"極上のシャヴァーサナ"を体感するための5つのポイント
ヨガのクラスに出ると、最後に必ず行うシャヴァーサナ。毎回当然のように行っているポーズですが、じつは誰からも習ったことがない…という人、多いのでは? そこで、ヨガティーチャーの吉川めい先生に、シャヴァーサナを行うときに意識したいポイントを教えていただきました。
シャヴァーサナでよく聞く3大ワードをチェック
「すべてを手放しましょう」とは
「今、足が緊張している」「肺に酸素が入っていく」など、自分で自分の体を俯瞰しているようにイメージしてみましょう。この時、「見る」「観察する」というよりは、「遠くから眺める」ような意識を持つことが大切。すると、自分と自分の体の間に距離が生まれ、この距離感が「手放す」ことにつながっていきます。
「今を味わいましょう」とは
多くの人が、今の気持ちを「理解しよう」「説明しよう」としますが、そうすると能動的な意志が働いてしまいます。「気持ちいい」「ソワソワする」など、その瞬間の感覚をただ感じましょう。解決しようとせず、受け止めるだけでOK。
「体を観察しましょう」とは
シャヴァーサナでは足のつま先、足首、かかと、ふくらはぎなど体の隅々まで意識を送ります。このとき、自分の体がスキャナーでスキャンされている様子をイメージして。一部にこだわるのではなく、体全体を見つめましょう。
手順を踏んで行う極上シャヴァーサナ
どんなアーサナにも正しいやり方や上達のステップがあるように、シャヴァーサナにも技法があります。普段、自分が何気なく行っているシャヴァーサナと比べてみましょう。
1.「1つのポーズ」として腹をくくって練習する
「ただ横になってリラックスすればいい」ではなく、ポーズの1つとして練習することが大事。あくまでポーズなので、その日の体調によってうまくいくこともあれば、いかないときもある、と考えて。
2.ゆっくり休める環境を事前に準備する
途中で寒さが気になりそうなら、あらかじめブランケットをお腹のあたりにかけて。また、横になると腰などに負担を感じるなら、ボルスターなど軽減できるものを用意しておきましょう。
3.体に違和感がない状態で横になる
心地よく、ゆっくり休める環境を作ったら、体のどこにも緊張や違和感のない姿勢で横になります。違和感がある場合は、いったん体を起こして再度、姿勢や環境を調整して。
・足幅は腰幅より少し広めに。脚が緊張していると狭くなりがち。脱力すると、つま先は外を向く。
・手のひらを上に向ける。体からいい具合に力が抜けると、自然と指先が丸くなるはず。
・後頭部をしっかり床につけて安定させる。髪の毛を結んでいる場合は解いたほうがいい。
4.足先から順に体を観察
緊張している部位を見つけたら、深く息を吐いて呼吸とともに緊張を手放しましょう。ただし、無理に「緊張を手放さなくちゃ」と頑張るのはNG。意識しすぎるようなら、「緊張しているな」と感じるだけでもOK。
5.「ガバッ」と起きるのはNG。床を押してゆっくりと
シャヴァーサナから覚醒するときは、手足を少しずつ動かしながら起き上がる準備を整えて。ゆっくりと体を右側に向け、全身を丸めるようにうずくまり、両手を床について頭が最後になるように体を起こしましょう。
・右側に寝返りを打ち、全身を小さく丸める。このときもまだ目は閉じたまま。
・ゆっくり目を開き、視線を床に落としたまま両手を床について体を起こす。
・半眼で座位の姿勢になり、呼吸を繰り返しながら、シャヴァーサナの後の感覚を味わう。
教えてくれたのは…吉川めい先生
アシュタンガヨガの後継者、スリ・K・パタビジョイス氏に師事し、日本人女性初のアシュタンガヨガ正式指導者資格を取得。アディダス契約ヨガトレーナー。東京・表参道でコンセプトスタジオ「veda」を主宰。
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