「毎日食べてたわ…」納豆を食べない方がいい人の特徴|管理栄養士が解説
近年健康意識の高まりから「腸活」が話題となっています。その中のひとつとして「発酵食品を取り入れること」があります。発酵食品を食べると良い菌を体内に取り入れることができ、腸内環境の改善が期待できます。様々な発酵食品の中でも「納豆」は身近で健康イメージが強いのではないでしょうか?健康に良いので「毎日食べてたわ…」という方もいると思いますが、実は食べない方が良い人もいるのです。今回は「納豆」について解説していきます。
納豆の栄養価と健康効果
・納豆1パック(約50g)の栄養
エネルギー:92kcal
たんぱく質:8.3g
脂質:5.0g
食物繊維:4.8g
カリウム:350mg
マグネシウム:50mg
鉄:1.7mg
ビタミンK:440μg
大豆イソフラボン:36.8mg
大豆が原料の納豆はたんぱく質を豊富に含むと共に、マグネシウムや鉄、ビタミンKなどのミネラルやビタミンも含まれています。また、大豆イソフラボンという健康成分も含まれています。
納豆に含まれる納豆菌は腸でビフィズス菌や乳酸菌の増殖を促進し、腸内環境を整えるのに役立ちます。さらに納豆菌やナットウキナーゼ、大豆イソフラボン、食物繊維、ビタミンKなども含まれていることから生活習慣病や心疾患に良い影響を与える可能性があるとの報告もあります。
このように栄養豊富でたくさんの健康効果がある納豆ですが、下記に該当する場合は食べることをおすすめできません。
納豆を食べない方が良い人の特徴
ワーファリンを服用している人
ワーファリンは体内で血液が固まって血栓ができるのを防ぐお薬です。血液中には血液を固める成分としてビタミンKが含まれています。ワーファリンはそのビタミンKの働きを弱めることで血液をサラサラにしてくれます。ところが、ビタミンKが多く含まれる納豆を食べることでせっかくの薬の効きを弱めてしまうのです。ワーファリン服用中は納豆を食べないように気をつけましょう。
大豆イソフラボンのサプリを摂取している人
大豆イソフラボンは構造が女性ホルモンのエストロゲンと似ているため、エストロゲンと似た働きをします。それにより骨粗鬆症、乳がんなどの予防効果や更年期障害の軽減などが期待されています。しかしながら、エストロゲンが過剰になることで乳がん発症や再発などのリスクが高まる可能性もあり、過剰摂取には注意が必要です。
大豆イソフラボンの1日摂取目安量としては、70〜75mgと定められています。食品だけでは長い食経験上、健康被害の恐れは考えにくいですが、大豆イソフラボンを濃縮したサプリを服用している場合は過剰摂取が懸念されます。サプリと併用して大豆製品を召し上がる場合、目安量を考慮するのが良いでしょう。
まとめ
スーパーフードとも言える納豆ですが、特にワーファリンを服用している人や大豆イソフラボンのサプリを服用している人は注意が必要です。
上記に該当しなかったとしてもひとつの食品に固執せず、まんべんなく食べるのが良いでしょう。
納豆を上手に取り入れ、健康な体づくりに役立てていきましょう。
【参考文献】
・日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
・厚生労働省
・食品安全委員会 大豆イソフラボン
・糖尿病ネットワーク|「納豆」は糖尿病の人も活用したい食品 毎日食べている人は心筋梗塞や脳卒中のリスクが減少
・独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
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