冬至にゆず湯に入るのはなぜ?実はすごい「ゆず」の栄養と体を整える効能|管理栄養士が解説
その強い香りに邪気を払う力があるとして、冬至の際に用いられているゆず。ゆずをお湯に浮かべたゆず風呂が定番ですが、お酒を呑む機会が多い忘年会シーズンにこそ、活躍してほしい果物なんです。この記事では、忘年会シーズンにぜひ活用したいゆずの効能と手軽な取り入れ方について管理栄養士が解説します。
ゆずの栄養価と効能
ゆずにはカリウムやビタミンC、クエン酸が豊富に含まれています。とくに果皮にビタミンCが豊富で、抗酸化作用が強いのが特徴です。風邪予防だけでなく、疲労回復効果、美肌効果が期待できます。また、ヘスペリジンというポリフェノールが含まれ、血管を丈夫にしたり、血流をよくする働きがあるといわれています。冬至にゆず湯に入る風習があるのは、ゆずが体を温めて、風邪を引きにくくするからなのです。
また、ゆずの香り成分であるリモネンには、血行を促進し、脳内でストレスを軽減させるα波を放出させるので、リラックス効果があるといわれています。
ゆずはなぜ二日酔いに効く?
ゆずには、アルコールの分解を助けたり、食欲を増進させる働きがあるとされています。肝臓の機能を助けてくれるので、吐き気や胃もたれなどの二日酔いの症状を緩和するのに役立ちます。また、リモネンの香りによるリラックス効果で気持ち悪さを軽減させたり、クエン酸による酸味が胃腸での消化を助けるため、吐き気からくる食欲不振を和らげる効果も期待できます。
手軽な取り入れ方
冬至前になると、スーパーなどにゆずが並ぶことが多いですが、ゆずの産地でなければ、一年中手軽に手に入らないこともありますよね。そこで活用したいのが、ゆずの果肉が入ったゆずジャムです。ゆず茶と記載されている瓶詰なども販売されています。熱処理を加えているため、ビタミン類の損失は多少ありますが、皮ごと刻まれているものが多く、ヘスペリジンやリモネンの効能はしっかり感じることができるでしょう。使いたい分だけ出して、保存が効くという点でも、購入しやすいのではないでしょうか。
二日酔いの朝に温かいゆず茶として飲むのがおすすめです。食欲がない時はヨーグルトに加えても。ミネラルウォーターに溶かしてフレーバー水として持ち歩けば、酔い覚ましの水分補給にもなります。
新鮮なゆずの選び方
ビタミンCやクエン酸の効能をしっかり感じたい人は、新鮮な生のゆずを選びたいですね。まず皮が変色なく黄色い色が均一のものです。ブヨブヨしていたり、シワがあるものは傷み始めているので、しっかりハリがあるか見るようにします。また、香りのよいものを選ぶようにしましょう。ヘタは切り口が茶色くなっていないか確認し、まだ緑色が残っているものを選ぶと良いでしょう。
まとめ
普段はあまり活用されないゆずですが、冬至をきっかけにその効能を知ることで、ゆず風呂に限らず風邪予防から二日酔いの緩和まで、様々なことに活用していきたいですね。
《参考文献》
ユズ(柚子)とれたて大百科|食や農を学ぶ/JA
1日1つで今より良くなるゆる薬膳。365日/池田陽子
《ライター》やなぎかおり
特別養護老人ホームにて介護食の大量調理や栄養士業務を経験。働きながら管理栄養士の資格を取得。その後、中学校給食センターにて、献立作成、給食管理、食育授業に携わる。結婚、出産を経て、ヘルスケア栄養指導士の資格を取得。子育てをしながら栄養に関する記事執筆を行っている。
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