「まぁね~」は世界を救う!ぼる塾・田辺さんに聞く「自分にも他人にも優しい生き方」
独特のマイペースな雰囲気が人気のお笑いカルテット、ぼる塾のメンバー田辺智加さん。持ちネタでもある「まぁね~」というフレーズは、その場の空気を壊さない不思議なパワーを持っているように感じます。多趣味で推し活にも積極的。毎日が楽しそうな田辺さんに、学生時代のエピソードや「まぁね~」が生まれた経緯、人間関係における考え方などお話をお伺いしました。
好きなものができて性格も変わっていった
――スイーツ本の出版など、好きなものがお仕事に繋がっている田辺さん。多趣味であることは人間関係にも影響がありそうですね。
田辺さん:この仕事をしていると全く違うジャンルの方と「はじめまして」で、一緒に番組を作っていかなくちゃいけないので、そういうときに“好きなもの”の話題はすごく役に立ちますね。何か1つ、きっかけがあると仲良くなれるというか。私、初対面の方には空き時間に絶対、好きな食べものを聞くんです。アイドルの子に「フライドポテトが好き」と言われたりすると「揚げ物か!意外!」ってなったりして。些細なきっかけの共通点を見つけるのは大事だなと、ここ最近より強く思うようになりました。
――好きなものから話題を広げていく、という会話のきっかけ作りは昔からですか。
田辺さん:中学生くらいかなぁ。私、小学生のときは本当におとなしくて。そもそも興味のあるものがなかったんですよね。人の趣味にも否定的でしたし。小学生のときの友だちがアイドル好きだったんですけど、一緒に歌番組を見ていても「こんなチャラチャラした男のどこがいいの?」って(笑)。
――今の田辺さんからは考えられないですね。
田辺さん:そうなんですよ。小さいころは、仲の良い友だちというよりも席が近かったから一緒にいる、という感覚でした。でも、中学生になってだんだんと私にも興味のあるもの、好きなものができてきて。そこからですね。好きなものを見つけてから、自分の性格が変わっていったような気がします。
面倒なことや嫌なことからは逃げた方がいい
――ちなみに最初に好きになったのは?
田辺さん:井ノ原(快彦)さんですね。当時、自分が好きだった人に似てると思ったのがきっかけで、そこから気になり始めて。ちょうど岡田(准一)さんを好きだった子がいて、それで仲良くなって一緒に原宿に行くようになりました。好きなものができてから、行動力も身に付いた気がします。
振り返ると、好きなものがなかったころって、何を話していいのか分からなかったんですよね。話すことがなくて「一体、みんな何の話をしているんだろう」って思っていました。でも、やみくもに好きなものの話をするわけでもなくて。自分の好きなものを否定されるのはめちゃくちゃ悲しいから、それをちゃんと肯定してくれる人と友だちになっていました。
昔から私、無理した人づきあいはしないんです。やっぱり、一緒にいて楽しいと思える子といたい。それは学生時代から変わらないですね。たまに面倒なことに巻き込まれることもありましたけど(笑)。
――面倒なことになりそうだな、というときはどう対処されていたんですか。
田辺さん:いろんなところに友だちを作っておきました。学生時代は毎日渋谷に行っていたんですけど、自然といろんな友だちができて。今思うとすごく不思議なんですけど、本当に自然と友だちができたんですよね。それで、学校以外でもグループをたくさん作っていた感じです。
ずっと同じ、1つのグループに固執しちゃう人もいるじゃないですか。学校でも、会社でも、1つに固執しない方がいいのかなと思いますね。嫌なものからは逃げた方がいい。我慢することも必要かもしれないけど、限界が来る前に逃げるべき。私はいつも面倒くさいことからは逃げるようにしています!
「まぁね~」は大きな変化をくれた言葉
――田辺さんの「まぁね~」は、相手の言葉を過度に肯定もせず、かといって自分を卑下しすぎない。誰のことも嫌な気持ちにさせない言葉だなと感じています。生まれたきっかけを改めてお伺いできますか。
田辺さん:「まぁね~」は、酒寄(希望)さんが生んでくれたものなんです。ネタ作りで「褒められたら、どう返す?」というところから、酒寄さんが「『まぁね~』は?」って。そのマインドは、もともと私にはなかったものだったから「『まぁね~』でいいの?」って最初言った記憶があります。褒められても当時は「そんなことないよ」しか出てこなかったですから。
――今まで「そんなことないよ」と返していたところを「まぁね~」と言えるようになったことで、変化はありましたか。
田辺さん:だいぶあったかもしれないですね。NSCのときは、周りが怖かったんです。私はお笑いがすごく好きで入ったわけじゃなかったから、劣等感があったんですよね。それにプラスして、最初はやっぱりネタを書いている方、書いてない方というのもあって。「田辺は何もできないもんな」ってずっと言われていたんですよ。「面白いのは酒寄で、田辺は何もできない」って。それに対して「何なの、この人たち!」と思いながらも、心のどこかで「私なんか、そうだよね」と感じていたところもあって。
でも、酒寄さんが「田辺さんは面白いよ」とずっと言ってくれていたんですよね。そこから生まれた「まぁね~」だったから、それは自分にとって大きな言葉になりました。
酒寄さんという理解者に出会えたことが自分の強み
――大人になると、そういう友人、理解者を見つけるのって難しいですよね。
田辺さん:そうなんですよね。だから、私はそこで酒寄さんに出会えた、というのが強みだと思います。
――当時、そういう友人が欲しいなという気持ちってありました?
田辺さん:いや、全くなかったですね。出会いたい、見つけたいと思って出会えるものじゃないと思いますし。でも、とにかくたくさん話したことがよかったのかな。私たちは本当に隠しごとなく……多少はありますけど(笑)。思ったことや感じたこと、何があったか。仕事のあるなしに関係なく毎日会って話してたんです。そのなかで面白いものを見つけていった感じですね。共通点じゃないですけど、お互いに「この人、面白いな、好きだな」という部分を見つけていったような。
それまで、私は自分の気持ちを言葉にするのが苦手だったんですけど、酒寄さんはそれをちゃんと聞いて、くみとってくれたんですよね。「コンビを組まない?」と誘ってくれたとき、この人に私のことを知ってほしいと思って、自分がどんな人が年表を書いて渡したんですけど、それに対して酒寄さんが応えてくれたというのが大きかったのかもしれません。せっかく歩み寄ってくれてきたんだから、自分もその気持ちに返したいとも思ったし。やっぱりとにかくたくさん話すこと。それが、人間関係には大事なのかなと感じています。
*インタビュー後編に続きます!
プロフィール:田辺智加さん(ぼる塾)
1983年生まれ。千葉県出身。お笑いカルテット「ぼる塾」のメンバー。twitterアカウント@chi0314ka
*「ぼる塾初5大都市ツアー~オードブル~」開催決定。
【出演】ぼる塾 ※酒寄の出演は東京公演のみを予定
【日程】5月27日(金)東京(ルミネtheよしもと)18:30開場/19:00開演/20:30終演
【会場チケット】前売り3,000円、当日3,500円
【オンラインチケット】 2,000円
【チケット発売スケジュール】一般・オンライン発売:3月12日(土)10:00~
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く