実は一緒に食べないと損!栄養素をムダなく摂り入れるために知っておきたい食品の組み合わせとは?

 実は一緒に食べないと損!栄養素をムダなく摂り入れるために知っておきたい食品の組み合わせとは?
Adobe Stock
中村友也
中村友也
2025-02-18

昨今、健康に気遣う方が増えてきていることから、簡単に多くの栄養素を摂取できる商品が開発されています。 しかし、栄養素はただ摂取すれば良いわけではなく、体に吸収されて初めて効果を発揮します。 この記事では、栄養素の吸収率を上げるために知っておきたい食品の食べ合わせなどについて管理栄養士が紹介します。

広告

栄養素の吸収率は他の成分の影響を受ける

食品に含まれる栄養素の吸収率は、他の成分の影響を受けます。そのため、どんな食品と一緒に摂取するかによって、吸収率が上がったり下がったりします。また、食品によって栄養素の吸収率も異なり、特定の栄養素の吸収率が数%ということもあります。体に必要な栄養素をしっかり吸収するためには、たくさん摂取するだけではなく、吸収率を上げて効率よく体内に取り込むことが必要です。

栄養素の吸収率が低いと栄養不足の危険も

栄養素の吸収率が低いと、食事をしっかり摂っているつもりでも栄養不足になってしまう可能性があります。基本的に、主食・主菜・副菜を揃えた食事を毎食摂取すれば、栄養不足になることはありません。

しかし、食事が偏っていたり、欠食があったりすると、吸収率が低い栄養素が不足するリスクがあります。例えば、吸収率が低くて欠乏しやすい栄養素の一つとして「鉄」があります。鉄は特に女性に欠乏しやすい栄養素であり、レバーなどの動物性食品に含まれる鉄分の吸収率は約15〜20%程度、ほうれん草などの植物性食品に含まれる鉄分に至っては数%と非常に低いです。こういった吸収率が低い栄養素は、しっかりご飯を食べていても欠乏する危険性があるため、吸収率を上げる工夫が必要になります。

AdobeStock

栄養素の吸収率が上がる組み合わせ

実際に、栄養素の吸収率を上げるためには、どのような食材、栄養素と食べ合わせれば良いのでしょうか?

鉄とビタミンC

鉄は、ビタミンCと一緒に摂取することで吸収率が上がります。動物性の食品に含まれる鉄はヘム鉄と言われ、そのままの形で小腸から吸収されます。一方、植物性食品に含まれる鉄は非ヘム鉄と呼ばれ、そのままの状態ではほとんど吸収されません。しかし、非ヘム鉄はビタミンCなどによって還元され、ヘム鉄となることで吸収されるようになります。そのため、鉄を補給したい場合は、植物性食品よりもレバーやあさり、牛ヒレ肉などの動物性食品を取り入れましょう。

また、ほうれん草や小松菜、納豆などの鉄を含む植物性食品を摂取するときは、ブロッコリーやかぼちゃ、柑橘系の果物などビタミンCを多く含む食品と組み合わせて食べましょう。同じ料理にまとめる必要はありませんので、別メニューであっても同じタイミングで食べることができれば大丈夫です。

AdobeStock

脂溶性ビタミンと脂質

ビタミンA,D,E,Kといった脂溶性ビタミンは、脂質と一緒に取ることで吸収率が上がります。脂質を摂取すると、胆のうから胆汁が分泌され、脂質を吸収しやすい形に乳化してくれます。

また、脂溶性ビタミンも、脂質と同様に胆汁による乳化を受けないと吸収率が低いという特徴があります。しかし、胆汁は消化管内に脂質がないと分泌が促進されません。そのため、脂溶性ビタミンと一緒に脂質を摂取することで胆汁の分泌を促し、乳化を受けて吸収率を上げる必要があります。これらのビタミンは、にんじんやきのこ、ナッツ、ブロッコリーなどに豊富に含まれていますので、油炒めや脂質を含む食品と組み合わせましょう。

カルシウムとビタミンD

カルシウムは、ビタミンDと一緒に摂取することで吸収率が上がります。ビタミンDは、腸管からのカルシウムの吸収を促進する効果を持っているため、カルシウムの吸収率UPに働くビタミンです。

カルシウムは、乳製品や小魚などに多く、ビタミンDはきのこや魚類に多い栄養素ですので、一緒のタイミングで食べられるように工夫しましょう。

AdobeStock

まとめ

食品に含まれる栄養素は、すべてが吸収されるわけではなく、様々な要因で吸収率が変動します。

今回紹介した食べ合わせを意識してもらうことで、栄養素の吸収率が上昇し、特定の栄養素が欠乏することを避けることができます。

参考:

国立がん研究センター 「鉄の豊富な食品と吸収率」

健康長寿ネット 「ビタミンDの働きと1日の摂取量」

広告

RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

AdobeStock
AdobeStock
AdobeStock