【理学療法士が解説!ストレッチの正解】ヨガのストレッチポーズをより効果的にするコツと注意点
柔軟性だけでなく、リラックスや姿勢改善など、さまざまな効果を持つ「ストレッチ」。実は、その効果を高めるポイントがあるんです。理学療法士でヨガインストラクターの堀川ゆきさんに、ストレッチを行う上で知っておきたい知識をご紹介いただきます。
ヨガとストレッチ
ストレッチには、
・柔軟性の向上
・パフォーマンスの向上
・怪我の予防
・疲労物質や発痛物質の除去
・姿勢の改善
・心身のリラックス
・身体をスムーズに動かせるようになる
など、様々な効果があります。
ヨガにはたくさんのストレッチポーズがあります。よくヨガとストレッチは同じだと誤解されることがありますが、ヨガにはストレッチの要素のみでなく、
・ストレッチポーズ
・筋トレポーズ
・有酸素運動ポーズ
主にこの3つの運動の要素を取り入れたポーズがそれぞれ複数存在するので、「ヨガ=ストレッチ」とは言い切れません。
今回は、ヨガの中でもストレッチポーズをより効果的に行うためのポイントをお伝えします。
ヨガに限らず、一般的なストレッチにももちろん通用することなので、ぜひ参考にしてみてください。
ストレッチには2種類ある
ストレッチには大きく分けて2種類あります。
・静的ストレッチ(スタティックストレッチ)
・動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)
です。
静的ストレッチは、ストレッチと聞いて多くの人が思い浮かべるのがこちらで、ゆっくりと一定方向に筋肉を伸ばし、その状態で数十秒間しばらく静止します。クールダウンやリラックス効果を狙うエクササイズとして行われます。ヨガや太極拳などが静的ストレッチに含まれます。
動的ストレッチは、ある方向に関節を動かしながら筋肉を縮めたり伸ばしたりすることを繰り返します。筋肉をほぐして温める効果があります。エアロビクス、ラジオ体操、ピラティスなどが含まれます。
ヨガは一般的に静的ストレッチにカテゴリされますが、私はポーズの種類やポーズを静止する長さによると思っています。ヨガには様々なスタイルがあって、太陽礼拝を繰り返したりするヴィンヤサヨガや、ポーズを静止せず次々と展開していくようなフロースタイルのヨガだと、動的ストレッチに含めた方が良いと思います。一方で、陰ヨガのように一つのポーズを数分間キープするようなスタイルは静的ストレッチに含まれます。
ですので、一般的なヨガクラスは、静的ストレッチと動的ストレッチどちらの要素も含まれていると考えられます。
他には、アキレス腱のストレッチでよく行われるようなリズミカルに反動を利用したストレッチである「バリスティックストレッチ」などがあります。反動を利用したストレッチは伸長反射を誘発するため、筋肉や腱の損傷の可能性が高くなるので注意が必要です。
AUTHOR
堀川ゆき
理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。抗加齢指導士。2006年に渡米し全米ヨガアライアンス200を取得。その後ヨガの枠をこえた健康や予防医療に関心を持ち、理学療法士資格を取得。スポーツ整形外科クリニックでの勤務を経て、現在大学病院にて慢性疼痛に対するリハビリに従事する。ポールスターピラティスマットコース修了。慶應義塾大学大学院医学部博士課程退学。公認心理師と保育士の資格も持つ二児の母。
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