家族と笑って新年を迎えることがこんなにありがたくて嬉しいことだなんて【連載 #"生きる"を綴る】

 家族と笑って新年を迎えることがこんなにありがたくて嬉しいことだなんて【連載 #"生きる"を綴る】
Naoki Kanuka(2iD)
宮井典子
宮井典子
2023-01-12

ピラティスインストラクターの宮井典子さんは、全身性エリテマトーデス(SLE)患者としてメディアで啓蒙発信しながら、心地よい暮らしと働き方を模索しています。そんな宮井さんによるエッセイ連載『"生きる"を綴る』、今回は第8回目です。

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新しい年がはじまりました。

あけましておめでとうございます。

年が明けてから早いもので10日以上が過ぎ、あたらしい年を迎えたあの清々しさはすでに過去のものではありますが、みなさんはどんな一年のはじまりを過ごされましたか。

おそらく一年の中で、新年の目標や今年の抱負を掲げる人が一番多いはずの元旦。わたしはそんなことをすっかり忘れ、目の前に繰り広げられているお正月料理に目をうばわれ、去年の分を取り返すべく思い切り味わい尽くし、食べ尽くして過ごしました。

そして、「あれ?2023年の目標はなんだっけ?」ということにようやく気づいたのは、世の中がすでにお正月ではなく日常を取り戻した頃。

なんともうっかりな2023年のはじまりですが、今年は家族共に笑顔で新しい年を迎えられたことがうれしくてうれしくて、本当にありがたい。ただそれだけです。

今年は劇的な回復は望めなくても、病状が安定していれば全てマル、全てよしとしたいところです。

体調さえ安定していれば、いろんなことにチャレンジできるし、やってみたい意欲も湧き上がります。

今年も病気とうまく付き合うことが課題になりますが、"生きる"を綴るこちらのエッセイでは、当事者の視点で感じたこと、社会の疑問、わたしの日常を書いていきたいと思います。

・・・と、新年の挨拶からはじまった今年1回目のエッセイでは、お正月気分でうっかり忘れてしまった今年の目標、抱負についてお話ししたいと思います。

みなさんの目標、抱負はなんですか?(良かったらSNSやこの記事のコメント欄に書き込んで教えてください)

わたしはあれも、これもやりたい気持ちがあるものの、新年早々風邪をひいてダウンしてしまい、昨年の悪夢が蘇って「あーーーやりたいことがあってもこうなっちゃうと何ひとつできないじゃん」と珍しく弱音を吐いてしまいました。

持病があるわたしにとって、風邪は大敵。病状が悪化する可能性もあってとても敏感になっています。

病気をコントロールし、治療をしながら好きなことを仕事にしていくことの難しさを身に染みて感じたという具合です。

ホントに人生は思い通りに行かないものですね。

そんな新年早々ツイていないわたしに、お世話になってる方がこんなメッセージをくださいました。

"今年は、新年早々体調を崩す人も多いけれど、焦らずゆっくり、むしろスロースタートの方が吉らしいですよ。ある意味、ラッキーです!"

このメッセージに救われたわたしは、再び思い立ち今年の目標、抱負、やってみたいことをベッドの上で掲げます。

《仕事編》
①書く仕事を増やす
②ラジオ出演
③取材申し込みを増やす
④音声メディアで配信する
⑤インストラクター復帰
⑥ぼる塾田辺さんに会う
⑦イベントやセミナー登壇

このエッセイを通して、書くことの楽しさを再確認してるところです。

連載を書き始めた2021年4月は、体力も気力もほとんどなくて、今ほど意欲も持てなかった頃。

それが、エッセイを書くというミッションができたおかげで、日々の生活にハリがでて、生きる励みがもてたのです。今となっては読んでくださる方の反応もあって、本当に楽しい。

なので、もう少し書く仕事を増やしてみたいなと思ってるところです。

今年は文字、言葉、声で伝えることを仕事にしていきたい!

そして入院中、療養中に励まされたぼる塾田辺さんにもお仕事で会ってみたい。欲を言えば対談してみたい。そんな夢のようなことも新年だからこそ笑って許してもらえますね。

《プライベート編》
①家族と旅行にいく
② 娘と女子旅
③ウォーキングとジョグ再開
④ 月に5冊本を読む
⑤会いたい人に会う
⑥ 週1回のカフェ通い
⑦英会話をはじめる

コロナになって、これまで当たり前にしていたカフェ通いも会いたい人に会うことも今となっては特別なことになりました。いろんなことを考えてやめてしまったり、世の中が落ち着くのを待ってみたり、それでもなかなか思うほど変わりません。待ってる間に月日は流れ、わたし達もその分年を重ねて老いてくわけで、ずっと待っててもその日は来ないかもしれない。

だから今年は会いたい人に会い、趣味であるカフェに週1回通って、インスピレーションに磨きをかけたい!なんてカッコつけていますが、コーヒーの香りの中で過ごす時間は、お家で過ごす時間とは全く違う次元のもので、リラクゼーション効果をもたらしてくれる、わたしにとって癒しの空間。

そんなプライベートを充実させるためにも仕事を充実させ、さらには微々たる活動を社会に還元したいと思ってます。

最後に、エッセイを読んでくださった方々が「 SLEを知るきっかけになった」「膠原病も難病も決して他人事じゃないんだよね」と関心をもってくださったことを知ると、心からやってて良かったと思います。

いち当事者としての立場では、病気に関することや薬に関するお役立ち情報はつぶやけませんし、インフルエンサーのような発信力や影響力もないですし、バズるネタも残念ながら持っていませんが、2023年も"わたしだから"伝えられることを自分の言葉で伝えていき、『治療をしながら生きる難病患者のひとりとして』また『治療をしながら働き続けるひとり』として、活動できる場をもっともっと増やしていきたいと思っています。

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Photo by Naoki Kanuka(2iD)

AUTHOR

宮井典子

宮井典子

SLE Activistとして活動。37歳のときに膠原病予備軍と診断される。38歳で結婚し、39歳で妊娠、出産。産後4カ月で仕事復帰し、ピラティスのインストラクターとして精力的に活動。46歳のときにSLE、シェーグレン症候群を発症。現在は、誰もが生きやすい社会を目指してSNSを中心に当事者の声を発信。



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