【脚を強化するエクササイズ】転倒やケガを防ぐ強い脚・股関節・膝・足首のためのヨガ

 【脚を強化するエクササイズ】転倒やケガを防ぐ強い脚・股関節・膝・足首のためのヨガ

強い脚のために、これらの強化ストレッチを試してみよう。

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ウォーキング、ランニング、ハイキング、サイクリング、ただ立ち止まって風を浴びる。そう、夏は私たちを屋外に誘う。これらのアクティビティの共通点は何だろう?それは、脚の力が要求されるということだ。実際、レクリエーションや日常の活動の多くは、下肢の強さが必要となる。脚を露わにする夏のショートパンツや水着のために、見た目に健康的な脚であればいい、というわけではない。脚に求めるのは力強さだ。

脚を強化するエクササイズ

ここでは、大腿四頭筋、ハムストリングス、ふくらはぎ、すねの強化に焦点を当てたヨガのポーズを紹介する。股関節、膝、足首といった脚の関節は、脚の安定性にも関与しているため、それらを守る形で練習を行いたい。転倒やケガを防ぐために、強い脚を。

以下の立位のポーズの多くは、脚を頼りにして体重を支える必要がある。特に手を使わないバージョンは筋力の強化に役立つ。片脚立ちのポーズでは、片方の脚はストレッチしつつ、もう片方の脚は筋力を働かせるので、脚の収縮と伸張のバランスを取ることができる。 その結果、無駄のないしなやかな脚が、あなたを向かいたい場所へと導いてくれるだろう。

これらのポーズに取り掛かる前に、まずタダーサナ(山のポーズ)で立ち、足裏からしっかりと根を張ることでウォームアップを行う。つま先立ちを練習し、足首を強化し、バランス感覚を確かよう。

ウトゥカターサナ
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ウトゥカターサナ(椅子のポーズ)

椅子のポーズに入る前に、まず背骨を伸ばし、両脚を押し付け合って、長く、強い柱のようにする。そうすることでポーズの安定した力を感じられる。その後、膝を曲げた姿勢に入ると、今度は活性化した太ももの筋肉が、体を支えるのを感じることができる。両脚の間にブロックを挟み、内ももにある内転筋群を働かせよう。

1.タダーサナで立つ。吸う息で、上腕二頭筋が耳の少し前にくるように、両腕を頭上にあげる。両腕は平行のままにして手の平を内側に向けるか、もしくは両手を合わせる。 

2.吐く息で、膝を曲げて、太ももが床とできるだけ平行になるようにする。膝は足の先に突き出し、胴体は太ももの上で少し前傾し、胴体の前面が太ももの上部とおおよそ直角になるようにする。

3.内ももを平行に保ち、太ももの骨の頭をかかとに向かって押し下げる。

4.肩甲骨を背面に押し付けて安定させる。尾骨を床に向かって下ろしつつ、恥骨に向かって内側に向けると、腰の長さを保つことができる。

5.30秒から1分ほどホールドする。ポーズから出るときは、吸う息で膝を真っ直ぐにし、腕から強く持ち上げる。息を吐きながら、両腕を横に下ろし、タダーサナに入る。

バリエーション : 半分の椅子のポーズ(立位のフィギュア4)

このアーサナでは、片脚で体を支えることで、片方の大腿四頭筋が両脚分の働きをする。

・タダーサナで始める。膝を曲げて椅子のポーズに入る。
・左足に体重を移動させる。右足をゆっくり上げて、右足首を左膝の上の乗せ、くるぶしが左太ももの左側にくるようにし、すねが太ももと垂直になるようにする
・手は、腕を上に伸ばす、アンジャリムドラをする、腰に当てる、と選ぶことができる。腰は長く保つ。
・30秒、もしくはそれ以上ホールドする。ポーズから出るときは、吸う息で脚を真っ直ぐに伸ばし、右足を床に戻し、両腕を横に下ろし、タダーサナに入る。
・逆側も行う。

パールシュヴォッターナーサナ
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パールシュヴォッターナーサナ(ピラミッドポーズ / 側面を強く伸ばすポーズ)

