「汗が気になる季節」汗のニオイを強くする食べ物と汗のニオイを抑える食べ物とは|管理栄養士が解説

 「汗が気になる季節」汗のニオイを強くする食べ物と汗のニオイを抑える食べ物とは|管理栄養士が解説
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「汗のにおいが気になる」 「食べ物で汗のにおいを抑える方法がないかな?」 と気になっている人も多いでしょう。 本記事は、汗のにおいが強くなる食べ物と、汗のにおいを抑える食べ物を紹介します。

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汗のにおいを誘発させる食べ物4選

以下の食べ物を毎日摂っていませんか?もし毎日摂っていたら、においの原因になっている可能性があります。

動物性食品や脂質が多い加工食品

動物性食品や脂質が多い加工食品の摂りすぎは、汗のにおいを作る原因の一つです。脂肪酸や中性脂肪が多く含まれ、汗腺の働きを活性化させます。汗に含まれる皮脂や老廃物、タンパク質が多く分泌され、分解するとアンモニアや過酸化脂質などの汗臭のもとになり、汗のにおいを強くさせます。

動物性食品は肉類や肉加工品と乳製品、脂質が多い食品は揚げ物やスナック菓子、ファーストフード、インスタント加工品などです。汗のにおいを抑えるには、これらを食べすぎないように注意してください。

にんにくやニラなどのにおいが強い食べ物

にんにくやニラが入っている料理を食べると、汗のにおいを悪化させる物質が含まれています。にんにくには、アリシンというにおいの原因となる硫黄化合物があります。体内でアリルメチルスルフィドに代謝され、汗や尿へ排出され、不快なにおいが放たれてしまうのです。

にんにくやニラのにおいは口から始まり、長時間においが残りやすく、やがて体臭へとつながっていきます。にんにく入りの料理を食べる前後には、リンゴジュースやウーロン茶、緑茶、牛乳などを飲むとにおいを抑えられると言われています。入念にブレスケアを行うことも大切です。

辛い食品

香辛料を使った料理や唐辛子などの辛い食品にも、汗のにおいを作る物質が含まれています。辛い食品を食べると、発汗作用が促され、全身に汗をかきやすくなります。肌に細菌と汗の成分が結びつくと、汗のにおいを発生しやすくなるのです。

アルコール

アルコールの飲み過ぎは、汗のにおいを作る原因の一つです。アルコールを飲むと、不快なにおいの原因となるアセトアルデヒドという物質に分解されます。二日酔いの原因ともなり、口臭から体臭へにおいが流れ、全身の汗から酒くさいにおいが放たれてしまうのです。

おつまみに食べる脂っこい食べ物が、さらに体臭を誘発させてしまいます。脂っこい食べ物はなるべく避け、飲酒前や最中にしじみ入りのお味噌汁を飲むと、においは抑えられると言われています。

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汗のにおいを抑える食べ物4選

汗のにおいを抑えるには、栄養バランスの摂れた食事を意識しましょう。特に以下の食べ物について詳しく解説します。

抗酸化食品

抗酸化食品は、ビタミンCやビタミンE、ポリフェノールが多く含まれる緑黄色野菜や果物、緑茶です。抗酸化食品は、タンパク質や脂質を摂取したときに発生する活性酸素や過酸化脂質を、抑える効果があると言われています。活性酸素や過酸化脂質は加齢や汗のにおいにつながる原因です。

ビタミンCやビタミンE、ポリフェノールが含まれる抗酸化食品は、以下のとおりです。

・緑黄色野菜

ブロッコリー・カボチャ・パプリカ・じゃがいもなど

・果物

イチゴ・柑橘類・キウイ・柿など

・その他

ナッツ類・アーモンド・ごまなど

加齢とともに活性酸素や過酸化脂質は増えやすくなるため、上記の食品を意識して摂りましょう。

アルカリ性食品

アルカリ性食品は野菜のほかに、海藻類やきのこ類、大豆製品、梅干しのことです。酸性食品は肉類や魚類、卵のことであり、身体が酸性に傾くと、体臭につながりやすくなります。アルカリ性食品は、汗のにおいを抑える効果を持つと言われています。体臭が気になる人は、体内が酸性に傾いている可能性があるので、アルカリ性食品を積極的に食べましょう。

発酵食品

汗のにおいを抑えるのに、腸内環境を整える発酵食品は効果があると言われています。主な発酵食品はヨーグルトや漬物、乳酸菌飲料、甘酒などの乳製品、納豆、大豆、味噌などです。

体内の腸肝循環によって、においが発生します。食べたものは腸内でにおいを発生しますが、においは便やおならで体外へ排泄されます。残ったにおいは再び腸で吸収され、肝臓で無臭化されますが、無臭化されなかった物質はまた腸で処理され、循環していくのです。これを腸肝循環と言い、循環が悪いとにおいが血液に流れ、汗ににおいを放つ原因となります。

まとめ

今回は、汗のにおいが強くなる食べ物と汗のにおいを抑える食べ物を紹介しました。汗のにおいが気になる方は、食生活を見直すきっかけになるでしょう。汗のにおいを抑え、健康的な食生活を送ってください。

参考文献:

「ビタミンCの働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット」

「ビタミンEの働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット」

「ポリフェノールの種類と効果と摂取方法 | 健康長寿ネット」

「「酸性食品」・「アルカリ性食品」の栄養学的意義についての再考|CORE – Aggregating the world’s open access research papers

「腸内細菌と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

「腸肝循環:胆汁酸サイクルを中心に|J-stage」

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AUTHOR

たかぎみなこ

たかぎみなこ

食事栄養分野を中心に記事執筆を行うフリーランスライター。前職は介護施設の管理栄養士として勤務。高齢者の食事栄養管理を行い、最期まで食の楽しみを提案する。管理栄養士の知識と経験を活かし、活動している。



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