「いつも皮むいてたわ…」里芋の食物繊維やミネラルを効率よく摂取する食べ方とは?|管理栄養士が解説
里芋は、ほっくりした食感と独特のぬめりが魅力の冬野菜です。煮物や味噌汁などでよく使われますが、皮をつけたまま調理することで、里芋のぬめりや栄養成分を効率よく活かすことができます。「いつも皮むいてたわ…」という方は是非参考にしてみてくださいね。
里芋の栄養価(生・球根・可食部100gあたり)
エネルギー:53kcal
たんぱく質:1.5g
脂質:0.1g
炭水化物:13.1g
食物繊維:2.3g
カリウム:640mg
ビタミンC:6mg
※日本食品標準成分表2020年版(八訂)「さといも(球茎・生)」より
生の里芋(球根)は、炭水化物や食物繊維、カリウムなどの栄養が豊富に含まれています。
里芋のぬめり成分
里芋の独特のぬめりは、ガラクタンなどによって生まれます。これらは水分を含むと粘性を持ち、煮物や汁物で具材同士をなじませる働きがあります。加熱するとやわらかくなるため、胃腸にもやさしく食べやすくなります。皮をつけたまま調理することで、このぬめりを逃さず利用できます。
皮ごと調理する際のポイント
皮には細かいうぶ毛があり、直接触れるとかゆみを感じることがあります。手袋を使うか、蒸してから皮をむく「蒸しむき」にすると刺激を避けられます。また、里芋は泥付きのことが多いため、調理前にたわしなどでしっかり洗浄しましょう。
また、里芋には少量のシュウ酸も含まれています。シュウ酸は水に溶けやすいため、下茹でや蒸すなどの加熱調理を行うことで減らすことができます。皮ごと茹でてから軽く水にさらすと、ぬめりを保ちながらシュウ酸を適度に減らすことができます。
皮ごと楽しむおすすめ調理法
皮つきの里芋は、調理法によってその魅力を活かせます。
皮ごと蒸し焼き
皮をつけたまま蒸し焼きにして塩やハーブで味付け。香ばしさと自然な甘みが楽しめます。
皮つき味噌汁
一口大に切った皮つき里芋を味噌汁に加えると、食物繊維やミネラルを効率よく摂取できます。
皮ごと煮物
小ぶりの里芋を皮ごと煮ると、煮汁にぬめりと旨味が溶け込み、コクのある味わいに仕上がります。
どの調理法も、皮の食感とぬめりを活かすことで、風味と満足感を引き立てます。
まとめ
里芋は、炭水化物を中心に食物繊維やカリウムなどの栄養をバランスよく含む冬の代表的な根菜です。皮をつけたまま調理することで、ぬめりや栄養成分を無駄なく摂取できます。手袋の使用や洗浄をしっかり行い、下茹でや蒸し調理でシュウ酸を減らしながら、蒸す・煮る・焼くなどの調理法で、里芋の自然な甘みととろみを存分に楽しみましょう。
参考文献
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
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