更年期の人間関係|「この人と会ったあと、すごく疲れたな」と思ったら。人間関係整理の方法
更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。
夏休みやお盆の帰省が終わって、「今年の夏は人と会うことが多かったな」と感じている方もいるのではないでしょうか。
普段は離れて暮らしている家族や親戚と会ったり、久しぶりの友人と食事をしたり、家族の予定に付き合ったり。夏はいつもより人と関わる機会が増えやすい時期です。
その中で、「この人と会ったあと、すごく疲れたな」と感じることがあります。
以前は普通に話せていた友人なのに、今回はなぜか話が合わなかった。楽しいはずの時間なのに、家に帰ったらぐったりした。
そんな経験が続くと、「もうこの人とは合わないのかもしれない」と考えることがあります。
実際、更年期の女性の相談に乗っていると、人間関係についてかなり思い切った判断をする方がいます。
「もう付き合わなくていいと思います」
「しばらくではなく、もう会わないことにしました」
と、バッサリ関係を切ろうとすることもあります。
もちろん、離れたほうがいい関係もあります。
ただ、私は「会って疲れた」「話が合わなかった」という一回の出来事だけで、すぐに関係を切らなくてもいいのではないかと思っています。
人間関係を整理するというと、付き合う人と付き合わない人を分けるようなイメージがありますが、もう少しいろいろなやり方があります。
私がおすすめしているのは、まず距離感を変えてみることです。
今は会うタイミングではないだけかもしれない
以前は楽しく会っていた人なのに、最近会うと疲れる。
話をしていても、以前ほど楽しくない。
こういうとき、「相手が変わった」「自分が変わった」と考えたくなります。
でも、相談に乗ってきた経験からいうと、しばらく時間がたってから「また会いたくなりました」ということは結構あります。
その人自身が変わったというより、自分の体調や置かれている環境によって、人と会うことを負担に感じる時期があるからです。
仕事が忙しいときと、少し余裕があるときでも違います。
家のことで考えることがたくさんあるときは、人と会って話すことまでしんどく感じるかもしれません。
反対に、自分に少し余裕が出てくると、「久しぶりにあの人に会いたいな」と思うこともあります。
だから、会ったあとに疲れたとき、「この人とはもう合わない」と決める前に、
「今の私には、この人と会うタイミングではないのかもしれない」くらいに考えてみてもいいと思っています。
関係を終わらせるかどうかは、あとから決めることもできます。
会うか、切るか、の二つにしなくていい
人間関係がしんどくなったとき、「これまで通り付き合う」か「関係を切る」かの二つで考えてしまう方がいます。
でも、その間にはいろいろあります。
毎月会っていたなら、数か月会わなくてもいい。
LINEが来たらすぐに返していたなら、少し時間を置いて返してもいい。
長時間会うのがしんどいなら、会う時間を短くする方法もあります。
今は会いたくないなら、しばらく会わなくてもいいでしょう。
大切なのは、「今の自分ならどのくらいの距離がちょうどいいのか」を考えることです。
以前と同じ付き合い方を続けなくてはいけないわけではありません。
私たちは、人との関係を一度決めると、それをずっと同じように続けようとするところがあります。
学生時代からの友人だから、定期的に会わなくてはいけない。
親戚だから、誘われたら参加しなくてはいけない。
今まで頻繁にLINEをしていたから、これからも同じように返さなくてはいけない。
でも、自分の生活は変わります。
仕事の状況も変わりますし、家族との過ごし方も変わります。
それなら、人との付き合い方が変わってもおかしくありません。
相手にはどう伝えたらいい?
