。

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梅干しの健康効果

疲労回復効果

梅干しの成分の代表ともいえるクエン酸は、体内に蓄積された疲労物質の乳酸を分解し、体外に排泄する働きがあります。運動した後の体の疲れや、仕事後の肩こりなどの解消に効果的です。

食欲増進効果

梅干しの酸味は、唾液や胃液の分泌を促します。唾液が多く出ることで、でんぷんを分解するアミラーゼが働き、胃液の分泌が活発になることで食欲が増すので、夏バテ時や風邪などで食欲が落ちてしまった時などに効果的です。

便秘予防効果

梅干しに含まれる植物性乳酸菌は、腸内環境を整える働きがあります。便秘を予防するだけでなく、肥満防止にも役立ちます。悪玉菌を抑制する働きがあるカテキン酸というポリフェノールが含まれているため、乳酸菌との相乗効果でより高い整腸作用が期待できます。

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年末年始の胃腸疲れに

クリスマスが終わり、新しい年が始まる年末年始。 人が集まる機会が多く、特別な楽しさの反面、普段よりも食べる量や揚げ物などが増え、栄養が偏ってしまいがちです。そんな時こそ梅干しの出番。梅干しは、脂質を摂りすぎたことによる下痢や、食物繊維不足からくる便秘の症状改善に効果を発揮します。
梅干しには疲労回復や食欲増進効果に加え、内臓を労わる働きがあり、クエン酸が消化を助け、胃腸の働きが回復することで、腸内環境を整えるサポートをしてくれるのです。
食べ過ぎた翌日は、梅干しとおかゆ、煮た野菜などの胃腸に優しい食事を心掛けましょう。

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どんな梅干しを選べば良いの?

体に負担がかからない、添加物不使用の無添加のものが理想的です。昔ながらの無添加梅干しは、とても酸っぱく、塩分濃度が高いのでしょっぱい味がしますが、原材料が【梅・塩・しそ】のみととてもシンプル。しかし、現在スーパーで良く売られている梅干しで、このような原材料の少ないものを見つけるのはなかなか難しいです。

そこで、スーパーなどで体に優しい梅干しを選ぶポイントは、できるだけ添加物が少ないものを選ぶことです。

・ステビア、スクラロース、アセスルファムKなどの人口甘味料
・アミノ酸等の調味料
・ソルビン酸Kの保存料
・赤色○号などの合成着色料

商品の裏側を良く見て、これらの添加物ができるだけ入っていないものを選ぶと良いでしょう。

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食べ方の注意点

梅干しは様々な栄養素が含まれ、たくさんの健康効果が期待できますが、塩分も多く含んでいるため、摂りすぎには注意が必要です。
厚生労働省で定められている1日の食塩摂取の目標値は、男性が7.5g未満、女性が6.5g未満です。種類にもよりますが、梅干しは1個あたり約2.5g、減塩タイプでも約1gの塩分が含まれています。1日1個を目安にしましょう。また、体内の余分な塩分を排出する働きがあるカリウムを多く含む食材(野菜や果物)をしっかり食べるようにしましょう。

《参考文献》
あたらしい栄養学/高橋書店

《ライター》やなぎかおり
特別養護老人ホームにて介護食の大量調理や栄養士業務を経験。働きながら管理栄養士の資格を取得。その後、中学校給食センターにて献立作成、給食管理、食育授業に携わる。結婚、出産を経てヘルスケア栄養指導士の資格を取得。子育てをしながら栄養に関する記事執筆を行っている。

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