朝の吐き気や動悸、「なんだか気持ち悪い…」ストレスのサイン?原因と解決のヒント|臨床心理士が解説

朝の吐き気や動悸、「なんだか気持ち悪い…」ストレスのサイン?原因と解決のヒント|臨床心理士が解説
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佐藤セイ
佐藤セイ
2025-10-11

朝起きて、「さて今日も仕事だ」「今日も学校に行かなきゃ」と思った瞬間、胸の辺りがぎゅっと締めつけられるように苦しくなったり、吐き気や動悸がして「なんだか気持ち悪い…」と感じたりした経験はありませんか?それは単なる体調不良ではなく、心や身体からのSOSサインかもしれません。今回は、仕事や学校に行く前に「気持ち悪くなる」「胸が苦しくなる」といった症状がなぜ起こるのか、そしてその対処法についてわかりやすく解説します。

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なぜ仕事や学校に行く前に気持ち悪くなる?

まずは、仕事や学校に行く前に気持ち悪くなる理由についてお話します。

ストレスによる自律神経の乱れ

原因として考えられるのが「ストレスによる自律神経の乱れ」です。

自律神経とは、心臓を動かす、食べ物を消化するなど、生命維持に欠かせない働きを調整する神経を指します。

自律神経は、

交感神経:主に日中、心身を興奮・緊張させて「活動」に適した状態にする

副交感神経:主に夜間、心身をリラックスさせて「休息」に適した状態にする

という2つの神経がバランスよく働くことで機能しています。

ところが、ストレスを強く受けるとこのバランスが崩れ、

・交感神経が過剰に働き、心身が過度に緊張して吐き気や動悸が起きる

・副交感神経が過剰に働き、心身のだるさや無気力感が強まる

といった不調が現れます。

特に、「職場の人間関係がつらい」「仕事のミスが怖い」「学校でいじめや孤立を感じている」など、ストレスを感じ続けている人は、自律神経のバランスが崩れやすくなります。

どんな症状が出る?

ストレスによって自律神経が乱れると、次のような症状が出ることがあります。

・胸に圧迫感があり、息苦しい

・呼吸が浅くなる、過呼吸になる

・吐き気、胃がムカムカする

・頭痛、頭が重い

・めまいでフラフラする

・激しい動悸がする

・手汗や冷や汗をかく

これら自律神経の乱れによる症状は、ストレスが和らぐと軽減します。そのため、仕事や学校に行く前は強い症状が出ますが、休むことが決まると軽減します。

その結果、周囲の人に理解してもらえず「仮病」「怠け」と誤解されることもあります。しかし、ストレスがかかっている間は確かに苦しさがあるのです。

苦しさや気持ち悪さへの対処法は?

仕事や学校に行く前に、胸の苦しさや気持ち悪さを感じたときに試してほしい3つの対処法をご紹介します。

深呼吸でストレスを緩和する

息苦しさを感じたら、まずは「深呼吸」を試してみましょう。

ゆっくりとした呼吸は、心身をリラックスさせる副交感神経の働きを促進し、過剰に緊張・興奮した心や身体を鎮めます。

特におすすめしたいのは「4-7-8呼吸法」です。

これは「4秒かけて息を吸い、7秒止めて、8秒かけて息を吐く」という手順を繰り返すもので、何度も繰り返すうちに心身ともにリラックスした状態になれます。

場所を問わず取り組めるので、苦しさを感じたときの応急処置としておすすめです。

問題を具体的にする

私たちは正体不明のものに対し、強い不安感や恐怖心を抱きます。例えば、「ガサガサ」という音がしたのに、音の主の姿が見えないと不安になりますよね。しかし、その音の主が猫であることがわかれば、「な~んだ、猫かぁ」と不安は一気に解消されます。

「苦しい」「つらい」の背景にある要因も、しっかりと分析できると、それだけで不安・恐怖が軽減されることがあります。

例えば、

・上司とのコミュニケーションがうまくいかない

・ノルマがプレッシャーになっている

・先生との関係に悩んでいる

・クラスになじめず孤独を感じている

など、苦しさの背景に潜むものの「正体」が見えてくると、「こんなことで悩んでいたのか」と、どこかスッキリした気持ちになったり、それに対してどう対処するかを考えたりできます。

自分1人で考えるのも良いですが、場合によっては、誰かに相談すると整理しやすくなることもあります。

思い切って休んでみる

胸の苦しさや気持ち悪さは「今、ストレスを感じている」という心と身体のサイン。毎朝のように苦しさや吐き気が続くようであれば、思い切って休むことも大切です。

一時的にでも休息をとることで、ストレスで弱ってしまった心や身体が少し回復し、つらい症状が和らぐ可能性があります。

おわりに

仕事や学校に行く前に胸が苦しくなったり、気持ち悪くなったりするのは、単なる「体調不良」ではなく、うつ病や適応障害、不安障害などの心の病気のサインであることもあります。

もし、長期間にわたって症状が続くようであれば、我慢せず、心療内科や精神科などの医療機関を受診してみましょう。早めの相談が、回復の第一歩になります。

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