【理学療法士が解説】そのウォーキングちょっと待った!運動効果がぐっと高まる「正しいウォーキング」

 【理学療法士が解説】そのウォーキングちょっと待った!運動効果がぐっと高まる「正しいウォーキング」
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堀川ゆき
堀川ゆき
2021-05-12
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正しいウォーキングで効果UP

ではウォーキングのポイントをおさえて、正しいウォーキングで効果UPを狙いましょう。

まず、ウォーキング用の歩きやすいスニーカーを履きましょう。スニーカーでもオシャレスニーカーはウォーキングに特化した作りになっていません。また、ジョギング用のスニーカーはウォーキング用のスニーカーの構造とは異なっていて、ウォーキングには不向きです。

ウォーキングのポイント
ウォーキングのポイント

身体の中心を通る軸をまっすぐ保つように意識します。あごを引いて視線は前方へ、胸を張り背筋を伸ばし、肩の力を抜き、腕は大きく前後に振ります。

膝とつま先は常に正面を向くように着地します。踵から着地してつま先で地面を蹴ります。ここで足圧中心点(COP)の軌跡をイメージできると良いです。歩く時に立脚側の足底のどこに体重が乗っているのかを示したものですが、足裏のイラストのように、正常なら踵から接地してアウトエッジを通過し、最後は母趾から体重が抜けます。

足圧中心点
足圧中心点

大切なのは、いつもより歩幅をやや大きめにして、早歩きを心掛けることです。歩きながら話すと息が切れる程度の早歩きがベストです。

運動はやればやるほど良いのか?

さて、運動はやればやるほど良いのかどうかですが、「pacing」(ページング)が重要です。pacingとは、運動の強度や頻度などのペース配分のことです。運動はやればやるほど良いわけではなく、強度と頻度は低すぎても高すぎても、このようにU字型に痛みなどの運動の悪影響のリスクが高くなります。

U字型曲線
参考:池本竜則 慢性疼痛ハンドブックより改変

これはウォーキングに限らず、全ての運動に共通して言えることです。運動量は徐々に増やした方が有効で、低負荷でも高頻度であれば効果はあるので、運動を習慣化することが大切です。

健康増進のために推奨される運動量は、厚労省の「健康づくりのための身体活動基準2013」によると以下のように定められています。

18~64歳:歩行または歩行と同等の身体活動を毎日60分です。

歩数に換算すると1日に8000~10000歩です。それとあわせて、息が弾み汗をかく程度の運動を週に60分が目標です。

65歳以上:寝たまま,座ったままではない身体活動を毎日40分が目標です。

身体活動と運動
引用:厚生労働省 スマート・ライフ・プロジェクト

身体活動と運動の表そして全ての世代に共通の目標として、

・今までより1日10分だけ多く動くこと(10分ストレッチ,10分長く歩くなど)
・運動習慣を持つこと(具体的には30分以上の運動を週に2回以上)

とされています。ウォーキングを含め、何か運動をする際はこれをベースにすると考えやすいです。

まとめ

最も手軽で代表的な有酸素運動であるウォーキング。 年齢や性別問わず身近で簡単に始められる運動だからこそ、ぜひ正しいウォーキングを知った上で実践してほしいと思っています。

1日にどれくらいウォーキングすれば良いのか、正しいウォーキングとは具体的にどういうものなのか、お分かりいただけましたか?

仕事でたくさんの患者さんの歩行をチェックしている理学療法士の視点で、ウォーキングに関する現時点での大切な情報を集めて分かりやすくまとめてみました。

これからのウォーキングの際のみなさんの参考になれば幸いです。身近な人や大切な人にもぜひ教えてあげてくださいね。

参考:
一般社団法人日本ウオーキング協会
厚生労働省「健康日本21」
厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」

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堀川ゆき

堀川ゆき

理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。抗加齢指導士。2006年に渡米し全米ヨガアライアンス200を取得。その後ヨガの枠をこえた健康や予防医療に関心を持ち、理学療法士資格を取得。スポーツ整形外科クリニックでの勤務を経て、現在大学病院にて慢性疼痛に対するリハビリに従事する。ポールスターピラティスマットコース修了。慶應義塾大学大学院医学部博士課程退学。公認心理師と保育士の資格も持つ二児の母。



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