「脱水症状で筋肉が痙攣」ミス・アメリカ優勝者が語る、舞台裏で起こっていたこと「私だけではない」

 「脱水症状で筋肉が痙攣」ミス・アメリカ優勝者が語る、舞台裏で起こっていたこと「私だけではない」
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長坂陽子
長坂陽子
2023-08-06

美の精鋭たちが集まるミス・コンテスト。しかしその裏側は美しくはないよう。アメリカの代表的ミス・コンテスト「ミス・アメリカ」の2013年の優勝者マロリー・ホーガンがケーブルテレビ「A&E」のプログラム「Secrets of Miss America(ミス・アメリカの秘密)」で内情を暴露している。

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ホーガン曰く「大会に出たとき舞台裏で下剤やカフェインの錠剤、ダイエットピルなど、おそらく一般に販売されるべきではないものを見た」。出場者たちがそういった薬に頼っていたと語る。さらに太って見えるのを恐れるあまり水すら摂取できなくなったことも「水着コンテストの24時間前から私は水を飲まなかった。だから筋肉が見えるほど脱水症状になった。そうなったのは私だけではない」。脱水症状になると筋肉が目に見えるほど痙攣することがあるそう。

ミスアメリカ
「ミス・アメリカ」2013年の優勝者マロリー・ホーガン。photo by Getty Images

この番組には2010年の優勝者、カレッサ・キャメロン・ジャクソンも出演、コンテストが彼女のボディイメージに与えた影響について語る。「わたしはずっと『ぽっちゃりしすぎ』と言われてきた。どう考えてもおかしいと思った。サイズ0から2(日本の7号から9号)でぽっちゃりしていると思われるなんて考えてもみなかった。真っ直ぐで棒のような体型が完璧な体型のようだった」「それは非現実的な基準。達成するのも維持するのも現実には無理だ」。

ミスアメリカ
「ミス・アメリカ」は1921年に始まった、アメリカ合衆国を代表するミス・コンテスト。1984年大会には、ヴァネッサ・ウィリアムスが優勝し、黒人初のミス・アメリカが誕生した。(写真は1947年開催時のもの)。Photo by Getty Images

2017年、ミス・アメリカを運営する理事たちのメールが流出、女性に対する性差別的な内容が含まれていて問題になった。ホーガンはこの番組が女性差別や人種差別、誤ったボディイメージなどコンテストにまつわる問題の解決に役立つことを望んでいると話す。

2人がコンテストに出場したのは10年以上前。当時に比べて今はルッキズムや女性差別を容認しない意識が高まりつつある。それに伴い外見だけでなく知性やボランティアへの取り組みなども併せて評価するコンテストも増えているが、やはりルックスの審査は欠かせない。そもそも今の時代にミスコンが必要なのか、必要ならばどのようなあり方が適切なのか、この番組をきっかけに改めて議論が始まりそうだ。

出典:Miss America Contestants Recall Disordered Eating, Drug Abuse Due to 'Unrealistic' Body Standards

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長坂陽子

長坂陽子

ライター&翻訳者。ハリウッド女優、シンガーからロイヤルファミリー、アメリカ政治界注目の女性政治家まで世界のセレブの動向を追う。女性をエンパワメントしてくれるセレブが特に好き。著書に「Be yourself あなたのままでいられる80の言葉」(メディアソフト)など。



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