管理栄養士が教える【小松菜】パワー!ほうれん草よりおすすめな理由とは!?栄養吸収率を高める食べ合わせも紹介
葉野菜の中で一番栄養価が高そうなイメージがあるのはほうれん草ではないでしょうか。でも実は、小松菜の方が多く含まれている栄養素もあるのです。今回は、ほうれん草より優れている小松菜の栄養価、吸収率をアップさせる食べ合わせについて解説します。
小松菜とほうれん草の主な栄養価の比較(100gあたり)
エネルギー(kcal)
・小松菜:55
・ほうれん草:75
カリウム(mg)
・小松菜:500
・ほうれん草:690
カルシウム(mg)
・小松菜:170
・ほうれん草:49
鉄(mg)
・小松菜:2.8
・ほうれん草:2.0
ビタミンC(mg)
・小松菜:39
・ほうれん草:35
β‐カロテン(μg)
・小松菜:3100
・ほうれん草:4200
ほうれん草は、小松菜に比べてややエネルギーが高く、カリウム、β‐カロテンに関しては数値が高いといえます。カリウムは、体内の余分な塩分を排出して血圧を調整したり、むくみの防止に役立つ成分です。β‐カロテンは、体内でビタミンAに変換され、抗酸化ビタミンとして老化防止に効果が期待できます。
一方、小松菜は、カルシウム、鉄、ビタミンCに関して、ほうれん草よりも栄養価が高いのがわかります。カルシウムはほうれん草の約3倍となっていて、骨や歯の形成や維持に不可欠なミネラルです。鉄は、赤血球の構成要素となり、酸素を全身に運搬する役割があり、不足すると鉄欠乏性貧血などの症状が現れます。ビタミンCは抗酸化ビタミンとして、皮膚を健康に保ったり、ビタミンAとともに体をサビから守る働きがあります。
小松菜を選んだ方が良いのはどんな人?
ほうれん草よりも優れた栄養素は、カルシウム・鉄・ビタミンCでしたね。それでは、小松菜を選んだ方が良い人の特徴をみてみましょう。
・成長期の子供
・骨密度を保ちたい方
・イライラしがちな方
小松菜に豊富に含まれているカルシウムは、成長期の子供の骨や歯の形成をしっかりサポートしてくれます。また、骨密度が減り始める50代以降の人も、骨粗鬆症予防のためにカルシウムを毎日コツコツ摂取することが大切です。少しのことでイライラしがちな人も、カルシウム不足である場合があります。カルシウムは、血圧の調整にも関わっていて、高ぶる感情を安定させるなど、神経系の不調の改善にも役立ちます。
・月経のある女性
月経のある女性は、月経によって鉄分を失うため、鉄分不足になりがちです。月経中に限らず食事から意識的に摂取し続ける必要があります。小松菜は植物性の非ヘム鉄なので、肉類のヘム鉄に比べて吸収率が高くありませんが、野菜なので習慣的にたっぷりと食べられる点がメリットです。
・妊娠・出産期の女性
妊娠、出産期には、赤ちゃんの成長に不可欠なたんぱく質の他、骨や歯の基礎となるカルシウム、血液量の増加に伴う鉄分の必要量が増えます。エネルギーをプラスするだけでなく、ビタミンミネラルを豊富に摂ることが大切です。小松菜は、鉄分の吸収をアップさせるビタミンCも一緒に摂れるため、効率の良い野菜といえるでしょう。
小松菜 吸収率アップの組み合わせ
小松菜+ビタミンC【鉄の吸収率アップ】
ビタミンCの豊富な野菜や芋類と組み合わせた献立や、デザートに果物をプラスしましょう。(パプリカ、ブロッコリー、キウイ、オレンジ、みかん、ゆず、レモン、いちご、じゃが芋、さつま芋)
小松菜+ビタミンD 【カルシウムの吸収率アップ】
ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあります。きのこ類や魚介類を積極的に組み合わせましょう。(しめじ、しいたけ、まいたけ、きくらげ、しらす干し、鮭、さんま、いわし、卵)
小松菜+油 【β‐カロテンの吸収率アップ】
β‐カロテンは脂溶性ビタミンなので、油に溶けることで体内に吸収されやすくなります。炒め物や、オイルドレッシングをかけたサラダにすると吸収率がアップします。
《参考文献》
食品成分表2024本表編/女子栄養大学出版部
《ライター》やなぎかおり
特別養護老人ホームにて介護食の大量調理や栄養士業務を経験。働きながら管理栄養士の資格を取得。その後、中学校給食センターにて、献立作成、給食管理、食育授業に携わる。結婚、出産を経て、ヘルスケア栄養指導士の資格を取得。子育てをしながら栄養に関する記事執筆を行っている。
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