甘いものを欲するのは体からのSOS?管理栄養士が教える「我慢しない」食べるコンディショニング方法

 甘いものを欲するのは体からのSOS?管理栄養士が教える「我慢しない」食べるコンディショニング方法
料理|石松佑梨
石松佑梨
石松佑梨
2025-03-15

「最近、無性に甘いものが食べたくなる…」そんなとき、体からのサインかもしれません。実は、甘いものを強く欲するときは、体の中でいくつかのバランスが崩れている可能性があります。 胃腸の働きが弱っている、血糖値が乱れている、ストレスや疲労がたまっている、ホルモンバランスが乱れている… 思い当たる症状はありませんか? ただし、甘いものを無理に我慢するとストレスになりますよね。そこでおすすめなのが、自然な甘みを持つ「甘み野菜」です。サツマイモやカボチャ、ビーツなどは、砂糖よりも栄養価が高く、血糖値の急上昇も抑えやすいのがポイント。詳しくは本文で解説します。

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「甘いものが欲しい=体がSOSを出しているサイン」かも!?

「無性に甘いものが食べたくなる…」そんなとき、体からのSOSサインかもしれません。実は、甘いものを欲する背景には、体内のバランスが崩れている可能性があります。

胃腸の働きが低下している

胃腸の消化・吸収機能が落ちると、食べたものからエネルギーをしっかり吸収できなくなります。すると体が「すぐにエネルギーになるものを!」と指令を出し、甘いものを欲するようになります。

血糖値が乱れている

砂糖を多く含む甘いものを食べると、血糖値が急上昇します。その後、インスリンの働きで血糖値が急降下すると、「また甘いものを!」と体が反応してしまいます。

ストレスや疲れがたまっている

ストレスや疲れを感じると、脳が「快感ホルモン」であるドーパミンを出そうとします。甘いものはドーパミンを一時的に増やしてくれるため、体が甘いものを求めやすくなります。

そのほか生理前や更年期など、ホルモンバランスが乱れることでも、甘いものへの欲求が高まることがあります。

甘いものへの強い欲求を満たしてくれる〝甘み野菜〟3選

甘いものを完全に我慢しようとすると、かえってストレスになることも。そんな時におすすめなのが、自然な甘みを持つ〝甘み野菜〟。砂糖よりも栄養価が高く、血糖値の急上昇を防いでくれます。ここでおすすめしたいのが、サツマイモ、カボチャ、ビーツです。

サツマイモ

焼き芋
さつまいもも、もうすぐ終わり。
焼き芋にして、一口大にカットして冷凍しておくと◎

甘くてホクホクしたさつまいもは、糖質だけでなく、腸内環境を整える食物繊維やオリゴ糖も豊富に含まれています。私のお気に入りは、焼き芋や干し芋。焼き芋を一口大にカットして冷凍しておけば、食べたいときにすぐに楽しめます。ただし、焼き芋は血糖値の上昇速度を表すGI値が約100と高め。ふかし芋ならGI値は50程度なので、血糖値が気になる方はふかし芋を選ぶのがおすすめです。干し芋はふかし芋で作られることが多く、よく噛んで食べるため満腹感が得られやすいのもメリット。間食にぴったりの自然な甘みです。

カボチャ

カボチャのサラダ
クリームチーズやギリシャヨーグルト、ナッツ類と合わせた
デリ風サラダならスイーツ感覚でも楽しめます!

サツマイモより、カロリーと糖質量が低く、食物繊維が多く含まれているのがカボチャです。私は生理前になると、一口大に切ったかぼちゃを冷凍ストックしています。クリームチーズやナッツと合わせてサラダにすると、スイーツ感覚で楽しめます。異なる食感や風味で満足感も得られやすいです。

ビーツ

ビーツ
ビーツはゆでて一口大にカットして冷凍保存しておくのがおすすめです。
焼き芋のように焼いても◎

ビーツはあまりなじみのない野菜かもしれませんが、市販の水煮ビーツを使えば調理も手軽。ゆでたものを一口大にカットして冷凍しておけば、サラダやスープにサッと使えてとても便利です。サラダに加えれば、彩りが良く、やさしい甘さにほっと癒されます。しかも栄養価も優秀。ビーツの赤色はポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用があります。また、エネルギー代謝に欠かせないビタミンB群も豊富。さらに、血流を促進する働きもあるため、冷えが気になる人にもおすすめです。

このように「白砂糖の栄養は糖質のみ」なのに対し、〝甘み野菜〟にはビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素も含まれています。糖質は完全に避けるのではなく、吸収を緩やかにする食物繊維やタンパク質と一緒に摂るのがポイントです。

春の巡りをよくする〝ビーツパンケーキ〟にちょい足しトッピング

ビーツパンケーキ
ビーツパンケーキ × 旬の柑橘 × 水切りヨーグルト

〝甘み野菜〟はそのまま食べるだけでなく、スイーツにアレンジして楽しむのもおすすめです。サツマイモやカボチャ、ビーツをペースト状にして生地に加えれば、砂糖不使用でもナチュラルな甘みが楽しめます。

今回は、3つの中で最も甘みの少ないビーツを使ってみました。個人的には、はちみつをかけたくなるようなやさしい甘みです。もう少し甘みが欲しい場合は、サツマイモやカボチャで作るのもおすすめ。

ビーツを使うと、ピンク色のかわいいパンケーキに仕上がり、見た目でも気分が上がります。さらに、血行促進効果が期待できるビーツパンケーキに〝ちょい足しトッピング〟を組み合わせれば、栄養価もアップして満足感がさらに高まります。

材料(2枚分)

• 小麦粉:50g

• ベーキングパウダー:小さじ1/2

• 卵:1個

• 牛乳:50ml

• ビーツ(水煮):30g

作り方

1. ビーツを細かく刻む(またはペースト状にする)。

2. ボウルに材料をすべて入れて、泡立て器で混ぜる。

3. フライパンで両面を焼く。

おすすめのちょい足し① 柑橘類やハーブ

春に旬を迎える柑橘類は、ビーツとともに冬に滞りがちな気血水の巡りをよくしてくれる組み合わせです。写真では旬の土佐文旦を使用しました。柑橘やハーブの香りのリラックスさせる香りが、自律神経バランスを整えます

おすすめのちょい足し② ヨーグルト

写真ではギリシャヨーグルト(水切りヨーグルト)を合わせました。パンケーキの生地に使用する卵と牛乳とともに、貴重なタンパク質源です。また発酵食品の整腸作用も期待できます。冬の間、体内に蓄積した余分な老廃物を排出して、代謝アップを目指しましょう。

まとめ

甘いものが欲しくなる理由を知っておくと、適切な対策ができます。

  • 胃腸の働きを整える
  • 血糖値の急激な乱高下を防ぐ
  • ストレスやホルモンバランスを整える

無理に我慢せず、自然な甘みを持つ「甘み野菜」を上手に取り入れて、心も体も満たしていきましょう!

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