距離を取りたいと思っても、相手にどう思われるかが気になってできない方もいます。
急に連絡を減らしたら、「嫌われたと思われるかな」と考えてしまう。
だから、無理をしてこれまで通り付き合ってしまいます。
そんなときは、相手に一言伝えておく方法もあります。
たとえば、
「今ちょっと不調だから、また落ち着いたらゆっくり連絡するね」
くらいでいいと思います。
細かく事情を説明する必要はありません。
いつまでに連絡すると約束する必要もないでしょう。
今は少し余裕がないことと、落ち着いたらこちらから連絡することを伝えておく。
そのうえで、少し距離を取ってみます。
実は、このときの相手の反応も、その人との今後の関係を考える材料になります。
距離を変えたときに、その人との関係が見える
こちらが「今は少し余裕がないから」と伝えたとき、
「わかった。落ち着いたらまた連絡してね」と言って待ってくれる人がいます。
しばらく連絡をしなくても、久しぶりにこちらから連絡すると、
「久しぶり。元気だった?」と以前と変わらず接してくれる。
こういう関係は、会う回数や連絡する回数が減ったからといって、簡単には変わらないものです。
反対に、少し距離を取っただけで、
「最近連絡してくれないよね」
「避けているの?」
と責められることもあります。
こちらが今は少し余裕がないと伝えているのに、以前と同じような付き合い方を求められる。
そういう場合は、その人との距離についてもう一度考えてもいいと思います。
人間関係は、こちらだけが相手に合わせ続けるものではありません。
自分がしんどいときに少し距離を取りたいと思うこともありますし、反対に相手がそういう時期になることもあります。お互いの状況がずっと同じということはありません。
こちらの状況を伝えたとき、それを相手がどう受け止めてくれるのか。
そこを見ることで、今まで気づかなかったことが分かることがあります。
しばらく離れたから分かることもある
一度距離を置いたからといって、その関係が終わるとは限りません。
相談に乗っていても、体調や生活が変わってくると、
「久しぶりにあの人に会いたくなりました」と言われることがあります。
そこで数か月ぶりに連絡してみる。
すると相手も普通に、「久しぶり。会おうよ」と返してくれる。
実際に会ってみると、以前のように楽しく話せた。
こういうことは珍しくありません。
あのとき「もうこの人とは合わない」と関係を終わらせていたら、また会うことはなかったかもしれません。
だから私は、その時点でしんどいというだけで、人間関係そのものについて結論を出さなくてもいいと思っています。
今は会わない。
少し連絡を減らす。
そして、自分の状態が変わったときに「会いたい」と思ったら、また連絡してみる。
人との距離は、そのときどきで変わってもいいのではないでしょうか。
秋に「誰と付き合うか」より「どんな距離ならいいか」を考える
夏休みや帰省でいろいろな人と会ったあとだからこそ、9月は人間関係について考えるにはちょうどいい時期だと思います。
今年の夏に会った人を少し思い出してみてください。
会ったあとに「楽しかったな」と思った人もいるでしょう。
反対に、思っていた以上に疲れた人もいるかもしれません。
話が合わなくなったと感じた人もいるかもしれません。
そこで、「この人は必要、この人はいらない」と分ける必要はありません。
今まで通り会いたい人。
少し会う回数を減らしたい人。
今はしばらく会わなくていいかなと思う人。
今の自分に合う距離を考えてみます。
そして、少し距離を変えたときに相手がどうしてくれるかも見てみてください。
こちらの状況を尊重してくれる。
待っていてくれる。
久しぶりに連絡しても以前と変わらず接してくれる。
そういう人の存在に、あらためて気づくことがあります。
反対に、距離を変えたことを責められたり、こちらの事情を伝えても以前と同じ付き合い方を求められたりするのであれば、その関係について考えるきっかけになるでしょう。
人間関係を整理するというのは、付き合う人を減らすことだけではありません。
一度、距離を変えてみる。
今の自分には、どのくらいの付き合い方がちょうどいいのかを考えてみる。
そうすると、自分のことを尊重してくれる人が誰なのかも少しずつ分かってきます。
その中で、「やっぱりこの人は大切だな」と思える人が見えてくる。
私は、それも人間関係を整理する一つの方法だと思っています。
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