秋うつ対策には腸ケア「里芋と白菜のまろやかごま味噌汁」【管理栄養士が教える心と体を整えるスープ】
体の栄養だけでなく、心にも栄養を。心で味わいほっと自分に還ってこられるようなスープのレシピを、管理栄養士の高波紗希さんに連載形式で教わります。
いよいよ長袖や羽織が必要になるほど、寒さを感じる日も増えてきました。
涼しくなると同時に、なかなか疲れがとれなかったり、過食や過眠、落ち込みやすくなるなどの「秋うつ(季節性感情障害)」による症状に悩まれている方もいるのでは?
今回も旬の食材で、秋に陥りやすいメンタルケアにおすすめなスープをご紹介いたします。
「秋うつ」の原因と対策
10月頃からの発症が多いと言われている「秋うつ」。
日照時間が短くなることにより、日光が当たることで作られる神経伝達物質である「セロトニン」の分泌の低下が原因とされています。
セロトニンは、別名“幸せホルモン”と呼ばれるほど、精神を安定させる効果があります。
不足してしまうと、一見わかりにくいものの
・気分の落ち込み
・集中力の低下
・過眠
・食欲不振
・倦怠感
といった様々な不調が現れます。
対策としては、意識して太陽を浴びることや、適度な運動、生活リズムを崩さないことが大切です。
そして、何と言っても日々のバランスの良い食事も大切です。
実は、この「セロトニン」は、脳から作られているかと思いきや、9割が腸から作られています。
不足しやすいこれからの時期こそ、免疫力を上げるためにも、腸内環境を整えていきましょう。
今回のスープの腸活ポイント
① 白味噌
白味噌は、一般的な味噌よりも麹が多く、塩分が少ないため、色も淡く、まろやかでコクがあるのが特徴です。
乳製品を使わなくても、白味噌を加えるだけでミルキー感が出せる優れもの。
日本人の腸内環境のエサと言っても良いほど、日本の発酵界の代表である麹が多いことに加えて、GAVAも多く含まれています。
GAVAには、ストレスを緩和し、血圧を下げたり、睡眠の質を高めてくれる効果があります。まさに「秋うつ」の味方!
② 里芋
里芋には、ぬめり成分となる水溶性の食物繊維が腸内環境を整えてくれます。
「ガラクタン」:免疫力の向上、善玉菌を増やして便通促進、血糖値の上昇抑制、コレステロール低下作用
「グルコマンナン」:腸を刺激し便通を促進・糖尿病や高血圧などの生活習慣病の予防
秋うつ対策には腸ケア「里芋と白菜のまろやかごま味噌汁」の作り方
【材料】(2人分)
・里芋....2個
・白菜....1枚
・合わせだし汁....400ml
・白ごま....大さじ1.5
・白味噌....大さじ1.5
・塩....ひとつまみ
【下】
【作り方】
1.里芋はたわしでよく洗い、皮を剝き、1cm幅の輪切りにする。(皮が剝きにくい場合は一度蒸すと剝きやすい)
白菜は、一口大にざく切りに切る。
白ごまは軽く煎ってから、擦り潰す。(すり胡麻でも良いが、この一手間が美味しい)
2.鍋にだし汁、里芋、白菜を入れて弱火でじっくり煮ていく。
里芋に竹串が通るまで火が入ったら、火を止め、白味噌を溶き、塩を加えて味を整える。
3.器に盛り、胡麻をふったら完成。
お好みで、ブラックペッパーをかけても合います。
AUTHOR
高波紗希
管理栄養士。11年間に渡る摂食障害を「食とこころ」と向き合い、整えることでありのままの自分を認め克服した経験から【 自分を大切にする、食とこころの栄養学 】をテーマにSNSで発信をしている。食べることに対する罪悪感や、生きづらさを感じている方に向けて、素材を大切にしたグルテンフリーの料理教室やレシピ提供、講座、相談室など多方面で活動している。
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