知らなきゃもったいない!干ししいたけの“うま味”を最大限に引き出す戻し方と調理法

干ししいたけのイメージ
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干ししいたけ、すべて同じだと思っていませんか?大きく分けて2種類の干ししいたけがありますが、同じように使っていてはそれぞれの良さを味わい切れていないかもしれません。干ししいたけのことを知って、上手に活用してみませんか?

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干ししいたけのイメージ
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肉厚タイプと薄型タイプの違いと使い分け

干ししいたけは大きく分けて2種類のタイプがありますが、実は品種は関係なく、見た目や形状の違いによって分類されています。

どんこ(肉厚タイプ)

傘が開ききる前に収穫されたしいたけを干して加工したもので、傘が7割以上開く前、または巻き込みが強い状態のものを指すことが多くなっています。特に寒い時期にゆっくりと成長した椎茸を乾燥させたものは「冬菇(どんこ)」と呼ばれ、うま味、香り、肉厚で、形がよいため高級品として扱われます。
特徴:肉厚で歯ざわりがよい、香りとうまみが凝縮されている
用途:煮物、炊き込みごはん、高級料理など、しいたけ自体を味わう料理に向く

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香信(薄型タイプ)

「香信」は主に傘が開いた状態、または開きが比較的進んだものを指し、傘の肉が薄めで比較的水戻りがよいことが特徴。傘が開いたことで香りが出やすいともされています。
特徴:薄めで戻りやすい、ひだの部分がしっかりと外側にあるため出汁と香りが出やすい、時短調理に最適
用途:出汁、みそ汁、お吸い物、寿司、炒め物など日常使いに向く

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干ししいたけのうま味成分をより味わう方法

干ししいたけのうま味成分は、核酸系のグアニル酸。グアニル酸をより味わうためには、「低温でゆっくり戻す」のがベストです。グアニル酸は50~60℃くらいで分解されやすく、うまみ成分が減ってしまうため、熱湯ではなく冷水につけたり冷蔵庫に入れたりして低い温度で時間をかけてゆっくりと戻すのがおすすめです。時間のない時は、ぬるま湯や電子レンジを使っても。一方、調理で加熱する場合、すでに抽出されているグアニル酸は加熱に対して比較的安定しているといわれているため、低い温度で戻したあとは、加熱調理してもOK。ただし、長時間の煮込みや再加熱を繰り返すことで徐々に分解されていってしまうともいわれています。しいたけがやわらかくなったら加熱をストップさせる、再加熱は避ける、などの注意が必要です。また、グアニル酸は単体でもうまみはありますが、他のうまみ成分と組み合わせることでより強いうまみを味わうことができます。昆布のグルタミン酸と合わせると精進だしやヴィーガン向けのスープに。鰹節や肉に含まれるイノシン酸と組み合わせると、和風だしや煮物の深みをアップさせる効果があります。

干ししいたけにつまったうまみや香りを上手に活用してくださいね。

参照
・「食材事典 (学研)」
・「やさい(幻冬舎)」

ライター/大槻万須美
管理栄養士・フードスタイリスト・腸内ケアフードアドバイザー。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。
Instagram:@tsukiko_shoku_mind
blog:管理栄養士 大槻万須美♪楽しく食べて健康に♪

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