【理学療法士が解説!ストレッチの正解】ヨガのストレッチポーズをより効果的にするコツと注意点
スタティックストレッチの原則
ではスタティックストレッチを実施する際に注意すべき5つの原則です。
この5つについて具体的にお話していきます。
まず1つ目は、時間を20秒以上かけて伸ばすことです。最初の10秒程度は適度な伸長に調節するためのロスタイムだからです。ストレッチされている筋肉が反応して伸び始めるまでには意外と時間がかかります。
2つ目は、伸ばす部位を意識することです。ストレッチしている筋を意識することで、神経筋協応能が高まるので「今はココを伸ばしている」とストレッチしている部位を意識することが大切です。
(神経筋協応能:神経筋協応能とは、神経と筋、関節、靭帯等の調和を取ること)
3つ目は、痛くなく気持ちよい程度に伸ばすことです。よく「痛気持ちいい所でキープして」と説明しますが、痛いところまで伸ばしていまうと伸張反射が働き、かえって筋が硬直するので効果が低下してしまいます。
4つ目は、呼吸を止めないことです。呼吸を止めると血圧が上昇してしまうのと、ゆっくりと深い呼吸は筋肉の緊張を和らげる効果があるからです。
最後5つ目は、ストレッチする部位を適切に選択することです。全身のストレッチングを行おうとすると何時間も必要です。柔軟性が充分ある部位と足りない部位は人によって全く違います。各々がストレッチする必要のある部位を適切に選んでストレッチすることが大切です。
まとめ
ストレッチには、柔軟性の向上だけでなく怪我の予防や、疲労物質や発痛物質の除去、姿勢の改善やリラックスといった様々な効果が期待できます。
また、ストレッチには静的ストレッチと動的ストレッチなどがあり、それぞれ性質が違うこと、またストレッチを実施する際の5つの原則についてお分かりいただいたと思います。
ストレッチは正しく行わないと効果が半減し怪我や痛みのリスクが上がってしまいます。ストレッチを正しく理解した上で快適かつ効果的なストレッチを実践しましょう。
参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「ストレッチング」「ストレッチングの実際」
AUTHOR
堀川ゆき
理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。抗加齢指導士。2006年に渡米し全米ヨガアライアンス200を取得。その後ヨガの枠をこえた健康や予防医療に関心を持ち、理学療法士資格を取得。スポーツ整形外科クリニックでの勤務を経て、現在大学病院にて慢性疼痛に対するリハビリに従事する。ポールスターピラティスマットコース修了。慶應義塾大学大学院医学部博士課程退学。公認心理師と保育士の資格も持つ二児の母。
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