ルックス重視の社会が先か、それとも整形するセレブたちが先か|美容整形をめぐる賛否両論から考える
ハリウッド以上に整形手術経験者が多いと言われる韓国エンタメ界。手術を認める人も多い。女優のパク・ミニョンもその1人だが、ラッパーのジェシーも同様。目と鼻を整形、豊胸手術を受けたことを認めている。その認め方は潔くて、ある意味痛快。
ネット上で「顔も胸もフェイクすぎる。整形では?」と批判されるとジェシーは「整形をしない人なんている? 私は目も鼻も整形した。みんなも知っていること」「なぜ隠さなくてはならないの? 随分前のことだしお金を払って受けたのに」とあっさり肯定。悪いことはしていないと反論した。
ちなみに彼女が整形をするきっかけになったのは昔所属していた事務所から「手術をすればもっと映えるようになる」と提案されたから。手術を受けたと認めてはいるけれど、整形そのものは後悔しているそう。
映えるルックスにするために整形する、もしくはするように上から言われるというのは韓国エンタメ界に広くみられることのよう。アイドルグループのT-Araのメンバー、ヒョミンもそれを匂わせる発言をしている。「社会は本当に外見重視。私たちの仕事は多くの人に喜びを与え、楽しんでもらうこと。かわいくなくてはそんなことはできない」と社会の価値観がセレブを整形に走らせると示唆。「世間は私たちのビジュアルを見る。その期待に応えるためには欲張らない限り多少の修整はしてもいいと思う」。彼女も具体的な内容については語っていないが整形をしたことは認めている。
社会が映えるルックスを求めているから整形するというセレブたち。一方で社会、つまり見る側の中には整形を批判する人も少なくない。ジェシーへの反応を見てもそれは明らか。整形するセレブたちがいるからルックス重視の価値観がなくならないと批判する声も。ルックス重視の社会が先なのか、整形するセレブたちが先なのか。美容整形をめぐる議論は賛否だけでは片付けられないものがありそう。
AUTHOR
長坂陽子
ライター&翻訳者。ハリウッド女優、シンガーからロイヤルファミリー、アメリカ政治界注目の女性政治家まで世界のセレブの動向を追う。女性をエンパワメントしてくれるセレブが特に好き。著書に「Be yourself あなたのままでいられる80の言葉」(メディアソフト)など。
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