朝食を摂らないとどうなる?食べられない原因と明日からできる対策とは|管理栄養士が解説
「毎日朝食を食べることは難しい」と感じたことはありませんか? 「朝食をしっかり食べましょう」と言われても、お腹が空いていなかったり食欲がなかったりすると、習慣化するのは難しいものです。 しかし、朝食を欠食することで、一日の栄養バランスが崩れやすくなり、「なんとなく調子が悪い」「疲れやすい」といった不調につながることがあります。長期的に続くと、栄養不足や代謝の乱れが健康に影響を与える可能性もあります。 この記事では、朝食を欠食してしまう理由としてよくあるものを紹介し、どのように朝食を食べる習慣をつけていけばよいのかについて解説します。
朝食を食べたいのに食べられない方は多い
「朝食が大切なのは分かっているけれど、どうしても食べられない」
「朝起きても食欲が全くわかない」
そんな悩みを抱えている方は少なくありません。厚生労働省の調査によると、20〜39歳までの若い世代では、約2割の人が「朝食をほとんど食べていない」と回答しており、多くの方が朝食の重要性を理解しながらも実践できずにいるのが現状です。
朝食が食べられない理由
朝食を毎日食べられないのには、さまざまな理由があります。よくあるケースにはどのようなものがあるのでしょうか?
生活リズムの乱れ
「睡眠時間が短い」「起床時間が遅い」といったことで生活リズムが乱れると、朝食にかける時間も減ってしまいます。
また、人間の体には約24時間周期の体内時計(概日リズム)があり、これが食欲のリズムにも影響を与えています。
夜更かしや不規則な生活により体内時計が乱れると、本来であれば朝に感じるはずの自然な食欲も湧きにくくなってしまいます。
規則正しい生活リズムを続けていると、朝に自然と食欲を感じやすくなる人もいますが、個人差があります。
前日の食事が影響している
夕食を大量に摂取すると、胃での消化に通常以上の時間がかかります。特に脂質の多い食事は胃にとどまる時間が長くなりやすく、消化に時間がかかります。また、食物繊維の多い食事も胃腸に一定の負担をかけることがあります。
さらに、遅い夕食により消化管が無理に働き続けると、朝になっても消化管の活動が活発化しないことも考えられます。
朝に空腹感を得やすくするためには、前日の夕食の量や時間を見直すことも一つの方法です。ただし、空腹感には個人差があり、体調やホルモンバランスも影響します。
心理的要因
ストレスを強く感じていると、交感神経が優位になります。この交感神経優位の状態では食欲が抑えられるため、ストレスを感じると食欲が減退することがあります。
また、「朝食を食べなければならない」という義務感が逆にプレッシャーとなり、食欲を減退させることもあります。特に几帳面な方や健康意識が高い方はこういったプレッシャーを感じるかもしれません。
朝食が食べられるようにするためには
さまざまな要因で食欲が減退することがわかりましたが、実際に朝食が食べられるようにするためにはどうしたらよいのでしょうか?
生活リズムを改善する
体内時計を整えるためには、まずは起床時間を一定にすることが重要だと言われています。
できれば就寝時間も固定したいですが、日によって変動しやすいものでもあります。なので、まずは起床時間を固定することから始めましょう。
また、起床後すぐに日光を浴びることで、体内時計のリセット効果が期待できます。
夕食の量やタイミングを調整する
朝に空腹感を得やすくするためには、前日の夕食の量や時間を見直すことも一つの方法です。
- 就寝の3時間前までに済ませる
- 量は腹八分目に抑える
どうしても遅くなる場合は、軽めの食事にしたり、夕食前に軽食を摂るなどの工夫が効果的です。
ストレス解消
ストレスと向き合い、解消することで食欲の改善も期待できます。
ただし、ストレス解消のために食べすぎてしまうという方は、夕食の食べ過ぎによる朝食欠食につながりやすいため、別の方法を探すことをおすすめします。
朝食を食べるための3ステップ
少しずつでも朝食が食べられるようになるために、以下の3ステップを試してみましょう。
第1ステップ:水分補給から始める
水やお茶でも構いませんが、どうしても食欲がわかない場合は、無理のない範囲で栄養補給ができるカロリー入りの飲み物(スムージーや牛乳など)を活用するのも一つの方法です。
第2ステップ:簡単に食べられるものを1口追加
水分補給が習慣化したら、ヨーグルトやバナナなどの簡単に食べられるものを1口追加しましょう。食べられるときは、もちろんそのまま1食分食べても大丈夫です。
第3ステップ:徐々に量を増やす
体が朝食に慣れてきたら、少しずつ量や種類を増やしていきましょう。このとき、無理に食べすぎてしまうと、継続ができなくなるので注意です。
まとめ
朝食欠食は改善が難しいことが多い問題です。欠食の原因にはさまざまなものがありますので、朝食を習慣化するためにはその原因を探ることも重要になります。
いきなりしっかりした量の朝食を食べようとすると、継続ができず欠食につながる可能性もありますので、自分のペースで少しずつ改善していく意識を持つことで、朝食を無理なく習慣化していきましょう。
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