意外と知らない!「みょうが」「しょうが」「しそ」の役割の違いとは? 管理栄養士が解説
豆腐やそうめんなど、夏の料理に香りと風味を添えてくれる薬味。料理の脇役と思われがちですが、栄養面や機能性でも優れた存在です。代表的な薬味である「みょうが」「しょうが」「しそ」の特徴と使い方について、管理栄養士が解説します。
みょうが
みょうが特有の爽やかな香りは、α-ピネンと呼ばれる精油成分によるものです。清涼感のあるこの香りには、以下のような効果があります。
- 血液の循環促進
- 発汗・消化の促進
- 覚醒作用(眠気を冷ます・集中力アップ)
- 神経の興奮を鎮めるリラックス効果
取り入れ方のポイント
α-ピネンは揮発性の高い成分であるため、食べる直前に刻んで生で取り入れるのが最も効果的です。時間が経つと香り成分が蒸発してしまうため、できるだけ早く調理・摂取するのがおすすめです。
おすすめの取り入れ方
朝すっきりと目覚めたいときに→覚醒・集中力アップ
夜リラックスして眠りの質を高めたいときに→ストレス緩和
しょうが
しょうがは特有の辛みと香りを持つ薬効の高い野菜です。薬味としてだけでなく、漢方にも用いられるほどの優れた健康効果があります。しょうがの辛み成分であるジンゲロールやショウガオールと呼ばれる成分が特に健康効果が高く、身体の機能を整えることに役立ちます。
- 血行促進・身体を温める作用
- 抗炎症作用・抗酸化作用(肌や健康の改善に効果的)
- 殺菌・解毒作用(肉や魚の消臭にも有効)
- 風邪予防や冷え性対策
取り入れ方のポイント
しょうがは加熱したり乾燥させるとジンゲロールからショウガオールという成分に変化します。生でも、加熱しても効果が落ちないので様々な料理に使えます。
おすすめの取り入れ方
胃もたれがする時に→辛み成分が胃を刺激し、消化をサポート
空調で冷えを感じる時に→生姜のポカポカ成分が身体を内側から温める
しそ
しそは薬味の中でも代表的な存在ですが、香りが強いだけでなく栄養価も高い食品です。βカロテン、カルシウム、ビタミンB2などが豊富に含まれています。しその香り成分はぺリルアルデヒドと呼ばれる成分で、以下の働きがあります。
- 抗菌・防腐作用
- 胃酸の分泌を促し、食欲を増進
- 消化を促進し、胃腸の働きを助ける
- 鎮静作用・リラックス効果があり、心を落ち着かせる
取り入れ方のポイント
しそは葉の裏側に香り成分のぺリルアルデヒドが集結しています。触るだけでも揮発が加速してしまうため、裏側には極力触れないようにするのがポイントです。刻む時は葉の裏側を表に向けて丸めて刻むと揮発を最小限に抑えられます。
おすすめの取り入れ方
お弁当に入れて抗菌・防腐
夏バテや食欲不振のときに→香りで食欲増進
まとめ
薬味は彩りや風味を添えるだけでなく、身体の機能を整える働きがあります。違いを知ってご自身の体調に合わせて使い分けてみましょう。
〈参考文献〉
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く







