〈キャッシュレス時代の落とし穴〉いざという時に「現金の小銭」が役立つ7つの理由|防災のプロが解説
近年、キャッシュレス化が加速化し、スマートフォンやクレジットカードでの決済が主流になりつつあります。しかし便利さを追求する一方で、災害時などいざという時の現金の重要性を忘れてはいけません。 今回はキャッシュレス時代における現金の役割、とくに災害時に現金の小銭が役立つ理由について詳しく解説していきます。
電力供給が不安定な状況下でも利用可能
災害時には停電や通信障害が発生し、スマートフォンやクレジットカードが使えなくなる可能性があります。しかし、現金は電力供給に依存せず、いつでもどこでも利用可能です。特に小銭は携帯しやすく、少量の買い物や自動販売機の利用など、様々な場面で役立ちます。概ね1週間程度、生活ができる(物資が購入できる)くらいの現金は必要です。
ネットワーク環境に左右されない
キャッシュレス決済は通信回線とサーバーに依存するため、ネットワークが不安定な状況下では利用が困難になります。災害時には通信回線が輻輳したり、サーバーがダウンする可能性があり、キャッシュレス決済が利用できないケースも考えられます。しかし、現金はネットワーク環境に左右されずいつでも利用できます。
物資不足時にバーター取引に利用できる
災害発生直後は物資の不足や物価高騰が発生することがあります。現金は物資不足の際に食料や水などの必需品と交換できる貴重な手段となります。特に小銭は少量の物々交換にも役立ち、助け合いの精神で地域社会を支えるうえで役割を果たします。
電池切れや故障に強い
スマートフォンやカードは電池切れや故障のリスクがあります。災害時には充電の機会が限られるため、これらの機器が使用できなくなる可能性があります。しかし、現金は電池切れや故障の影響を受けず、いつでも利用できます。
助けを求める手段としても有効
災害時には電話やインターネットが使えない状況下で、助けを求める手段が限られます。現金はタクシーやバスなどの交通機関を利用したりする際に、助けを求めるための重要な手段となります。
心理的な安心感を与える
災害時には不安やストレスが募り、精神的な支えが必要になります。現金を持ち合わせていることで、精神的な安定感をもたらし、冷静さを保つ助けになります。
災害対策の重要性を再認識させる
キャッシュレス化が進んでいる時代においても、災害時には現金が重要な役割を果たすことを認識することが重要です。日頃から現金の備えや災害への備えをしておくことで、いざという時に冷静に対処できるようになります。
まとめ
キャッシュレス化が進む時代においても、災害時に現金が重要な役割を果たすことを忘れてはいけません。現代社会では、キャッシュレス決済やインターネットバンキングなどが普及した事で、物を購入する、サービスを受けるためには、最速の方法であることは間違いありません。しかしそれは安全で正常な日常生活の上に成り立つことです。そのような通信による決済がない時代はすべて現金取引でした。現金は電力の供給状況やネットワーク環境に左右されず、物資不足時のバーター取引や助けを求める手段としても有効です。
昔からある言葉で “カネ”(現金)がモノを言う
という言葉があります。
お金が全てではありませんが、災害時・緊急時にはいくら銀行の預貯金やクレジットカードがあっても役には立ちません。すぐに助けを借りたい、今の状況から改善したいという時のための即効手段です。また精神的な安心感を与えるとともに、災害対策の重要性を再認識させる役割も担います。
日頃から現金の備えをしておくことで、災害に備え、安全な生活を送ることができます。
AUTHOR
RISE164
防災機器メーカー21年勤務。防災(消防・災害・防犯・危険物)に特化した専門知識を習得し、消防設備士他国家資格を取得。海外へも日本製防災機器を輸出販売を通じて、日本の安全の普及活動に努める。世界に向けて一人でも多くの尊い人命と貴重な財産を守るため、危機意識及び危険予測の重要性を訴えながら、防災のプロとして、どのようにすれば災害から人的・物損被害を予防できるかを提案している。
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