40代から急増!女性特有の“隠れ心筋梗塞”を見逃さないで!男性とは違う症状とは?医師が解説
心筋梗塞のリスクが高いのは男性?女性?年代は?そして症状とは?? とくに女性特有の心筋梗塞について、そのセルフチェック方法などを医師が解説します。
40代から急増!女性特有の“隠れ心筋梗塞”を見逃さないために
「心筋梗塞」と聞くと、多くの方は“中高年の男性が胸を押さえて倒れる”ような場面を想像するかもしれません。
実際、昔は心筋梗塞といえば男性の病気というイメージが強く、女性はあまり関係ないと思われがちでした。
でも、最近はその常識が大きく変わってきています。
特に女性は40代後半から50代にかけて、心筋梗塞のリスクが急激に高まることがわかってきました。
これは更年期を迎え、女性ホルモンのエストロゲンが減少してくる時期と重なります。
エストロゲンは、実は「血管を守るホルモン」とも呼ばれていて、血管をしなやかに保つ働きがあります。
若い頃はこのエストロゲンのおかげで、多少の生活習慣の乱れがあっても動脈硬化が進みにくい状態なのですが、更年期を境にその保護作用が一気になくなってしまうんです。
その結果、40代後半から50代にかけて、女性の心筋梗塞が急増します。
しかも女性の場合、症状がとても分かりにくいという特徴があります。
男性の典型的な心筋梗塞は「突然の激しい胸の痛み」ですが、女性はそうならないことが多く、「なんとなく体調が悪い」「ちょっと胃がムカムカする」といった軽い症状だけで進んでしまうケースもあります。
こうしたケースは、“隠れ心筋梗塞”とも呼ばれ、発見が遅れてしまいがちです。
「ただの疲れかな」「更年期だから仕方ないよね」と思い込んでしまい、受診が遅れる。
その間に病気が進行し、気づいたときには手遅れということも少なくありません。
男性とは違う症状と、セルフチェック方法
女性特有の心筋梗塞は、男性のようなわかりやすい胸の痛みが出にくいのが特徴です。
ここでは、実際によくみられる症状と、自分でできるチェックポイントを紹介します。
女性に多い症状
女性の心筋梗塞は、体のあちこちに“なんとなくの不調”として現れることが多いです。
- 胸ではなくみぞおちあたりが痛い、ムカムカする
- 背中や肩、首が重い感じがする
- 息苦しい、息がしにくい
- なんとなく疲れやすい、体がだるい
- 吐き気が続く
- ちょっと動いただけで汗がじんわり出る
- 「胸が痛い」というより圧迫されるような違和感
このように、症状がぼんやりしているため、つい「胃の調子が悪いのかな」「肩こりがひどいだけかも」と勘違いしてしまいます。
実際、心筋梗塞なのに整形外科や胃腸科を受診する方も多いほどです。
セルフチェック方法
では、自分で「もしかして心筋梗塞かも?」と気づくにはどうしたらいいのでしょうか。
以下のポイントに当てはまるか、ぜひチェックしてみてください。
✅チェック1:症状が30分以上続いているか?
一時的に治まっても、またすぐにぶり返すような症状は要注意です。
✅チェック2:安静にしても症状が良くならないか?
横になっても楽にならない、息苦しさが続く場合は受診を検討しましょう。
✅チェック3:動くと悪化するか?
家事や散歩など軽く動いただけで症状が強くなる場合は危険信号です。
✅チェック4:最近、血圧やコレステロール、血糖値を指摘されたか?
これらが高めの方は心筋梗塞のリスクがぐっと上がります。
もし複数当てはまる場合は、できるだけ早く循環器内科や救急外来を受診してください。
自己判断で放置するのが一番危険です。
女性は検査でも見逃されやすい?
女性の心筋梗塞が怖いもうひとつの理由は、「検査でも見つかりにくい」という点です。
典型的な胸の痛みが出ないため、初期段階では心電図で異常が出ないこともあります。
そのため、医師に症状を伝えるときは、「胸は痛くないけど、みぞおちや背中が重い」「息苦しさがある」と具体的に説明することが大切です。
少しでもおかしいと感じたら、遠慮せずしっかり伝えましょう。
まとめ
40代後半から増えてくる女性特有の心筋梗塞。
その怖いところは、症状がはっきりしないまま進行することです。
- 胸ではなくみぞおちや背中が痛い
- なんとなく息苦しい、だるい
- 「更年期かな?」と放置してしまう
こうしたサインを見逃さないことが命を守るカギになります。
もし気になる症状が続く場合は、「ちょっと大げさかな…」と思わず、早めに循環器内科を受診しましょう。
心筋梗塞は早期に見つけて治療を始めれば、後遺症を残さず回復できる可能性が高くなります。
女性の体は、年齢とともに変化していきます。
その変化を「仕方ない」と受け流すのではなく、自分自身の体からのメッセージとして受け止めることが大切です。
今日からでも、自分の体調と少し向き合う時間を作ってみてください。
その小さな一歩が、未来のあなたを守る大きな力になります。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
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