"筋肉に焦点をあてた指示"がもたらすダメージとは|指示の生体力学的分析

Paul Miller

"筋肉に焦点をあてた指示"がもたらすダメージとは|指示の生体力学的分析

ヨギに特定の筋肉を「働かせましょう」「活性化させましょう」「スイッチを入れましょう」などと指示を出すと、効果よりもダメージのほうが大きくなる可能性がある。その代わりにどんな指示を出すべきなのだろう。研究からわかることを報告しよう。

筋肉に焦点をあてた指示がもたらすダメージ

私はヨガのレッスンの中では、フローの要素がありながらポーズを長時間保てるレッスンが好きだ。呼吸と体の動きの可能性を探ることができる一方で、静寂も味わえるのでレッスンを受けると清々しい気分になる。

最近受けたヴィンヤサフローのレッスンでは、「次はヴィーラバッドラーサナⅡ(戦士のポーズⅡ)。ポーズを保って」とインストラクターが掛け声をかけたので、ワクワクしながら自分の呼吸に集中してポーズを保とうとした。するとその瞬間、「はい、背中と腰の外側の筋肉を収縮させて、腿の内側の筋肉を働かせましょう」と指示が飛んだ。さらに、それだけでは不十分であるかのように、「次に、上腕三頭筋にスイッチを入れて」と声が飛んだ。私は動きがとれなくなってしまった。腰の外側を収縮させながら太腿の内側を働かせて、上腕三頭筋にスイッチを入れるなんて、いったいどうすればよかったのだろう。私は神経力学で博士号を取得しているが、それでも理解できなかった。

その結果、求めていた内なる平和はかき乱されてポーズに入ることができなかった。内なる師が、私なら皆がこの動きをできるようにもっとわかりやすい指示を出せると、(あくまでも心の中でだが)大きな声で訴えてきた。悲しいことに、ヨガのレッスンでは筋肉を「収縮させる」「スイッチを入れる」「ゆるめる」のような指示が頻繁に出されるようになっている。しかし、受講生はたとえ上級者であっても筋肉を働かせる方法をほんとうに理解しているのだろうか。

Photos by Paul Miller
Model by Karena Virginia
Hair&make-up by Beth Walker
Illustration by Michele Graham
Translation by Setsuko Mori
yoga Journal日本版Vol.62掲載

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