このポーズは、ハムストリングスを伸ばしながら、太ももの前面を強化する。特に、マット上に両手を置かず、手で体重を支えていない場合は、脚に安定した強さが必要となる。

1.マットの前の方でタダーサナ(山のポーズ)から始める。両手を腰に当てる。

2.右足を60~120センチ後ろに踏み出す。両足のかかとを一直線上に並べ、後ろ足のつま先は30度〜45度くらい外に向ける。左の股関節を右足のかかとに向かって引き込む。股関節を正面に向け、両体側を長くする。

3.吸う息で、両腕を横に広げる。吐く息で、腕を内旋させ、肘を曲げて、背面で手の平を合わせる。これができない場合は、手を足の横、ブロックの上、もしくはすねに置く。

4.息を吸って、背骨を伸ばし、大腿四頭筋を強くする。息を吐いて、股関節から屈曲し前脚の太ももに向かって前屈を始める。

5.胸骨をへそから離し、鎖骨と鎖骨の間を広くし、体の前面の広がりと背面の長さを維持する。おでこをすねの方に預ける。

6.ポーズをホールドしながら、上腕の頭を床から遠ざけるように上、そして後ろに引く。

7.ポーズから出る時は、吸う息で脚の力を使って起き上がる。腕をほどき、両足を揃え、山のポーズに戻る。反対側も同様に行う。

ウッティターハスタパーダングシュターサナ
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ウッティターハスタパーダングシュターサナ(足の親指をつかんで伸ばすポーズ)

臀筋群から膝下、かかとにかけてストレッチを感じることができるポーズだ。持ち上げた脚を伸ばすと、さらに大腿四頭筋が鍛えられ、同時に脚の裏側もストレッチされる。

1.タダーサナから、母指球をマットに押し、骨盤を平行にし、両体側を伸ばす。

2.左膝が過伸展しないようにしながら、左脚を強くする。右膝を曲げ、右手の人差し指と中指で足の親指を掴む。右足を前に押し出す。

3.胸骨を持ち上げ、腰のカーブを少し取り戻す。右の腰が左の腰より高くならないよう注意する。

4.骨盤を前傾をさせると、ハムストリングスの働きが深まる。

5.右の股関節を左足に向かって下げるようにし、胴体を左右対称にする。

6.数呼吸から数分間ホールドする。吐く息を使って、左足の根付く感覚に意識を向け直す。ポーズをほどいて、反対側も同様に行う。

ヴルクシャーサナ
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ヴルクシャーサナ(木のポーズ)

このポーズは足首や足を含む、脚全体を1度で強化する。また、鼠蹊部や内もものストレッチにも働きかける。

1.タダーサナで立つ。足の指を開き、足裏でマットを押し、脚の筋肉に力を入れる。骨盤の上の方を肋骨の下部に向けて上げ、優しく下腹を持ち上げるようにする。

2.深く息を吸って胸を持ち上げ、吐く息で肩甲骨を引き下ろす。焦点を安定した何かに定め、まっすぐ前を見つめる。

3.両手を腰に当て、右足を高く上げ、左太もも、または左すねに置く。膝には当てないようにする。右足裏と左脚を互いに押し合うようにする。

4.骨盤が平行で、正面から見て四角になっていることを確認する。

5.安定を感じたら、両手を胸の前でアンジャリムドラにするか、太陽に向かって伸びる枝のように両腕を頭上に伸ばす。数呼吸ホールドした後、山のポーズに戻り、反対側も同様に行う。

ハイランジ
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ハイランジ

このポーズをホールドするためには両脚の連動が必要となる。曲げた脚の太ももは体を持ち上げる働きをし、後ろのハムストリングスはストレッチしている。後ろの膝の方へ下ろしていくようにすると、さらに脚にとってチャレンジングなポーズとなる。

1.タダーサナ(山のポーズ)から吸う息で左足をマットの後端に向かって踏み出し、足の指の付け根をマットにつける。

2.両腕を上に伸ばし、尾骨を床に向ける。右膝を曲げ、右膝が直角になるまで胴体を下ろす。

3.左の太ももを引き締め、天井に向かって押し上げ、左膝をまっすぐに保つ。左足のかかとを床に向かって伸ばす。

4.60秒、もしくはそれ以上ホールドする。 ポーズから出る時は、吐く息で右足を左足の横に戻す。反対側も同じように行う。

ウォーリアー3
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ヴィーラバドラーサナ III(戦士のポーズ3)

