【デスクワーカー必見】座り過ぎて腰がガチガチなら絶対これ!座り続けた日のストレッチケア11選
パソコンから離れよう。
私たちの多くがパソコンに向かい、一日を座って過ごす。ヨガの先生が、常時、股関節の硬さや背中の痛みを訴える生徒を耳にする理由も、それである可能性がとても高いだろう。何時間も座っていると、股関節と膝は曲がった状態が続く。さらに肩を丸め、スクリーンに前のめりになった場合は、肩甲骨が背骨から離れ、背骨が曲がった状態が長くなり、時と共に痛みや悪い姿勢の原因となる。また、長時間座っていることは、股関節だけでなく、腰にも大きな負担がかかる。
ヨガスートラ2.46「Sthira Sukha Asanam」は、座位に安定と安らぎを見出すことについて言及している。これは瞑想中の姿勢に適用することを目的としているが、生活のあらゆる場面において、何かを体験する際の在り方にも当てはまると私は考える。最も頻繁に行う姿勢に安らぎと安定感を作り出すことができれば、私たちの体と心のバランスに、より一定な感覚を確立くれるのではないだろうか。
この「座り続けた1日のためのヨガ」は、デスクワークによる身体的影響を改善するためにデザインされている。だがより深いレベルでは、この練習により、日常のあらゆる姿勢へのアプローチに、安定と緩和をもたらすこともできる。ヨガは、練習中の動きだけでなく、それをはるかに超えたところにあるのだ。私はこのことを日々、自分に言い聞かせている。
座り続けた1日のためのヨガ 11のヨガのポーズ
一日のほとんどをデスクで過ごしている?それなら以下のポーズはあなたのためのものだ。それぞれのポーズをとりながら、自分のコンフォートゾーンから外れた時に、ターゲットとなる体の部位がどのように反応するかに意識を向けよう。不快に感じる時は、まず安定した穏やかな呼吸を保ち、必要であればポーズの強度を弱めるか、ポーズから出よう。
最初のポーズに入る前に、楽に座り、仕事中の出来事から意識的に自分をオフラインにする時間を作る。目を閉じ、数往復ゆっくりと深呼吸を繰り返し、心をリセットする。
四つん這いで行う手首のストレッチ
なぜいいの?:私たちの多くはテクノロジーに縛られ、前腕や手首に負担がかかっている。四つん這いのこのバリエーションは、1日タイピングしていた前腕や手首をほどいてくれる。
手順:四つん這いになり、両手を裏返して手の平を上に向け、指先が膝の方向に向くようにする。手首は肩の下に、股関節は膝の上にくるように保つ。手首への圧が強すぎる場合は、手首の角度を緩めるために、体重をもう少し後ろにかけ、膝に乗せる。心地よければ、ゆっくりと前後に揺れるか、キャット&カウの動作を数回行う。この状態で5~10回呼吸する。気をつけながら、体を少し後ろに傾け、手の平をマットにつけ直す。
ヴァシシュターサナのバリエーション(サイドプランクまたはゲートポーズの軽減バージョン)
なぜいいの?:このポーズは、座っているときに圧迫されがちな体側を伸ばす素晴らしい方法だ。胴体の側面には呼吸を助ける肋間筋がある。練習の始めに、マットの上で深く呼吸をするためのスペースを作ろう。
手順:四つん這いから、右足をマット後方に伸ばし、かかとを下ろし足裏全体をマットに着け、足のへりがマットの短編と平行になるようにする。左膝でターンし、左足が左膝の真後ろにくるようにし、すねをマットの短編と平行にする。右腕を頭上に伸ばす。右半身にたっぷり息を吸い入れる。5~10回呼吸ホールドする。四つん這いに戻り、左右を入れ替える。
アドームカシュヴァーナーサナ(ダウンドッグ)
なぜいいの?:このベーシックなポーズは、ハムストリングスとふくらはぎをストレッチし、また上半身の強さを養うのにも役立つ。逆転になることで、座りっぱなしだった1日には必須となる血行改善にも働きかけてくれる。
