世界的に有名なティーチャーに学ぼう|ナターシャ・リゾーポラスの場合

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Ken Marcou
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ヴィンヤサを賢く始めよう

ナターシャ・リゾーポラスのよく考えられたやりがいのあるシークエンスに挑戦して、ヴィンヤサを安全に行うための基礎をつくろう。

うまく構成されたシークエンスはおもしろい小説に似ていて、そこには物語も躍動感あふれる山場もある。このことは、シークエンスはどこか戦略的なところから始まり、秩序をもってピークポーズに向かっていき、ピークポーズからクールダウンしてシャヴァーサナに向かうということを意味している。途中には、連携して働くポーズのまとまりがいくつかあって、その先に必然的にピークポーズが見えてくる。それぞれのポーズのまとまりの中にさえ、一種の小さなピークがある。それがシークエンスに用意されたチャレンジになっている。

私はいわゆる必須要素を導入することによって、シークエンスいう名の物語をつくる方法を教えている。必須要素とは具体的には、ピークポーズを満喫するために注意が必要な部分を伸ばしたり、強化したり、そこに意識をもっていく動きのことだ。私はシークエンスの早い段階でできるだけシンプルな状況に必須要素を入れることによって、生徒が集中力を切らさずにその動きを行えるようにし、シークエンスが進行に合わせて徐々に難しい形でその動きを繰り返させるようにしている。

今回の練習では、ターダーサナ(山のポーズ)で上腕の頭部を後方に引く動きを必須要素にしており、ブジャンガーサナ(コブラのポーズ)、チャトランガダンダーサナ、アップドッグというように難しくなっていくポーズにそのアライメントを応用する。そして、長い時間をかけて、バカーサナ(鶴のポーズ)やエーカパーダカウンディニャーサナ(賢人カウンディニャに捧げるポーズ)のようなさらに難しいアームバランスに応用していこう。

練習するときは、動きとアライメントを体に刻み込めるまで各ポーズを保とう(ポーズの難易度に応じて、5~20呼吸)。柔らかく安定したウジャイ呼吸(勝利の呼吸)を行って、息を吸うたびに(特に胸部に)空間と開きが生まれ、息を吐くたびに体が床に固定されて、下腹部が引き上げられるのを感じてみよう。また。それぞれのポーズがその前のポーズの上にどう組み上げられているか観察しよう。

1 ターダーサナ(山のポーズ)

両足のつま先を揃え、かかとを2~3cm離して立つ。拇指球で床を踏みながら、足裏の内側縦アーチを引き上げる。膝を固定せずに、大腿四頭筋を働かせる。大腿骨を後方に押しながら、尾骨を下向きに解放する。このふたつの動きがうまく釣り合うと、みぞおちが若干引き上げられ、腰が自然な曲線を描くようになる。上腕の頭部を後方に引いて、体側と一直線になるようにする。

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photo by Ken Marcou

2 ターダーサナ+チャトランガダンダーサナの腕(山のポーズ+四肢で支える杖のポーズの腕)

1の動きを維持しながら、肘を直角に曲げる。肘が外側に広がると、上腕の頭部が前に倒れて、肩の前に入ってしまう。そうならないように、肘を体側に固定して、上腕を後方に引こう。前腕を床と平行に保ちながら、手を後方に引いて手首を張る。これがチャトランガダンダーサナの腕のポジションになる。ここでもターダーサナの肩の動きを続けている。

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photos by Ken Marcou
model by Natasha Rizopoulos
translat ion by Setsuko Mori
yoga Journal日本版Vol.60掲載



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