片脚立ちの戦士のポーズは、足首と膝、そしてふくらはぎと太ももを強化する。地面についている脚で体重を支えているが、後ろに伸ばしている脚も、持ち上げ、保持し、ストレッチしている。地面についている脚の足裏を根付かせ、その膝をロックしたり過伸展させないようにする。

1.右足が前のヴィーラバドラーサナⅠ(戦士のポーズ1)から始める。右足のかかとでしっかりと踏みしめ、腹筋を引き込み、引き上げる。

2.左脚を真っ直ぐ伸ばす。左内ももを天井に向け、左股関節の側面を前に倒し、後ろ足のつま先をターンさせて、後ろ足がニュートラルな状態になるようにする。

3.吸う息で背骨を伸ばす。吐く息で胴体を前傾させ、両腕を前に伸ばす。

4.前足に重心を移し、左脚が床と平行になるように持ち上げながら前傾する。上腕は耳を挟むように前に伸ばし、頭、胴体、骨盤、持ち上げた脚が一直線になるようにする。

5.右の股関節の側面に力を入れ、地面についている脚に安定を作る。

6.両腕、頭頂部、胸骨を前に伸ばしながら、左足のかかとで後ろに押し出す。下腹を引き締め、尾骨を左足のかかと方向へ向け、腰をサポートする。

7.60秒、もしくはそれ以上ホールドしたら、右膝を慎重に曲げ、左足を後ろに踏み出し、ヴィーラバドラーサナⅠに戻るか、左足を右足に揃えタダーサナに入る。反対側も同じように行う。

ウルドヴァプラサリータエーカパーダーサナ(スタンディングスプリット)

こちらも、強い脚を使って立つポーズとなる。スタンディングスプリットは、太ももやふくらはぎ、そして膝や足首の関節を強化する。持ち上げた脚の裏側は、股関節から足先まで強いストレッチが入る。持ち上げた足を遠くに伸ばすほど、地面についている脚の裏にストレッチがかかり、さらに両手で足首を持てば、体重が脚にかかる。

1.右足が前のヴィーラバドラーサナII(戦士Iのポーズ2)に入る。吸う息で、左腕を頭の上に回し上げ、左の肋骨に気持ちいいスペースを作る。

2.吐く息で、胴体を右にねじり、左足の指の付け根でターンしてかかとを床から浮かせる。そして前傾し、胴体の前側を右太ももに乗せ、両手を右足の両サイドにセットする。(手が床につきにくい場合は、両手の下にそれぞれブロックを置いてサポートする)。

3.両手を少し前に歩かせ、右足に重心を移す。次に、吸う息でゆっくり右脚を伸ばし、同時に左脚を床と平行に持ち上げる。

4.それぞれの脚の外旋と内旋の適切なバランスが重要となる。特に地面についている脚が要だ。股関節を床から遠ざけ、骨盤を右に向ける。骨盤の前面が床と平行になるように左太ももを内旋させる。

5.地面についている脚の膝に細心の注意を払う。太ももを外側に回旋させ膝を回し、膝頭が真っ直ぐ前を向くように意識する。

6.両脚を均等に力強くする。上げた脚は床と平行、もしくはそれより低くしてもよいし、少し高く持ち上げてみてもよい。脚が上がるのに伴って胴体が下がるのが理想的である。柔軟な場合は地面についている脚の裏を手で掴んでもよい。

7.30秒から1分ほどホールドする。その後、息を吐きながら上げた足を下ろし、反対側も同じ長さで繰り返す。

セツバンダーサナ
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セツバンダーサナ(橋のポーズ)

