週2回以上ヨーグルトを食べると大腸がんのリスクが19%減?最新研究が示す驚きの効果

 週2回以上ヨーグルトを食べると大腸がんのリスクが19%減?最新研究が示す驚きの効果
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山口華恵
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2025-03-10

ヨーグルトは朝食や間食の定番だが、実はそれ以上の健康効果が期待できるかもしれない。最新の研究によると、定期的にヨーグルトを摂取することで、大腸がんのリスクが低下する可能性が示唆された。

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ヨーグルトが腸内細菌のバランスを整えることでがんを予防効果

朝食や間食の定番であるヨーグルトには、想像以上の健康効果がある。最新の研究では、ヨーグルトを定期的に摂取することで、大腸がんのリスクが低下することが明らかになった。今回の研究では、腸内細菌のバランスががんの発生に関与し、ヨーグルトが腸内細菌のバランスを整えることで予防効果を発揮することが確認された。

30年以上のデータが示す明確な関連性

この研究は、米国のマサチューセッツ総合病院とハーバード大学ブリガム・アンド・ウィメンズ病院の科学者たちによって実施され、医学誌「Gut」に発表された。研究チームは、30年以上にわたる2つの大規模コホート研究のデータを分析し、15万人以上の健康状態を追跡。その結果、週2回以上ヨーグルトを食べていた人々は、ほとんど食べていない人と比較して大腸がんの発生率が19%低いことが判明した。

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ヨーグルトが大腸がん予防に効果的な理由

研究によると、ヨーグルトの摂取が大腸がんのリスクを低下させる主な理由は、腸内細菌の変化にある。腸には100兆個以上の細菌が存在し、それらが腸の健康を大きく左右する。特に、ヨーグルトに含まれるビフィズス菌や乳酸菌は、腸内の炎症を抑え、有害な菌の増殖を防ぐ役割を果たす。また、ヨーグルトに含まれるプロバイオティクスは、腸のバリア機能を強化する効果がある。大腸がんのリスク要因のひとつとして、腸のバリア機能が低下し、毒素や病原菌が腸壁を通過しやすくなることが挙げられる。ヨーグルトを摂取することで腸のバリア機能が維持され、大腸がんの予防につながる。

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週に2回以上の摂取がカギ

研究結果では、週2回以上ヨーグルトを食べている人が、より高い予防効果を得ていることが示された。共同主任研究者であるハーバード大学医学部のトモタカ・ウガイ博士は、「もしすでにヨーグルトを日常的に食べているのであれば、その習慣を続けることが望ましい」とコメントしている。また、「がん予防の観点からは、週に2回以上の摂取が推奨される」と述べている。

ヨーグルト以外にもできること

一方で、ヨーグルトを好まない人に対しては、「無理に食べる必要はなく、他の健康的な食品を取り入れることで同様の効果が得られる」と説明している。例えば、野菜や果物、全粒穀物なども腸内環境を整え、大腸がんのリスクを下げるのに役立つ。今回の研究では、ヨーグルトが大腸がん予防に寄与することが確認されたが、それだけが唯一の方法ではない。2017年の研究では、「食物繊維が豊富な食事が大腸の腫瘍の発生を減少させる」との結果も報告されている。特に、全粒穀物や野菜、果物には腸内細菌を育てるための食物繊維が多く含まれており、健康維持に有効である。また、適度な運動やバランスの取れた食生活も重要だ。加工食品や赤身肉の過剰摂取は大腸がんのリスクを高めることが知られているため、これらを控えることも予防策のひとつとなる。

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出典:

Could yogurt help protect against colorectal cancer?

Eating yogurt regularly may reduce the risk of colon cancer, a study finds

Could yogurt help prevent certain colorectal cancers? New study explores the link

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