手順:四つん這いから、お尻を持ち上げダウンドッグに入る。始めは膝を少し曲げる。そうすることで脚の裏側ではなく、背中を伸ばすことに意識が向けられる。手の指を大きく広げ、体重を均等に両手に分散させる。腕の内側を上に向け、肩の力を抜く。肋骨を背中側に引き込み、座骨を空に向けて持ち上げる。尾骨を恥骨に向かって重くし、腰が反らないようにする。膝を少し曲げて、太ももの骨を後ろの壁方向に押す。足の指を大きく開き、手と足に体重を均等に分散させせる。視線を柔らかくし、上腕と耳が並ぶように頭を下げる。5~10回、途切れることなく、体の背面の端から端まで行き渡るよう、呼吸を送る。
アンジャネーヤーサナ(バッタのポーズの手をしたローランジ)
どうしていいの?:ランジでは、後ろ脚の股関節は伸展する。これは長時間の座位で屈曲し続ける股関節を、それと逆の状態にする素晴らしい方法だ。そしてこの腕のバリエーションは、胸と背中の上部を開く。
手順:ダウンドッグから、右足を両手の間に踏み出す。十分前方に足をスライドさせ、足首が膝の下にくるようにする。左膝を下ろし、足の甲を寝かせる。ゆっくり息を吸い、腕を頭上に上げ、吐く息で体側に垂らす。右手の親指を上にして、背中の後ろで手を組む。両手が触れにくい場合は、ストラップやスカーフ、タオルなどで隙間を埋めるようにする。安定させるため、両足をマットに押し下げる。吸う息で胸の上部を持ち上げながら、拳を後ろ脚の方へ引き下ろす。吐く息はこの状態でホールドし、左の股関節と胸の上部が開く感覚に意識を向ける。目頭と目尻をやわらかく保ち、チャレンジングな中でも穏やかさを作り出す。
ポーズから出るときは、両手をほどき、吸う息で両腕を頭上に上げる。吐く息で、両手をマットに戻し、前足を引き、ダウンドッグに戻る。左側も同じように行う。
カクタスアームズハイランジ
なぜいいの?: このランジはより強化されたバージョンで、さらに股関節屈筋群もストレッチする。腕のバリエーションは、肩を開き、前かがみの一日の後に、胸をリリースするためのまた違った後屈となる。
手順:前回のポーズと同様に、ダウンドッグから、右足を両手の間に踏み出す。前脚の足首が膝の下に位置するように注意し、後ろの膝は持ち上げたままにしておく。息を吸いながら、両腕を頭上に上げる。息を吐きながら、肘を90度に曲げる。恥骨を前に出し、下腹部の筋肉を使えるように、後ろの膝を少し柔らかくできるよう時間をとる。下腹部の力と、腰に作った長さをキープしながら、後ろの脚をどれだけでもよいので伸ばす。胸を持ち上げ、胸が背面の支えに落ちていくイメージで後ろに倒れる。5~10回ほど、ポーズの中に穏やかに呼吸を送る。
ポーズから出るときは、吸う息で両腕を上に伸ばす。吐く息で、両手をマットに戻し前足を引き、ダウンドッグに戻る。反対側も繰り返すか、次のヴィーラバッドラーサナII(戦士のポーズII)に入る。
ヴィーラバッドラーサナⅡ(ウォーリアーⅡ)
なぜいいの?:ウォーリアーIIは、股下を開くだけでなく、大腿四頭筋、背中、腕を強化する重要な基礎的ポーズだ。さらに、前脚の外旋は股関節の可動性と柔軟性を高めてくれる。
手順:マットの長辺を向いて立ち、足はマットの短辺と平行になるようにする。両腕を横にまっすぐ伸ばし、手の平を地面に向ける。右の足指をターンさせ前方に向け、右膝を曲げる。右膝を足首の上に位置させる。左足のつま先を15度内に向け、足の外へりでマットを押す。この小さな調整が、ポーズの土台となる安定性を生み出すことに気付こう。尾骨を下にスライドさせ、体側から引き上げを作る。肩を股関節の上に重ね、両腕を意識的に反対の方向に伸ばす。視線を柔らかく前に持っていき、右手の人差し指の向こうにやる。息を吸って胸を広げ、吐く息はこの形でホールドする。
肩の開きを加えるには、親指を下向きにし、背中の後ろに手を持ってくる。反対側の肘(どちらの腕が上にあるか覚えておく)をつかむか、背中で合掌する。デスクに座っている時のように、肩が前のめりになっていないか注意する。もしなっている場合は、合掌の両手を少し離すか、肘同士を離し、肩にもう少しスペースを与える。肩甲骨が背中で密着するのを感じ、前に丸まる感覚と逆の状態にする。意識を穏やかに呼吸に戻し、5~10呼吸繰り返す。
