皮ごと食べるぶどう【紫・赤・緑】栄養素の違いは?細胞の老化を防ぐのはどの色?管理栄養士が解説
夏が終わると旬を迎えるぶどう。近年は皮ごと食べられる品種も増え、代表的な紫色だけでなく、赤や緑などさまざまな種類が出回っています。皮の色によって含まれる栄養素には違いがあるのでしょうか?この記事ではぶどうの色ごとの特徴を管理栄養士が解説します。
ぶどうに含まれる基本的な栄養素は?
ブドウ糖・果糖
ぶどうにブドウ糖と果糖が多く含まれています。両方とも「単糖類」と呼ばれる糖の種類で、速やかに体内に吸収されて即効性のあるエネルギー源となります。運動後の疲労回復や、集中力を高めたい勉強や仕事中の脳のエネルギー補給にもおすすめです。
カリウム
カリウムは、体内の余分なナトリウムを排出して血圧を下げたり、むくみの予防に役立ちます。外食が続いたり、加工品を良く食べる人は積極的に補いたい成分です。
ビタミンB群
ビタミンB1やB6などを豊富に含み、代謝や神経機能の維持に必要な栄養素です。ぶどうには少量ながらバランスよく含まれているため、疲れやすさやを感じる時に補いたい成分です。
食物繊維
食物繊維は腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えて便通をスムーズにします。血糖値の急上昇を抑えたり、コレステロールの排出も助けるなど食生活が乱れがちな現代人は積極的に取り入れたい栄養素です。
ぶどうを皮ごと食べるメリットは?
手軽に食べられる
ぶどうを皮ごと食べるメリットはまず、皮を剥かずに食べられる手軽さです。まな板や包丁も使わず、洗うだけで食べられる点も魅力です。厚生労働省が策定した「食事バランスガイド」により、果物はカリウムやビタミンCの供給源として摂取が勧められています。皮ごと食べられるぶどうは果物を日常に取り入れるハードルを下げてくれます。
栄養素を余すことなく取れる
ぶどうの皮にはポリフェノールや食物繊維が果肉よりも多く含まれていると言われています。皮ごと食べることで、ぶどうに含まれる栄養素を余すことなく摂取でき、健康効果も高まります。
ぶどうの色ごとの特徴
紫色のぶどう
ナガノパープルなどが代表的な品種です。甘味・酸味・渋みのバランスがよく、飽きのこない味わいが魅力です。皮の紫色はポリフェノールの一種「アントシアニン」に由来しており、濃い紫色ほどアントシアニンの含有量が多いとされています。抗酸化作用が期待できる点も特徴です。
赤いぶどう
代表的な品種はサニードルチェ。酸味が少なく、甘味が強いのが特徴で、食べやすさが人気の特徴です。赤い色もアントシアニンに由来しており、紫色よりは含有量は劣りますが、ポリフェノールを含んでいます。
緑色のぶどう
シャインマスカットに代表される緑色のぶどうは、渋みが少なく爽やかでスッキリとした甘味が特徴です。皮も薄くて食べやすく、近年特に人気の高い品種です。アントシアニンに由来するポリフェノールはほぼ含まれていません。
アントシアニンを摂るなら紫色がおすすめ
ぶどうの色による栄養素の大きな違いは、皮の色に由来するポリフェノールです。紫色の皮に含まれる「アントシアニン」は、色が濃くなるほど多く含まれます。アントシアニンは眼の神経の働きをサポートし、目の疲れを軽減すると言われています。また、強い抗酸化作用があり、細胞の老化を防いで生活習慣病の予防や老化防止にも効果が期待されます。
最後に
ぶどうは色によって味わいや食感に違いがあります。目の疲れをサポートするアントシアニンを取り入れるなら紫色のぶどうがおすすめですが、その他の栄養素のビタミンやミネラルにはどのぶどうもあまり差はありません。味や好み、気分に合わせて旬の食材を楽しみましょう。
【参考文献】
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