【理学療法士が解説】そのウォーキングちょっと待った!運動効果がぐっと高まる「正しいウォーキング」
ウォーキングは、どんな人でも気軽にできるスポーツ。でも、正しく歩けていない人が意外に多いという事実を知っていますか? 理学療法士でヨガインストラクターの堀川ゆきさんに、適切に歩く上で気をつけるべきポイントをご紹介いただきます。
正しく歩けていますか?
代表的な有酸素運動であるウォーキング。ウォーキングが身体に良いということはもう皆さんよくご存知のはずです。ウォーキングは、季節や場所や年齢を問わずいつでもどこでも取り組める手軽な運動の一つです。また、負荷が高くないため、運動に不慣れな方や高齢者にもオススメです。ウォーキングは運動効果だけではなく、さまざまな病気を予防する効果も期待できる運動です。
でも残念ながら、病院で患者さんを担当していて「毎日歩いています!」とおっしゃる人に限って正しく歩けていない場合がとにかく多いのが現実です。街中で歩いている人を見ても、歩幅や速度が適切でなかったり、姿勢が悪いなど不適切なフォームで歩いている人が圧倒的に多いのです。これは年齢や性別は関係なく、80歳でも美しく歩いている人もいれば、若者でも逸脱した歩き方の人もいます。
ウォーキングというスポーツの特性
一般社団法人日本ウオーキング協会によると、頭文字をとって「BEAUTIFUL」としてウォーキングをこのように紹介しています。
「Walking is BEAUTIFUL sports」
ーウォーキングは「美しい」スポーツの特性を持っていますーBasic Sport
あらゆる運動・スポーツの基本です。Eco-Sport
自然を尊び自然を愛する運動・スポーツです。Aerobic Sport
健康法として理想的な有酸素運動です。Universal Sport
万人、だれでもできる市民運動・スポーツです。Tourism Sport
旅や観光が楽しめるスポーツです。International Sport
世界を結ぶ地球家族の運動・スポーツです。Friendship Sport
競争でなく、交流を楽しむ運動・スポーツです。Usual Sport
いつでも、どこでもできる日常的な運動・スポーツです。Lifellong Sport
一生続けられる生涯運動・スポーツです。
このように、ウォーキングは単なる移動手段だけでなく、健康増進や交流など多角的な役割を担っていることを知っていただきたいです。
効果的なウォーキングの目安
様々な全身運動の中でもウォーキングが最も推奨されています。ウォーキングの時間は1日30~60分が理想で、少し汗ばむもしくは息が弾む程度が目安です。一度に長時間歩く必要はなく、10分間のウォーキングを1日に頻回繰り返しても効果は変わらないとされています。また、早歩きが長寿につながるという研究報告もあります。
ただし、腰痛のある方はプール内歩行や自転車こぎ、ひざ痛のある方はプール内歩行を推奨します。
1日の目標歩数が厚労省の「健康日本21」で具体的に定められています。
20~64歳
男性:9000歩、女性:8500歩
64歳以上
男性:7000歩、女性:6000歩です。
今はスマートフォンや腕時計にも歩数をカウントする機能がついていますが、もし「歩数が測れない」という場合は「10分歩いたら大体1000歩」と考えると良いと思います。
AUTHOR
堀川ゆき
理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。抗加齢指導士。2006年に渡米し全米ヨガアライアンス200を取得。その後ヨガの枠をこえた健康や予防医療に関心を持ち、理学療法士資格を取得。スポーツ整形外科クリニックでの勤務を経て、現在大学病院にて慢性疼痛に対するリハビリに従事する。ポールスターピラティスマットコース修了。慶應義塾大学大学院医学部博士課程退学。公認心理師と保育士の資格も持つ二児の母。
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