クエン酸はなぜ体にいいの?クエン酸がもたらす3つのうれしい作用とは|管理栄養士が解説

 クエン酸はなぜ体にいいの?クエン酸がもたらす3つのうれしい作用とは|管理栄養士が解説
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栗城智子
栗城智子
2024-05-17

梅干しやレモンに含まれ、注目を浴びているクエン酸は、摂取することによってどのような健康効果が期待できるのでしょうか。本記事ではクエン酸の作用について解説します。

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クエン酸の体内でのはたらき

クエン酸は、食事から摂った栄養をエネルギーに変換するための「クエン酸回路(TCAサイクル)」をきちんと回すために不可欠な成分です。クエン酸回路は、食事から摂った三大栄養素である炭水化物、たんぱく質、脂質をエネルギーとして使うために重要な代謝経路です。この反応は、細胞のミトコンドリア内のマトリクスにおいておこなわれます。

クエン酸の効果①疲労回復

前述のとおり、クエン酸は体内において効率よいエネルギー産生にはたらきかけます。また、クエン酸回路がきちんと回ることで筋肉の疲労物質である乳酸が分解されることから、疲労回復につながると考えられています。

クエン酸の効果②食欲増進

クエン酸は有機酸のひとつであり、梅干しの酸味も呈しています。梅干しが夏バテによいとされるのは、前述の疲労回復効果のみならず、酸味によって唾液の分泌を促進し、消化をサポートすることで食欲も増進してくれるためです。ただし梅干しは塩分も多く含むことから、何個も食べるのは避けましょう。

クエン酸の効果③ミネラルの吸収促進

ミネラルはそのままでは吸収効率が悪いものもありますが、クエン酸と一緒に摂ることで吸収率がアップするといわれています。体内では合成できず、排出もされやすいミネラルをきちんと体に取り入れるため、クエン酸を活用するのもよいでしょう。

クエン酸を手軽に取り入れられる食品とは?

これまでクエン酸の摂取によって期待できる効果を解説してきました。クエン酸は梅干しやレモンなどの柑橘類に多いイメージですが、いちごやキウイといった果物にも含まれます。また、食品からはまとまった量が摂りづらい方には粉末のサプリメントを活用するのもおすすめです。運動の前後に用いることで、筋肉の疲労回復をサポートしてくれます。

補足:掃除用のクエン酸とは?

クエン酸は健康効果だけでなく、掃除にもよいとして近年ますます注目を浴びています。とくにアルカリ性の水垢などの汚れを落とすのに向くとされます。クエン酸は安全性が高く食品添加物としても使用を認められていますが、掃除用と食用とでは製造工程が異なるため、掃除用として販売されているものを摂取するのは避けましょう。

まとめ

本記事では、クエン酸の摂取によって期待できる効果やクエン酸の食事への取り入れ方を紹介しました。クエン酸を普段の食生活に取り入れることで、日々の健康ケアに生かしていきましょう。

〈参考文献〉

厚生労働省|e-ヘルスネット|有酸素性エネルギー代謝

高橋書店 吉田企世子,松田早苗監修「からだにおいしいあたらしい栄養学」

厚生労働省|食品添加物

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栗城智子

栗城智子

大学卒業後、食品メーカーにて商品開発や品質保証の業務に従事し、管理栄養士を取得。特定保健指導やドラッグストア勤務において、人々の食事や健康、サプリメントに関する悩みに寄り添う。上記資格のほかフードスペシャリスト、離乳食・妊産婦食アドバイザー、日本化粧品検定1級、アロマテラピーアドバイザーなどの資格を保有。食と健康について学びを続けている。現在は子育てをしながら管理栄養士ライターとして執筆や商品監修に携わる。



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