1.股関節屈筋群をストレッチし、可動性を高める。 臀筋群とハムストリングスを強化する。

2.マットの真ん中で仰向けになり、膝を曲げ、両太ももを平行、両足を平行にし、足と足は骨盤幅にする。

3.足をお尻に近づける。両足でしっかり押し、吸う息でお尻を上げ、おへそではなく、恥骨から持ち上る。

4.背中の下のマット上で両手を組む。鎖骨を広げ、肩の上の方に体重をかける。

5.すねの外側を強くし、太ももの上部を内に回す。かかとで押し、太ももを平行に保ちながら、太ももの裏側とお尻の下部をさらに高く持ち上げる。

6.ポーズから出る時は、吐く息で手をほどき、体を床に下ろす。胸のスペースを感じながら、背中をニュートラルな状態にする。

7.チャレンジングなバージョンにしたい場合は、右膝を胴体に向かって持ち上げ、吸う息で、お尻を持ち上げたまま右脚を床と垂直に伸ばす。 30秒ホールドし、吐く息で足を床に戻す。

ハヌマナーサナ
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ハヌマナーサナ(猿王のポーズ / スプリット)

脚を強化するポーズを全て終えたら、このポーズを練習しよう。ハヌマーン神にちなんで名付けられたこのポーズでは、両方の脚に全体的にストレッチを与えてくれる。能動的に行うことで、下半身を強化することもできる。

1.アドームカシュヴァーナーサナ(下向きの犬のポーズ)から始める。右足を両手の間に踏み入れ、つま先と手の指先が一直線上に並ぶようにする。左膝をマットに下ろし、足の甲を寝かせる。骨盤をマットの前方に向け、平行にする。

2.このアライメントを維持したまま、左膝の上に股関節がくるようにお尻を後ろに引き、右足を前に出して脚を伸ばす。股関節を左膝の上に保ち、真っ直ぐ前を向く。

3.右膝の両サイドに手の指を置き、ここでホールドする。右足のつま先を立て、母指球を押し出し、左足の親指から左脚を真っ直ぐ後ろに伸ばす。

4.右足を前にスライドさせ始めながら、右の股関節を引き込み続ける。

5.両脚が開いたら、お尻を腰から遠ざけるようにし、腹部を優しく引き締め、骨盤の前面の引き上げを作り出す。

6.右太ももの裏側と、左太ももの前側が床につくまで、骨盤を下げ続ける。後ろ脚の太ももが外旋しやすい人は、内ももを持ち上げ続ける。

7.尾骨を下げて肋骨の前側を柔らかくし、腕を耳に沿わせるようにして天井へ持ち上げる。

8.30秒間ホールドし、来た道を戻ってダウンドッグに戻る。反対側も同じように行う。

ヴィパリタカラニ
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ヴィパリタカラニ(壁に脚を上げるポーズ)

脚の強化に重点を置いたヨガセッションの後は、脚の重さから解放してくれるこのリストラティブポーズを味わおう。

1.左お尻を壁につけて床に座る。壁から体を離し、右を下に寝転ぶ。

2.仰向けになり、両足を壁に振り上げる。尾骨を壁側に移動させ、位置を調整する。尾骨が壁につかなくてもよい。

3.脚を壁に預けてリラックスさせる。両足を腰幅、または心地よいと感じる距離にする。 大腿骨が股関節に沈みこむのを感じるかもしれない。

4.手の平を上に向けて、腕を体側に置く。腕と肩の力を抜いて、楽なポジションを見つける。背骨が伸びるのを感じよう。

5.少なくとも10分はポーズと呼吸に身を委ねる。

ポーズから出る時は、膝を曲げて横に寝返りをする。数呼吸した後、腕の力を使ってゆっくりと体を起こし、座位に戻る。

教えてくれたのは・・・タマラ・Y・ジェフェリーズ

ライター、エディター、リサーチャー兼ヨガの指導者というキャリアを経て現在はヨガジャーナルのシニアエディターを務める。

ヨガジャーナルアメリカ版 / 「12 Yoga Poses for Strong Legs」

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by Tamara Y. Jeffries
photos by Andrew Clark
translation by HIDEMI

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ヨガジャーナルアメリカ版

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全米で発行部数35万部を超える世界No.1のヨガ&ライフスタイル誌。「ヨガの歴史と伝統に敬意を払い、最新の科学的知識に基づいた上質な記事を提供する」という理念のもと、1975年にサンフランシスコで創刊。以来一貫してヨガによる心身の健康と幸せな生き方を提案し続けている。



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