21歳からレコードと音楽会社で奔走。蔦屋書店音楽フロアを支えた鈴木さんに学ぶ食べること生きること

 21歳からレコードと音楽会社で奔走。蔦屋書店音楽フロアを支えた鈴木さんに学ぶ食べること生きること
腰塚安菜
腰塚安菜
2023-11-22
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興味があることがあったらじっくり観察してみよう。 心の中と毎日に、そんな余裕を

ーー休み下手な今の若者たちに、人生の先輩である鈴木さんから何かアドバイスやメッセージをいただけないでしょうか。

鈴木さん:今だから思うことなんだけど。歩いてて興味があるものがあったら、じっくり見てみたら良いんじゃない、かな。

例えば道端にちっちゃな花があるとする。朝ドラ『らんまん』の牧野富太郎を演じた神木隆之介くんのシーンみたいにね、笑顔になっちゃう。あのシーンを見て羨ましいなと思いました。

サラリーマンをやっていた自分にはああしたものを見つめる余裕がなかったよね。その時目に入ったものって「仕事の頭」だと違って見えてきちゃうんです。

今は散歩で綺麗な花を見たり、鳥がいたりすると、こんな綺麗な色をしてたんだ、香りなんだとか、じっくり考えられるようになったので、人生生きててよかったなと思うんですよ。

小さき花

ーー小さなものを観察できる心の余裕を失ってしまうのは、若い世代だけでなく、老若男女にあることですね。例えば今気持ちが下がってしまっているという人も、余裕を生み出す時間を意図的に作った方が良いと思いますか?

鈴木さん:そう思いますね。自分だけの時間をつくって、自分が自然の中の一部であること、隣にある自然を感じることができたらいいのかなと思います。

今、毎日の余裕作りでいうと(Xで投稿している)ランチタイムが自分の時間です。妻とは「ランチだけはお互い好きなものを作ろう」と決めていますからね。

取材後記

20代から定年退職まで音楽を中心に駆け抜けた鈴木さんの半生。ご自身を「くいしんぼう」と称するほど、大切にするものに日々のランチがありました。
筆者は鈴木さんのSNSを通して、デジタルネイティブ世代から見てもパワーあふれる暮らし方や食べ方を綴り続ける、発信のエネルギーを感じました。
ステージ3の食道がんを経て、毎日の食生活を中心に据えて買い物行動をする信条にふれ、「食べるために生きる」、「生きるために食べる」という人の根本的な生き方、考え方の違いまで、改めて教えていただきました。

鈴木修二郎さんプロフィール

1951年生まれ。2019年まで代官山 蔦屋書店 音楽フロアの音楽コンシェルジュとして勤務。クラシック、ジャズ、ブルースなど洋楽を専門に、60年代から90年代までのロック・ポップス、ブルース、ジャズ、R&B、ブルーグラスなど幅広く鑑賞。現在は小編成の室内楽を愛好する。環境と体力を整え、80代に向けて、スケボーにチャレンジしてみたい。

Twitter(X): @SuzukiDt

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腰塚安菜

腰塚安菜

慶應義塾大学法学部政治学科卒業。学生時代から一般社団法人 ソーシャルプロダクツ普及推進協会で「ソーシャルプロダクツ・アワード」審査員を6年間務めた。 2016年よりSDGs、ESD、教育、文化多様性などをテーマにメディアに寄稿。2018年に気候変動に関する国際会議COP24を現地取材。 2021年以降はアフターコロナの健康や働き方、生活をテーマとした執筆に転向。次の海外取材復活を夢に、地域文化や韓国語・フランス語を学習中。コロナ後から少しずつ始めたヨガ歴は約3年。



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