【医師監修】セックスで放出される脳内物質ドーパミンが女性にもたらす３つのこと

セックスをした後のなんだか不思議な感覚。奇妙な、だけど幸福に満たされている、いい意味でザワザワしている感覚。この感覚は性交中と性交の前後にドーパミンが放出されたからなのです。

今回はセックスによって放出されるドーパミンが、私たち女性ににどんな影響をもたらすかをご紹介します。

ドーパミンとは？

ドーパミン（どーぱみん、dopamine）とは、中枢神経に存在する神経伝達物質のこと。ドーパミンは、アドレナリンやノルアドレナリンに生成する前の物質（前駆物質）です。運動の調節、ホルモンや循環の調整、学習、意欲、喜び、快楽に関与しています。

このドーパミンは行動することによって分泌されます。寝ている、座っているなど「活動していないとき」にはドーパミンが分泌されません。

そして「報酬への期待を感じて」動くとき、ドーパミンが分泌されます。

例えばこの仕事が終わったら美味しいものが食べられる、大きなお金が獲得できる、週末は旅行だから今週中に頑張ろう！などといった「ご褒美のために行動する」といったことがドーパミン分泌に影響します。

男性と女性のオーガズムによるドーパミンの違い

セックスも同じこと。セックスには、その行為をすることで得られる報酬（＝快感、繋がり、開放感など）があります。

きっと誰もが、これからセックスをするであろうとき、その先にある性的な快楽を想像し期待します。そしてそれを手に入れようとすることで、ドーパミンが活性化されるのです。

ここまでは男女同じです。

しかし男性はオーガズムのあとにドーパミンが急激に減少します。しばらくはセックスに関心が無くなります。男性の多くが射精を境に、急に冷静な状態に変わる、いわゆる「賢者タイム」がわかりやすい例です。しかし女性は繰り返しオーガズムに達することができるので、ドーパミンの放出は続きます。これが男女のオーガズムにおけるドーパミンの違い。

ではオーガズムによって活性化するドーパミンが、セックス後にどんな影響をもたらしてくれるのでしょうか？

ドーパミンが女性にもたらす3つの良い影響

集中力、やる気が高まる

ドーパミンが活性されると、集中力ややる気がUPします。家事や仕事も捗ることも。働く女性、頑張る女性をエンパワメントしてくれます。

自己愛が高まる

ドーパミンは脳内をポジティブにしてくれます。自分自身に対しても前向きになり、自己愛が高まります。自信が持てるようになります。

行動力

セックスをしたあと、お喋りしたくてしょうがない！そんな気持ちになったことはありませんか？これはドーパミンによって行動力や積極性が高まっているからなのです。

このようにドーパミンは女性に、エネルギーをもたらしてくれる物質でもあるのです。

しかし、ただセックスをすれば得られるものではありません。

自己の性に対して自覚し、性に積極的になることでオーガズムが得られ、さらにドーパミンの放出がされます。またセックス前に興奮しドーパミンが放出されていても、セックス中に自分を解き放っていなければ静まってしまいます。どちらか一方が我慢するような、気持ちの良くないセックスでは快楽は得られないはずですから。

セックスとドーパミンの関係から、女性は肩の力を抜き、自己の性的欲求を解放することが、さらなる自由、自己愛に繋がっていくのではと感じています。

もっと女性がそれぞれのセクシュアリティを肯定的に捉え、セックスを前向きに楽しんでいけますように。

参考文献：Naomi Wolf著『ヴァギナ』

医師監修／山下真理子先生
岡山出身、京都府立医大を卒業後、医師に。美容医療ではリフトアップ、美肌治療を得意としている。医療教育にも関わっており、医療専門学校にて客員講師も務めている。現在は京都在住で、ダイエットコーチング、医師による恋愛コーチング、保護犬保護猫活動等の幅広い活動を行う。著書に「あなたの魅力が10倍増すセックス」「夜のお悩み相談クリニック」の他、写真集「診て感じるクリニック」がある。