女性のための防災知識|いざという時のために常に持っておきたいアイテムとは?女性防災士が解説
災害はいつ、どこで起こるか分かりません。 特に女性は、生理用品や防犯対策など、特有のニーズに合わせた備えが必要です。 災害に備えて、「いざ」という時には何が必要になるのでしょうか。 また避難時の生活を少しでも快適にするためには、どのようなアイテムを準備しておくべきなのでしょうか。 この記事では、現役の女性防災士として活動している筆者が、女性のための防災グッズや知識について徹底解説し、いざという時に役立つアイテムを詳しく紹介します。
なぜ女性用の防災グッズが必要なの?
残念なことに、災害時の「女性への配慮」はまだまだ不十分であるのが現状です。
2024年8月時点で、日本防災士機構に認定登録されている防災士は全国で約29万人いますが、このうち男性が約23万人、女性は約6万人しかいません。
女性防災士の人数不足の理由から、避難所の開設や物資の支給に関しては男性が指揮をとることが多く、女性の困りごとが男性に理解されにくかったり、女性にとって必要な物資を十分に配分することが難しかったりすることもあります。
そのため、女性特有のニーズやプライバシー、安全を確保するには、個々の事前準備が重要となってくるのです。
具体的に何が必要?
女性用の防災グッズとして、具体的に必要なものと、その理由についてみていきましょう。
生理用品
女性の必需品のひとつに生理用ナプキンやタンポンが挙げられます。
災害時に買い占めが起こったり、避難所でもすぐ手に入らない可能性があるため、普段から十分な量を備えるようにしましょう。
最近は吸水ショーツや布ナプキン、経血カップを使用している人もいますが、災害時には飲み水でさえ貴重になるため、これらを洗うことが困難になることが予想されます。
さらには洗う手間や場所、そして衛生面を考えると、災害時は使い捨て出来るものの方が安心です。
替えの下着
清潔さを保つために、簡単に着替えられる下着が必要です。
エステで使用するような紙製の使い捨て下着も便利でしょう。
また、下着を洗うことができないこともあるので、おりものシートも用意しておくと下着を清潔に保ちやすくなります。
ウェットティッシュ
災害直後は手を洗ったり、入浴をしたりすることは難しくなります。
手や体を拭くためのアイテムとして、ウェットティッシュを用意しておきましょう。
子どものいる家庭では「赤ちゃんのおしりふき」を多めに準備して代用してもいいですね。
防犯ブザーや携帯ライト
災害時は防犯面での不安も高まります。
防犯ブザーや笛、明るい携帯ライトがあると安心です。
できればライトは両手のあくヘッドライトや首から下げられるものにしましょう。
また、災害時は1人で行動せず、女性同士でグループを作ったり、頼りになる男性と行動したりするのが安全です。
プライバシーを守るアイテム
大きめのバスタオルや目隠し用の布などがあると、避難所でのプライバシーを確保することができます。
筆者のおすすめは、腰回りがゴムでできたロングスカートです。
ロングスカートをラップタオルのように首元まで上げれて使用すれば、その中で着替えができますし、どうしても外でトイレをしなければならないときの目隠しにもなります。
また、すっぽりと被れば防寒対策にも使うことができる優れものです。
意外と汎用性が高いアイテムですので、薄手で畳んだらコンパクトになるものを用意しておくことをおすすめします。
災害ポーチを作ってみよう
災害時に必要なものを多く備蓄しておくことは大切ですが、普段からそのすべてを持ち歩くことはできません。
そこでコンパクトなポーチやボトルに最低限に必要なものを入れておくようにしましょう。
女性が災害ポーチに入れておきたい必需品は、次のものです。
●生理ナプキン
●笛
●替えの下着
●ウエットティッシュ
●携帯トイレ
●食べ物
●小銭
●ラップスカート(できれば)
このほかにも薬やコンタクトレンズなど、必要なものを追加してください。
普段車で動くことが多い人は、ポーチだけでなく、車のトランクにこれらの災害用品を多めに入れておくのもおすすめです。
まとめ
災害時の「女性の困りごと」がメディアでも取り上げられてはいるものの、なかなか改善が進んでいないのが現状です。
特に生理やプライバシーなど、災害時は女性にとって多くの問題が発生しやすくなります。
少しでもこのような問題を解消するためにも、普段から災害用品を準備して持ち歩くようにしましょう。
参照:日本防災士機構
AUTHOR
渡辺あい
県内最年少で防災士試験に合格した小学生の娘と共に「親子防災士」として活動。 地域の防災会に所属して、小学校での防災教室を開催するほか、防災グッズの監修も複数手掛ける。 「防災に年齢は関係ない」をスローガンに子どもでもわかりやすい防災の知識を届けられるよう、防災知識の普及に取り組んでいる。
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