21歳からレコードと音楽会社で奔走。蔦屋書店音楽フロアを支えた鈴木さんに学ぶ食べること生きること

 21歳からレコードと音楽会社で奔走。蔦屋書店音楽フロアを支えた鈴木さんに学ぶ食べること生きること
腰塚安菜
腰塚安菜
2023-11-22
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幼い頃から苦手だったお肉がきっかけで。 家族と囲んだビーフシチューがゆるやかな「くいしんぼうライフ」への分岐点

ーーコロナ禍に(代官山 蔦屋書店を)リタイアされたと伺っていますが、今はどうお過ごしですか。

鈴木さん:年金生活なので予算を考えて、その日に決めた場所へ買い物のため、主に午前中に外出します。騒がしい土日はあまり出かけたくないですね。

毎日「きょうは何をつくろう」と考えて散策・買い出しに行くことと、家に帰って、料理して食べることはセットですね。

ーーそれは、コロナ以降、リモートワーク生活の私も共感できます。

鈴木さん:ぼくは根っから「くいしんぼう」だと思うんです。一方で「生きるために食べる」人と「食べるために生きる」人がいるってよく言うけれども、例えば毎日コンビニ弁当で暮らせる人もいるじゃない。食の優先順位が後回しになる人もいることを知っていますよ。働き盛りの人なら、きっとそうでしょう。自分もある時にはそうでしたから。

ーー働き盛りだった鈴木さんが振り返って「食べるために生きる」という考え方に変わったターニングポイントには何があったのでしょうか。

鈴木さん:確か健康保険のパンフレットに載ってたビーフシチューのレシピだったかな。それを家族に振る舞ってみたら「おいしい」と言われて、自分も正直においしいと思ったんです。

それまで料理なんてしていなかったのに、時間をかけたので「食べ盛りの子供を待たせるものは、料理じゃない」と妻に諌められましたけどね。

ーーきっかけの料理がそんなに明確で、ご家庭の温かいエピソードがあったとは驚きました。

鈴木さん:でも実はね、小さい頃から肉が苦手。カレーの肉も苦手でしょ。大正生まれの親は僕がチビでやせっぽちだから、何とか食べさせようとひき肉にしたけど、綺麗に避けていた(笑)。

カレーのご飯にカレールーをかけずに、海苔を乗っけて「海苔ご飯」にして食べているような子どもでした。

ーーそういえば、Twitter(X)のプロフィールで「海苔」を挙げる鈴木さん。毎日の食材への愛が強いことも伝わってきました。くいしんぼうな鈴木さんがランチに欠かせない食材は?

鈴木さん:麺類が好物だけど、パンも結構よく食べるんです。お気に入りは「ポンパドウル」のバゲット。若い時なら菓子パンも買ったけど、やっぱり正統派のバゲットがいいですね。足で歩ける場所に、いつも買いに行っています。

ーー今年54周年を迎えた「ポンパドウル」のフランスパンの美味しさは地域に愛され、全国に広がっていますね。

lunch
毎日のランチの麺やパンの食卓に海苔をフル活用。

参考:「フランスパンにはちょっとうるさいポンパドウル

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腰塚安菜

腰塚安菜

慶應義塾大学法学部政治学科卒業。学生時代から一般社団法人 ソーシャルプロダクツ普及推進協会で「ソーシャルプロダクツ・アワード」審査員を6年間務めた。 2016年よりSDGs、ESD、教育、文化多様性などをテーマにメディアに寄稿。2018年に気候変動に関する国際会議COP24を現地取材。 2021年以降はアフターコロナの健康や働き方、生活をテーマとした執筆に転向。次の海外取材復活を夢に、地域文化や韓国語・フランス語を学習中。コロナ後から少しずつ始めたヨガ歴は約3年。



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