理学療法士が考える効果的なシャヴァーサナのスタイルとは
横向けで休む場合は、写真のように左を下にした方がリンパや静脈還流が促されるので、よく推奨されます。ただし、食後2時間以内の場合や胃などの不調がある場合は、消化器系の流れを考慮して右を下にした姿勢が良いでしょう。
同じ横向けでのシャヴァーサナですが、特に妊婦にオススメの「シムスのポーズ」がこちらです。シムスとはアメリカの産科医の名前で産科でも推奨される姿勢です。腹部が緩みやすいスタイルです。特に妊娠後期は仰向けでのシャヴァーサナだと赤ちゃんの重みで腹部の下大静脈の圧迫が起こり、低血圧症状を起こす可能性があるので(仰臥位低血圧症候群)、長時間の仰向け姿勢は避けましょう。ボルスターの上に膝を乗せたり、頭の下にも枕やクッションを入れるとより安定するでしょう。
妊婦の場合:
左下がオススメ・・・むくみが気になる時、下大静脈の圧迫をより避けたい
右下がオススメ・・・胸焼けなど胃の不快感、消化のペースが落ちている自覚がある時
このようにスカーサナなどの座位でシャヴァーサナに入ることも可能です。
うつ伏せ姿勢が心地よければそれでも構わないと思います。他にも壁やプロップス使ってシャヴァーサナを行う方法もあるので、ぜひヨガクラスの先生に聞いてみてください。
シャヴァーサナで咳き込んでしまう時は、頭のポジションがポイントです。頭や上半身を少し高く保つと落ち着きやすいです。シャヴァーサナ前に水分を補給したり、マスクや加湿器も利用するといいでしょう。
心地よいシャヴァーサナに入るために、ボルスターやブランケットなどのプロップスも活用しましょう。靴下、レッグウォーマー、アイピローなども有効アイテムです。
シャバーサナの時間のリラクセーション効果を高めるようなBGMやアロマオイルなども、ヨガの先生によってはこだわってくれています。
最後に
シャヴァーサナは数あるヨガのアーサナの中で最も重要なアーサナともいわれています。シャヴァーサナのルールや姿勢にとらわれずに、一度自分にとって心地いいシャヴァーサナを見つける旅をしてみませんか。ヨガでの快適なシャヴァーサナの体験が、日常にも必ず生きてくるはずです。
ライター/堀川ゆき
理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。抗加齢指導士。モデルやレポーターとして活動中ヨガと出会い、2006年RYT200修了。その後健康や予防医療に関心を持ち、理学療法士国家資格を取得し、慶應義塾大学大学院医学部に進学。現在大学病院やスポーツ整形外科クリニックで、運動機能回復のためのリハビリ治療に携わる。RYT200ヨガ解剖学講師も務める。2020年RPYT85修了。
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