吸う息で、前の足をまっすぐ伸ばし、両腕を頭上に伸ばす。吐く息で、左側もこの形を繰り返し、反対の肘をつかむ場合は上になる腕を入れ替える。左右が終わったら、ダウンドッグに戻る。
シャラバーサナ(バッタのポーズ)
なぜいいの?:このポーズは、体の背面全体に沿った強さと安定性を作り出すためにとても重要だ。椅子に座っているの逆の状態となり、一日中忘れ去られていた筋肉を強化するのに役立つ。"sthria sukha"(スティラスカ。安定した快適な姿勢。)を練習に入れるためには、自分で選んだ動きによって体の平衡感覚を作り出し、そしてまた取り戻さなければならない。そのために後屈は必須なのだ。
手順:ダウンドッグから、プランクに移行し、体をマットに下ろし腹ばいになる。両手は肩の下に置く。吸う息で、頭、胸、手、足を持ち上げる。吐く息で、両腕を後ろに伸ばし、お尻の上で手を組む。手がうまくつながらない場合は、ストラップやスカーフ、タオルなどで隙間を埋めるか、腕を体側に沿わせるようにする。恥骨をマットにつけたまま、つま先をポイントし、太ももを持ち上げる。胸を上、前方へと持ち上げ、背面にスペースを感じるようにする。首が背骨の自然な延長線上にあるように、柔らかい視線をマットから30cmほど前に保つ。ここで5~10回ほどゆったりと呼吸する。息を吐きながら手をほどき、額とつま先をマットに下ろす。
ウシュトラーサナ(ラクダのポーズ)
なぜいいの?:このポーズは、一日中デスクに座っている際の典型的な状態と逆の姿勢にしてくれる。それだけでなく、日常の中でストレスがかかる場面において、穏やかさを見出す練習にもなる。マットの上でのチャレンジングな場面で、穏やかさと安定感をもって呼吸をする練習を重ねると、このツールはマットを離れた私たちの日常生活の中にも浸透するようになるのだ。ウシュトラーサナは、多くの人にとって難しいポーズとなる。後屈は、よく「戦うか逃げるか」の防衛システムとして説明される交感神経系を刺激する。そのため、ウシュトラーサナのようなポーズでは不安を感じる人が多い。しかし、安定した呼吸と視線を保つことは、実際にはその逆で、副交感神経(「休息と消化」と考えられる)を活性化するのだ。
手順:膝立ちになり、振り返り、足とお尻が一直線上に並んでいるか確認する。膝が股関節の下にあることを確認する。両手を腰に当て、指先を下に向ける。体を開くためのスペースを作るようなイメージで、両手で腰の皮膚を下に滑らせる。
ポーズから出た時に見定めるための、目の高さにある安定したものをひとつ選ぶ。息を吸って胸を持ち上げ、吐く息で止まり、地面との安定したつながりを感じ取る。両手は腰に当てたままでもよい。または、股関節と膝が直線上に並ぶように意識しながら、かかとに手を伸ばす。胴体の側面から持ち上げを作り、胸が上がっていく感覚を作り出す。視線と呼吸を確認し、両者にスティラスカの感覚をもたらす。ここで5~10回呼吸を繰り返す。
ポーズから出る時は、両手を腰に戻し、息を吸いながら上体を持ち上げる。お尻をかかとに下ろし、手の平を太ももに預け、事前に選んだ目の前にある安定した一点をそっと見つめる。穏やかに吸い、安定して吐く。ダウンドッグに入り、5呼吸、背面を伸ばすことに集中する。
マラーサナのバリエーション(サポートのあるブリッジ)
なぜいいの?:このポーズは、股関節が外旋し、デスクワークで座っている時と逆の姿勢になる。また、腕を縛ることで、背骨の回旋と、肩甲骨が背骨に寄る動きを促し、スクリーンに向かって猫背になる典型的な状態の逆となる。
手順:ダウンドッグから、膝の柔らかさを保ちながら、足を手元まで歩かせる。両足をマット幅に開き、つま先を外側に向ける。吸う息で背骨を前に伸ばし、吐く息で腰を下げてスクワットの姿勢になる。座骨の下にブロックを1つか2つ重ねサポートにしてもよい。かかとを地面につけておくのが難しい場合は、さらに両足の距離を離してみる。
