このバンダを習うとき、程度の差はあれ、骨盤底の会陰筋を引き締めるように指導されるが、必ず熟達した指導者のもとで行うこと。ここではムーラ・バンダの概要を説明する。
ヴィラーサナ(英雄座のポーズ)でムーラ・バンダを行おう。まず骨盤底部を支えている”三脚”を意識する。尾骨と、左右の大腿骨頭の三つの骨だ。尾骨を床に向かって伸ばすように引き下げ、大腿骨頭も同様に床のほうに沈ませていくイメージをする(難しければ、両腿の上に横にしたサンドバッグがのせられていると想像する)。さらに、両手を腰骨の一番高い部分にあてて、両側から腰を狭めるように押す。
下腹部をやわらかく保ちながら、これらの骨の動きを行うと、意識して努力をしなくても自然に会陰が体の内側に引き上げられる。この動きが脊椎に伝わり、その結果、上半身全体が頭頂部に向かって引き上げられる。
息を吸いきるときにムーラ・バンダを始め、クンバカを行いながら保持する。息を吐きながらゆっくりとバンダを解き、次に息を吐くときまでゆるめる。
すべてのバンダとムドラーは、熟達した指導者のもとで行わないときは、特に慎重に練習すること。