筋肉の中の「サルコリピン」を活発に!理学療法士による熱産生を促す【体温アップヨガ】
体内で熱を作り出す「サルコリピン」は、体温アップに必要な物質。体温が高まると、免疫力の向上にも繋がります。理学療法士でヨガインストラクターの堀川ゆきさんに、体温アップに効果的な下半身の鍛え方をご紹介いただきます。
免疫力アップには体温アップが重要
新型コロナの感染対策で、職場やお店に入る際に、体温を測る機会が最近とても多くなったと思います。その体温は、実は免疫力にも関係しています。まだまだ収束が見えないからこそ、免疫力をアップして、ウイルスに負けない身体作りを目指したいですよね。では、どのようにして自分の体温をアップさせることができるのか知っていますか?体温をアップさせる方法をこれから説明します。
筋肉は体内の「ストーブ」
自分の体内で熱を生み出すことを「熱産生」といいます。熱産生が起こって、その体温をキープするためには、筋肉を鍛えて血流を促すことが大切です。筋肉は熱を生み出すための体内の「ストーブ」のようなものです。
また、筋肉を動かすと自律神経も整います。自律神経は体温の調節をしているので、やはり身体を動かすことが体温アップには大切です。
また体温が上昇すると、免疫細胞の活動が活発になります。そのため、身体を動かして筋肉を鍛えることは免疫力のアップにもつながります。
「サルコリピン」とは?
身体の熱を作る物質として、最近注目されているのが「サルコリピン」です。サルコリピンというのは、筋肉に多く含まれているタンパク質のことで、筋肉の中のサルコリピンが熱を作り出している事が分かったマウスの実験があります。
サルコリピンを除去したネズミを4度の寒い部屋に入れると、普通のネズミは元気に動いていたのに、サルコリピンのないネズミは芯まで体が冷えて動かなくなってしまったんです。このように、サルコリピンの無いネズミは極度の冷え性になる、またそれだけでなく、サルコリピンの無いネズミは、肥満や糖尿病になりやすいことまで分かっています。
やはりサルコリピンは体温をアップさせるためにはとても大切で、そのサルコリピンは、筋肉を動かすことで活性化すると現時点では考えられています。
下半身を鍛えよう
効率よく熱を生み出すには、下半身の筋肉を使うポーズが効果的です。なぜ下半身を鍛えるかというと、人間の体には、内臓を含めて約600個の筋肉があって、その約70%が下半身に集中しているからです。特に、
・太ももの正面の筋肉の大腿四頭筋
・お尻の筋肉の大臀筋
・ふくらはぎの筋肉の下腿三頭筋
この3つの筋肉は、下半身の中でも特に大きな筋肉です。ここを鍛えることで小さな筋肉にも熱エネルギーが波及して、全身の筋肉が活性化し、筋トレ効果を高めてくれます。
AUTHOR
堀川ゆき
理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。抗加齢指導士。2006年に渡米し全米ヨガアライアンス200を取得。その後ヨガの枠をこえた健康や予防医療に関心を持ち、理学療法士資格を取得。スポーツ整形外科クリニックでの勤務を経て、現在大学病院にて慢性疼痛に対するリハビリに従事する。ポールスターピラティスマットコース修了。慶應義塾大学大学院医学部博士課程退学。公認心理師と保育士の資格も持つ二児の母。
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