なかなか痩せないのは飲み物が原因?!痩せホルモンがどんどん減るNGな飲み物【管理栄養士が解説】
体に良いと思って選んでいたり、つい習慣的に選びがちな飲み物が、実は“痩せにくさ”の原因になっていることがあります。 なかでも、「痩せホルモン」と呼ばれる脂肪燃焼や代謝に関わるホルモンは、ちょっとした生活習慣の影響を受けやすいのが特徴です。 今回は、そんな痩せホルモンの働きを妨げてしまう可能性のあるNG飲み物を4つご紹介します。
痩せホルモンとは?
痩せホルモンとは、脂肪の分解や代謝促進、食欲の抑制などに関わるホルモンの総称です。
代表的なものには、アディポネクチン(脂肪燃焼)、レプチン(満腹感)、GLP-1(食欲抑制)、成長ホルモン(代謝)などがあります。
これらのホルモンは、睡眠不足やストレス、冷え、血糖値の急上昇などの影響で分泌が低下しやすくなります。
こうしたホルモンの働きを乱さないように、飲み物も“体に負担をかけない選び方”を意識することが大切です。
健康に良いと思って選んでませんか?
オーツミルクラテ
植物性ミルクとして人気のオーツミルクですが、無糖タイプでも1杯(200ml)あたり糖質が13〜17gとやや高めです。
そのため、朝一番や空腹時に飲むと血糖値が急上昇しやすく、アディポネクチンの分泌が抑えられる可能性があります。
また、ラテにすると飲みやすく、量を摂りすぎてしまうこともあるため注意が必要です。
選ぶときは「無糖」であるかどうかに加え、食物繊維(とくにβ-グルカン)が含まれているかをチェックしてみてください。
ビタミン強化ドリンク
「レモン○個分のビタミンC」など、健康を意識したキャッチコピーにつられて選びたくなるビタミンドリンクも注意が必要です。
多くの商品に糖分や甘味料、酸味料が含まれており、それらがホルモンバランスに影響を与える可能性があります。
甘みや酸味の刺激で一時的にスッキリした気分になる一方、血糖値の変動や味覚の乱れを引き起こすこともあります。
ビタミンはできるだけ食事から摂取し、ビタミンドリンクの常飲は控えるようにしましょう。
習慣的に選んでいませんか?
スポーツドリンク
運動後やサウナのあとに飲む方も多いですが、1本(500ml)で糖質が20g以上含まれているものが多くあります。
血糖値の乱高下は、レプチンやGLP-1といったホルモンの働きを鈍らせ、空腹感が増したり代謝が落ちやすくなったりする可能性があります。
大量に汗をかいたとき以外は、日常的な摂取は控え、水や麦茶などを選ぶのがおすすめです。
夏に選びがちな“冷たい飲み物”
暑い日にはキンキンに冷えた飲み物が欲しくなりますが、実はそれが“痩せにくさ”の一因になることがあります。
冷たい飲み物を継続的にとると、内臓が冷えて自律神経が乱れやすくなります。
これが代謝やホルモンのバランスに影響を与え、脂肪が燃えにくくなってしまうのです。
朝や夜など冷えやすい時間帯は、常温やぬるめの水・お茶を選ぶことが大切です。
管理栄養士おすすめの飲み物
痩せホルモンの働きを守るために、日々口にする飲み物の内容や選び方にも気を配ることが大切です。
「無糖かどうか」「飲み物の温度」「飲むタイミング」の3つを意識するだけでも、ホルモンバランスが整いやすくなります。
とくにおすすめなのは、常温の水、麦茶、無糖の炭酸水、無調整豆乳など、血糖値や自律神経に負担をかけにくい飲み物です。
まずは毎日の飲み物から、内側から“痩せやすい体”を育ててみてはいかがでしょうか。
【参考文献】
米井義和(2023). 脂肪細胞が分泌する善玉ホルモン“アディポネクチン”. 日本臨床栄養学会雑誌, 52(3), 121–124.
農畜産業振興機構. (2021). スポーツドリンクに含まれる糖質の種類と役割.
日本薬理学会(2011). レプチンと脂肪代謝の関連. 日本薬理学雑誌, 118(5), 334–339.
消費者庁. (2021). 植物性ミルクの表示に関する考え方.
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