ふとした瞬間に腰を痛めがち…なぜ?腰痛の予防法&硬くなりがちな骨盤まわりを伸ばすストレッチ
「朝、顔を洗おうと前屈みになったとき」「歯磨きで口をゆすごうとしたら…」腰が痛くて起き上がれない。そんな経験はありませんか?無意識に体を前に倒すことにより、背中を丸めて上半身の重さを腰に預けてしまい、腰が痛くなるのです。身体を前に倒す動きをする時には、使う場所を意識することが重要です。その上で骨盤まわりの筋肉をストレッチするヨガポーズがあります。日常生活に、しっかりと活かせる動きをしてみましょう!
腰の骨の形状上得意な動きとは
背骨は首の骨(頸椎)、胸の骨(胸椎)、腰の骨(腰椎)、仙骨鼻骨に分かれています。そして、その場所ごとに形状が異なり、得意な動きがあります。
腰の骨(腰椎)は、上の骨と下の骨の繋ぎ目の部分が縦方向に平らに当たっているので、他の背骨よりも前後に倒れる動きが得意です。
そのため、日常生活で身体を前に倒すときに意識をしないと、腰まわりの筋肉を前後に動かしすぎてしまい、椎間板を酷使することになりやすいです。
身体を前に倒す動作には、腸腰筋群(大腰筋、小腰筋と腸骨筋)と大腿直筋という筋肉が使われます。大腰筋は胸椎の一番下と腰椎横から始まり、腿の骨の小転子という場所までついています。腰椎は形状で前後に倒れやすい形をしている上に、背中を脚の方へ近づける時、この腸腰筋に引っ張られます。加齢により縮みがちな大腰筋に引っ張られることにより、腰椎はどんどん丸く前に倒れやすくなっていくのです。
そして、腰をまるめる動作を繰り返すことにより、腰まわりの筋肉、骨盤まわりの筋肉が過緊張を起こしてしまいがちです。
日常生活ではものを拾う、顔を洗う、食事を作る、食器を洗うなど、身体を前に倒す動きが多くあります。
前後に丸くなりやすい腰椎を痛めないためにはどうしたら良いでしょうか?
それには、日常生活の動き(洗顔や歯磨き、食器洗い時)をする時に、背骨まわりのアウターマッスル、脊柱起立筋を意識して使い、背骨の本来あるべきS字カーブを守ったまま動くことにより、腰椎に無理をさせないことが重要となります。
背中を真っ直ぐにする意識を持ち、脚の付け根から身体を前後に倒す。この動きを身体に覚えさせるのに、とても良いヨガのポーズがあります!
足幅を広げ、背中を伸ばす立位の開脚前屈(プラサリータパドッターサナ)
開脚により足幅を広げると、支える場所(支持基底面)が広がります。また、腿裏の筋肉に引っ張られることが少なくなります。それでもまだ腿裏が痛い場合は、膝を丸めて行いましょう。
まずは紐、もしくはタオルを使って練習してみましょう。
やり方:
脚の付け根に紐やタオルを付けてたちます。足幅を広めにとります。(膝は曲げて大丈夫。)
紐で後ろに引っ張りながら、まっすぐな背中をキープして、前に倒れます。(膝は痛くなるまで張らず、曲げて大丈夫。)
次に、紐なしで前に倒れる練習をしましょう。
脚の付け根に手を置いて、肘同士を背中側で寄せる動きをします。
手をお腹と腿で挟む様に、身体を前に倒していきます。背中はまっすぐのままで。
開脚前屈ツイスト(パルブリッタプラサリータパドッターサナ)
その位置から固くなりがちな骨盤まわりの筋肉もストレッチしていきます。
背中を真っ直ぐのまま前に倒し、床に片手をつきます。膝は曲げて大丈夫。
もう一方の手はその位置のまま、ツイストをしていきます。お尻の左右の高さを変えない様にしましょう。手を当てている側と反対側のお尻の横の筋肉が伸びていることを感じていきます。
普段の生活の中で身体を前に倒す際にも、足幅を少し開いて膝を少しゆるめ、「背中を脚の付け根からまっすぐにしたまま前に倒す」。そして腰回りのストレッチ。このポーズを繰り返すことにより、毎日の生活で突然の腰痛に悩まされることが減るはずです。
動画はこちらから↓
AUTHOR
後藤江里
ヨガインストラクター・ヨガトレーナー。子育て中にひどいぎっくり腰とパニック障害を経験し「身体が辛いと心も辛い」ことを実感、39歳で心身を整える為にヨガを始め、その後指導者資格を取得。スタジオ対面、オンライン、パーソナル、出張ヨガでヨガを指導している。RYT-500、アナトミック骨盤ヨガ(R)、シニアヨガ、キッズヨガ等、資格多数。プライベートでは、18歳・16歳男子の母。
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