右足の前にブロックを置き、右手をブロックに添える。息を吸い、左腕を上に上げて左横に伸ばす。吐く息で、左前腕を背中の後ろに持ってくる。このバリエーションで左肩が前のめりに丸まる場合は、合掌に代え、肘を内ももに当てて背中にスペースを作る。ツイストのバリエーションを選ぶ場合は、深く穏やかに5~10呼吸し、左右を入れ替える。
股関節を休めたいときは、左右の間に短い立位前屈をとる。左右終わったら、腰を持ち上げ、足が股関節の下にくるように移動させ、膝を柔らかくし、受動的な前屈を行う。頭蓋骨の底面をぶら下げるようにし、呼吸に穏やかに今この瞬間に導いてもらう。
パスチモッターナーサナ(座位の前屈)
なぜいいの?:アクティブな前屈は、脚の筋肉の裏側に長さを生み出す。これらは通常、膝を曲げて椅子に座っている時には収縮している。さらに、このバリエーションでは、前傾姿勢の弛緩と逆の状態にするために、背骨を伸ばしながら背中の筋肉を使うようにする。
手順:脚を前に伸ばしてマットに座る。脚を伸ばすのが難しい場合は、膝を少し曲げておくか、お尻の下にブロックや折りたたんだブランケットを敷いてみる。息を吸いながら両腕を頭上に伸ばし、息を吐きながら前に倒れ、足の方へ伸ばす。前屈の深さには関わらず、背中は丸めず、背面を長くする感覚を保つことに重点を置く。足に手が届きにくい場合は、両手をすねに預けてもよい。座骨を後ろに、太ももの骨をハムストリングスに向かって下に押す。顔の筋肉をゆるめ、肩を体の背面に預けるようにし、5~10回ほど呼吸をする。息を吸いながら、ゆっくりと起き上がる。
ヴィパリタカラニ(壁に脚を上げるポーズ)
なぜいいの?:このポーズは長い一日を締めくくるのに最適なポーズとしてたくさんの理由がある。体にも心にも穏やかさとリラックスをもたらすだけでなく、長い間じっと座っていた一日の終わりに血行を促進してくれる。
手順:折りたたんだブランケットか低いボルスターを壁から約10cm離して置く。ブランケットまたはボルスターの上に座り、片方のお尻を壁につける。肩を床に下ろしながら、両脚をゆっくりと壁に振り上げる。坐骨がブランケットから離れるように、お尻をできるだけ壁に近づける。ボルスターやブランケットは、肩甲骨の下端と仙骨の間に置くとよい。ハムストリングスが緊張するようであれば、膝を少し曲げて、体を壁から少し離す。胸には広がりと膨らみを感じ、呼吸がしやすくなるはずだ。安定した地面が体の下にある感覚を味わう。肩、背中、脚に、息と共に穏やかさを送り込む。3〜5分間この状態で休む。
教えてくれたのは…ニーティ・ナルラ
ニーティ・ナルラは、様々な流派のヨガからインスピレーションを受け、ニューヨークでヨガと瞑想を指導している。アライメントをベースに、テーマに沿ったダルマやヨガ哲学を取り入れたクラスを教えることで知られている。ニーティは、マットの上での動き方と呼吸が、人生における動き方と呼吸を形成すると信じている。彼女のクラスはModo Yoga NYCで受けることができる。 ニーティについてもっと知りたい方は、彼女のインスタグラム@neeti.narulaをチェックしてみよう。
ヨガジャーナルアメリカ版 / 「The Absolute Best Yoga Poses to Practice After Sitting All Day」
AUTHOR
ヨガジャーナルアメリカ版
全米で発行部数35万部を超える世界No.1のヨガ&ライフスタイル誌。「ヨガの歴史と伝統に敬意を払い、最新の科学的知識に基づいた上質な記事を提供する」という理念のもと、1975年にサンフランシスコで創刊。以来一貫してヨガによる心身の健康と幸せな生き方を提案し続けている。
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