イライラしがちな更年期世代が「朝、食べないほうがいい」NGな朝食メニューとは?管理栄養士が解説
「最近、些細なことでイライラしてしまう……」 年齢を重ねるにつれ、以前は気にならなかったようなことで気持ちが揺らぎ、イライラすることが多くなったと感じる方も少なくありません。加齢による身体の変化に伴うものだと考えがちですが、実は毎日の朝食が原因となっている可能性もあるのです。この記事では、40代・50代が控えたい朝食や、イライラの軽減につながる食生活のポイントをご紹介します。
40代・50代のイライラを助長させるNGな朝食
40代・50代に差し掛かると、ホルモンバランスが変化し心や身体にも影響が現れやすくなります。イライラしがちなのはホルモンバランスの影響である可能性が高いものの、加えて朝食で血糖値を急上昇させてしまうこともイライラの一因であると考えられます。
糖質中心の食事はイライラの一因
血糖値の急上昇につながる糖質中心の朝食の一例は、以下の通りです。
●菓子パンや甘いシリアル、フルーツジュースだけの朝食
●ご飯中心でおかずが少ない朝食
糖質はエネルギー源として重要な栄養素ですが、単独で摂取すると血糖値が急上昇しやすくなります。
血糖値とイライラの関係
食事を摂ると30分〜1時間で血糖値上昇のピークを迎え、その後徐々に低下し2時間を過ぎた頃に食事前の状態に戻ります。しかし、血糖値が一気に上昇するような食べ方をすると、その後の血糖値は急激に低下します。
この血糖値の急上昇と急降下が、イライラをはじめ眠気や強い空腹感を引き起こす可能性があるといわれているのです。
朝食に限らずどの食事でも血糖値の急上昇は防ぐべきですが、1日を元気に過ごすための朝食はとても重要です。1日を通して心穏やかに過ごすためには、まず朝食の内容を見直すことが大切であるといえるでしょう。
イライラしないための食事のポイント
糖質中心の食事を避けることに加え、効果が期待できる食材の摂取も意識してみましょう。
食事の栄養バランスを整える
手軽に栄養バランスを整えるためには「主食」「主菜」「副菜」が揃った食事を心がけます。
●主食:ご飯やパン、麺類など
●主菜:肉や魚、大豆製品などのおかず
●副菜:野菜やきのこ、海藻類などのおかす
主食、主菜、副菜を揃えることで糖質に偏った食事を防止でき、たんぱく質やビタミン・ミネラル、食物繊維など体に必要な栄養素が摂取できるでしょう。
とくに食物繊維には、糖質の吸収をゆっくりにしてくれる作用があります。血糖値の急上昇を防ぐことができるため、十分に摂取しましょう。
イライラの予防に効果的な食材を取り入れる
食事の栄養バランスを整えるほか、女性ホルモンに似た作用のある「大豆イソフラボン」やホルモン分泌を調整する「ビタミンE」を含む食材を積極的に摂取することもおすすめです。また、骨の健康に関わるミネラルとして知られる「カルシウム」には、脳神経の興奮を抑制する作用があります。
●大豆イソフラボン:大豆製品(豆腐、納豆、豆乳など)
●ビタミンE:かぼちゃ・ナッツ類など
●カルシウム:乳製品、小魚など
なるべくイライラしないためにも、大豆イソフラボンやビタミンE、カルシウムを含む食材の摂取を意識してみましょう。
まとめ
世代問わず、健康維持のためには栄養バランスのよい食事が欠かせません。特に40代・50代といった加齢による身体の変化が出てくる年代では、健康維持はもちろんイライラ予防のためにも食事の栄養バランスを意識すべきでしょう。
朝食は、1日を通して心穏やかに過ごせるかのポイントとなる食事です。「最近イライラすることが多い……」と感じる方は、朝食の内容を見直してみてはいかがでしょうか。
AUTHOR
鈴木亜子
管理栄養士/ライター。大学卒業後、主に医療機関に勤務。チーム医療の一端を担い、生活習慣病などさまざまな疾患の栄養管理に取り組む。得意分野は糖尿病で、療養指導や透析予防、重症化予防などを担当した経験も。現在は豊富な栄養相談経験を活かし、ウェルネス関連の記事執筆および監修に携わる。
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